「伝統的住宅と環境性能」トークセッション開催
今日はUIA世界大会の一環で、
伝統的住宅と環境性能と題した
トークセッションか開催されました。
ご登壇の皆さま、
有意義な議論を
ありがとうございました。
また多くの方々が
応援に駆けつけてくださり、
本当にありがたい限りです。
正直なところ、
もう少し時間をいただいて、
議論をしたかったところですが、
腹八分目も
省エネの心得の一つからね(笑)。
さて、
以前もこの場で書いたとおり、
私は「伝統」を目的化するというよりは、
「伝統」から大いに学びつつ、
現代の心地よい空間作りを
試みたいと思っています。
実際数年間実績を重ねてみて、
その方法論に
空調機器や化石燃料への
依存度が低くても
現代人として心地よく暮らせる
室内環境作りの可能性を
感じているのですが、
まだまだ感覚的なところも多く、
今回の議論を契機に、
伝統的な住宅の温熱環境に対する研究が
進むことを期待したいと思います。
とくに今私が関心があるのは、
本質的に身体にとって
「心地よい」とは何か、
という部分です。
この点について私は、
空調機器の使用を前提に、
高断熱化・高気密化により
そのエネルギー効率を高めて
365日「快適」といわれる温度を
維持するのではなく、
外気から緩やかに包まれた器の中で、
夏は暑さを楽しめるほどの暑さに、
冬は寒さを楽しめるほどの寒さに、
そのような感じとなる空間を
志向したいと思っていますし、
生きものとして、
そのほうが自然なのではないかという
問題意識を持っています。
また人間の持つ
体温調整機能を維持し、
免疫力を衰えさせないという
医学的な視点で調べてみると、
そのような器作りに
優位性を感じていたりもします。
快適性の議論を
建築の研究者だけではなく、
ぜひそういった視点も含めて、
検証を進めていきたいですね。
いずれにしても今の流れでは、
高気密・高断熱化のみの方法論で
省エネ化に向けた法制度が
約9年後に作られることになります。
それらの研究への取り組みは、
待ったなしの状況です。
やっていきましょう!