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2015年2月1日

どのように作ろうとも

カテゴリー: 今日のできごと

偶然か必然か、
とにかく今週は、
たくさんの中古住宅を
拝見させていただきました。

中古住宅を買おうと
思っているのだけど、

本当に買って
いいものかどうか、

契約前に見てほしい、
というご依頼。

だいぶ前から、
不動産を手に入れる際、

物件を紹介してくれる
不動産屋だけではなく、

建築の専門家と一緒に評価し、
検討できる仕組みがあると
いいなと思っていました。

だって何千万円もする
一世一代の買い物では
ありませんか。

当方の屋号は、
「きらくなたてものや」、
基本は設計屋ですが、

その名とした理由の一つは、

そのようなことも含めて、
たてものについて
きらくに相談してほしい、
という願いも込めての
ことでしたので、

こうした依頼が
増えてきたことを
とてもうれしく
思っています。

とくに七戸に一戸は、
空き家というこの時代、

まだまだ使えるたてものは、
ぜひ使い続けてほしいと思いますので、

私なりの視点での
評価となりますが、

ぜひ引き続き
きらくにご相談ください。

さて、こうして
幾つか中古住宅を
拝見してきた感想を一つ。

私は新たにたてものを建てる
設計の仕事をいただいた際は、

例外なく伝統的な工法に学んで
仕事に取り掛かります。

現代の心地よい空間を作るために、
それが最良の手段だという信念を
持っているからです。

しかし私がこれまで
拝見してきた中古住宅の大半は、

決して自分と同じ作り方
というわけではありません。

また一般論で比較しても、
現代の家に比べれば、
性能が劣ると思わざるを得ない
ところも正直あります。

しかしなぜだろう、

ハウスメーカーが建てたものだったり、
ツーバイフォーだったり、

ある意味で伝統工法とは
対極の位置にあるたてものだったとしても、

これまで使い続けてきた
住まい手の愛情を感じた途端、

依頼主の方とご縁があるにせよ
あるいは結果的になかったにせよ、

ずっと長生きしてほしいな、
と思う自分がいます。

だいぶ前にブログの記事で、
たてものの寿命を決定づけるのは、
「愛」だということを
力説させていただいたことがありましたが、

どのように作ろうとも、

たとえ人の手に渡るとしても、

大事なのは「愛」の積み重ね。

まさにそのことを
再認識しました。

なので私は、
誰が何と言おうと、

「現代版結」の仕組みを通じ、
みんなで愛情を注ぐ儀式を
続けていこうと思います。