今日は先生
建築の世界では、
設計者はよく、
「先生」と呼ばれるのですが、
職人が作る木のたてものは
誰が一番エライとかなく、
みんなで力を合わせて作るものだし、
私は大いに違和感があるので、
「先生」禁止。
しかし今日は、
一日だけ学校の「先生」でした。
と申しますのも本日、
ムスメが通う小学校5年生のクラスで、
授業2コマ分(計90分)のお時間をいただき、
「木の話、家の話」を
させていただくことになったのです。
森のこと、木のこと、家のこと、という順番に、
スライドを中心に、
継手仕口の模型や木の見本を交えて、
お話させていただきました。
予てより私は、
先人が気候風土に根づき
築き上げた知恵を絶ち、
クスリとケショウで
体裁を整えるという、
今の家づくりの文化の流れを
変えていきたい、と、
そのように思っているのですが、
そのためには、
地域に根づいて一つ一つ、
自分の信念にしたがって
家を作り続けるとともに、
伝えていく活動、つまり、
「知恵を伝え、未来をつくること」
についてお話しする機会、
とくに地域の子どもたちに向けて、
そのような機会を作りたいと
考えています。
そのような考えを、
昨年の夏以来発信し続けてきたところ、
学校の先生方、
また地元の大先輩方にご賛同いただき、
またムスメを始めとする家族の協力もあって、
今日初めて、その思いを実らすことができたのです。
なにしろ、
おおぜいの子どもたちを目の前にして
長い時間話すのは初めてのことだったので、
手探りで練った内容だったのですが、
子どもたちは、長い時間あくびもせず、
真剣な眼差しで話を聞いてくれて、
まずはホッとするとともに、
これからの活動に向けて、
手応えを感じることができました。
知恵の継承、
地域資源の見直し、
あるいは、
骨太な職人にあこがれる
若者が増えてくるなど、
こうした取り組みの成果が表れるには、
長い長い時間がかかるのかもしれませんが、
逆に戦後数十年の流れの中で
今の家づくりの文化の流れが
作られてきたわけですので、
今日のこの機会を皮切りに、
決してあせらず、地に足つけて、
これからも取り組んでいきたいと思います。
では、最後になりましたが、
この機会に向けてご協力いただいた皆さん、
ありがとうございました!
この場をお借りして、
お礼申し上げたいと思います。
追伸
学校の放課後の空気感が、
なんだかなつかしかったなー。