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2017年6月16日

土を旅する若き体現者

カテゴリー: イベント

今年度の二回目の木の建築塾は、
左官職人の都倉達弥さんをお招きして
お話をいただきました。

都倉さんは今年で三十歳、

三十歳とは思えないほど、
たくさんの経験と知識をお持ちで、

それらを基に、
若者ならではの感性を取り入れて
実に深く、豊かな表現を
繰り広げておられました。

元々職人の子として育った背景に加え、

世界を旅して、
様々な技術や表現、
また様々な人たちと出会って、
そこへ行き着いたのだと思います。

今年の木の建築塾のテーマは。
「土を旅する」ですが、

まさにそれを
体現しておられる方で、

やはり旅をするということは、
人生に深みをもたらしてくれるのだなと
改めて感じました。

とくに都倉さんが深いな、
と思った言葉は二つ、

一つ目は、
表現したいのは、「あ、すごい」ではなく、
なんかいい、なんか知らないけどずっとそこにいたい
と思う場を作ること。

二つ目は、
壁のよさは、左官だけではなく、
照明など他の分野も含めた
空気感だと思う、ということ。

若さに任せて独りよがりな表現に走ることなく、
チームで全体を作ろうとする姿勢をうかがうことができ、

その姿勢に
職人の遺伝子とともに、
旅で得た人勢の深みを
感じることができました。

そして後半の時間は、
土の磨きのワークショップ。

約4寸四方に
色粉を混ぜた土で

参加者全員が
色土を鏝で塗り、
布で磨いて、

光る土の表現を
試みました。

やはり土と戯れる作業は、
無心になりますね。

私も作業を始めてからというもの
時間が経つのを忘れ、
思いのままに手を動かしました。

ものづくりは楽しい、

そしてその楽しさは
万国共通、

だとすれば
世界と楽しくつながることができる、

とくに土は、
世界共通の素材、

今の世界は
不穏な状況ですが、

土を介して
平和な世界を作ることが
できるのではないだろうかと

そこまで妄想の広がる
東京の夜でした。

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