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2015年8月30日

土壁における相対性理論

カテゴリー: 家づくりの理念


ここしばらく、
8月とはいえ気温の低い日が続き、
‘寒い’とさえ思うほどです。

しかしその時の室温を見ると24〜25℃

冬の間室温がそのようだったら、
暑くてしかたないのではないかと思います。

ですのでここ最近の様子を見て、
私たちの温度の感じ方は、
相対的な変化に
左右されやすいということを
思い知らされました。

ところで先日、
「まちなかで土壁の家をふやそうの会」の企画で
都内でお話をする機会をいただきましたが、

その際、
土壁の「心地よい」という感覚を
情緒的にだけではなく、
理屈で表現することも
大切だという話題になりました。

そこでここ最近の
天気の様子と照らし合わせてみて
土壁に感じることは、

土壁の家は、夏も冬も、
温度変化と湿度の変化が、
実にゆるやかであるということ。

つまり温度も湿度も、
相対的な変化が小さい
ということです。

例えば7月の下旬、
本格的な夏がやってきた頃は、
家の中がまだ梅雨時の気温を記憶していて、
それほど暑さが応えるほどにはならず、

しかしお盆の頃になると、
家が暑さを覚えて、
正直夜になってもなかなかの暑さ、

とはいえ常に
冷房に晒されていなければ、
身体が暑さに慣れた頃なので、
今年の酷暑でさえ、
冷房がなくても
凌げないことはありません。

そしてちょうど
暑さに疲れてきたなと思う頃、
お盆休み。

お盆に休む習慣は、
そんな気候的要因が
あるのではないかと思うほどです。

さらにお盆が過ぎると、
気温が徐々に下り坂となり、
少しずつ身体も楽になっていきます。

この室内の気候変動が
実に緩やかという感覚は、
湿度の変化も然り。
冬の寒さも然り。

確かに冬は寒い時期が
酷暑の時期よりも長いので、

夏場以上に
何かしらの工夫と対策が
求められますが、

いずれにしても
この温度・湿度の相対差を
小さく感じるという実感は、
土壁の特長を語る一つの要素だし、

これを実証する数値上の根拠を
得ることができればと思います。