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2011年5月29日

家やまちで今できそうな、きらくな的エネルギー対策

カテゴリー: 家づくりの理念

大震災以降、
やはりエネルギー問題、
とりわけ電気の話に
関心が向かざるをえません。

一極集中している
現在の電気供給の仕組みを解体し、
如何に地域分散型の仕組みを作るか。
またはそれに頼らない暮らしを作るか。

その仕組みや暮らし作りに向けて、
建築の作り手として、
あるいはまちの中でできることは?

先日、
夏は風、冬は陽と火と暮らしたい
と書きましたが、
今できること、
できそうなことを
私なりの考えを交えて
ここに記しておきたいと思います。

冬1:薪の活用

薪を調達したり、
火をくべたり、
管理の手間はかかりますが、

とても温かいこと、
また空間の中に
火があるということが
いいですね。

先日竹小舞かき隊でお会いした
鎌倉か邸の‘か’さんも、
吹抜があるのに温かくて
Tシャツで過ごせるほど、
とおっしゃっていました。

薪は買うと高いですが、
一方で私たちの建築現場からは、
限りなく木材を使い尽くそうとしても
それでも廃材が出ます。

植木屋さんが
まちのどこかで
庭木を剪定します。

雑木林の中には、
枝が枯れて落ちていたり、
多少手を入れて、
木や枝を伐る必要さえあります。

工夫すればまちの中で
薪を供給する仕組みを作ることが
できるのではないかと思います。

冬2:土と木に囲まれて暮らす

昔々の人たちは、
寒さを凌ぐために、
土を掘ってその上に
茅葺屋根のような屋根を架けて、
家を作りました。

つまり竪穴式住居ですね。

確かに土は
断熱性能は低いですが、

家の中に火があれば、
土の持つ高い蓄熱性が
効果を発揮します。

薪ストーブと
相性がいいのです。

また空間の表面、
とりわけ床の仕上げに
熱伝導率の低いものを
使うことによって、
だいぶ体感が違います。

私の場合、
無垢の木の板を使うことが
多いですが、

畳や絨毯などもそうですね。

ただしそれらは、
防虫などのために
有害な薬剤などを
浸み込ませていることがあるので、
十分吟味して
選択する必要があります。

いずれにしても、
仕上げだけ替えても、
体感に違いが
出てくるのではないかと
思います。

夏1:風を通す

これは言わずもがなですね。

地震対策も必要なので、
今の家はどうしても
壁の多い作りとなってしまいますが、

私の場合、
構造上は壁であっても
足固めを入れて地窓を仕込んだり、
あるいは屋根の木組みの間の
高い位置に窓を作ったりして、
横に縦に風が通るように
していきたいと思っています。

夏2:木を植える

木陰を作るという意味もありますが、
やはりコンクリートやアスファルトで
舗装された場所と、
土があり草木が植わる場所とでは、
そもそも体感温度が違います。

一度真夏の昼間、
南側に森がある家に
伺ったことがあるのですが、
冷房をかけていないのに
そうかと思うほど、
家の中が涼しかったです。

熱1:太陽熱の利用

私の持論ですが、
太陽のエネルギーは、
熱として使ったほうが
高度な技術は要らないし、
効率もいいのではないかと
思っています。

なので機会があれば、
太陽熱温水器を
提案したいと思っています。

以前属していた事務所では、
真空ガラス管による太陽熱温水器を
使っていて気に入っていたのですが、
残念ながら廃番となってしまい、
しかし少し前、
どこかで復活するという話を
聞きましたので、
その動きに期待したいと思います。

ところでこうした
自然エネルギーを使う装置ですが、
もう少しデザインがよくなれば
使いたい!と思う気持ちが
高まるような気もしています。

熱2:薪の活用(その2)

先ほど薪ストーブについて
書きましたが、
熱源についてもやはり
薪が使えないものかと
思っています。

薪でお湯を沸かすとなると
昔のつらい生活を
想起するかと思いますが、
薪ボイラーという
なかなかステキな設備があります。

かつて設計した家で
採り入れる寸前までいったものの、
諸々の関係で見合わせたのですが、

敷地に余裕があればぜひ
使ってみたい設備です。

発電1:ゴミ処理施設を活用できないか

火力発電というものが
あるわけです。

一方まちの中で、
集中的に火を焚くところといえば、
ゴミ処理施設。

この排熱を利用したプールは
各地で見かけますが、

これと同じように
発電装置を併設することは
できないものでしょうか。

発電2:自転車発電機

フィットネスクラブに行けば、
かなりの人たちが、
バイクマシンを漕いでいます。

中には
本などを読みながら漕いでいて
楽しそうです。

この力を家の中で
発電に使うことは
できないものでしょうか。

朝15分から30分、
新聞読みつつ
発電自転車を漕いで出勤、

メタボ対策にもなりそうです。

もっとも、
優秀な蓄電装置の開発が
必要そうですが。

・・・・・

以上、
まだまだあるような気がしますが、
今思いついたことを書いてみました。

他にも色々な人たちの
こうした工夫や発想に関する
情報を集めてみて、
まち単位で一つ一つ
実現性の検証をしてみたら
面白いですね。

そんなワークショップ、
やってみたいなー。