2016年10月28日
美しい理由
カテゴリー: 神田え邸
神田え邸にて。
現在23時過ぎ。
この時間でも、
トーキョーのど真ん中で
タイル屋の小澤さんが
まだ敷瓦貼りを
がんばっています。
自分が把握するかぎり、
晩ごはんも食べていません。
たぶんお昼ごはんも
まともに食べていません。
モーレツサラリーマンも
顔負けの仕事ぶり。
物静かに見える小澤さんですが、
かつては高校野球超名門高校のエース、
内に秘めた闘志を
垣間見たような気がします。
さて、先ほどから
ずーーと目地を撫でていますが、
目地が乾くまで
目地を整えています。
なかなか目地が乾かないので、
途切れずやり続けるしか
ないようようです。
はた目に見た感じでは、
もうそれでいいんじゃないと
思ってしまうのですが、
しかし小澤さんは、
納得のいくまで
手を動かし続けます。
だからですね。
1枚1枚表情もかたちも違う、
達磨窯で焼いた敷瓦が
面になると、
はっとするほど
美しく見えるのは。
瓦の背景にある物語、
またその美しい物語から
紡ぎ出される瓦そのものの
美しさだけではなく、
それを貼る人の手も、
十分に影響しているのだと
思います。