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2007年3月11日

衣ヘンに奥と書いて襖、襖は奥が深い

カテゴリー: 家仕事塾

今日はカジュアートスペース主催「家仕事塾」の第二回目。
今は画家でいらっしゃいますが、昔々紙を商い、表具師として働いていた山口さんを講師にお迎えして、襖の貼替え作業を行いました。

朝はあいにくの大雨で、
そのせいか予定していた参加者も減り、
こじんまりした会でしたが、
かえって和気藹々と、
おしゃべりしながら
楽しく作業することができました。

また、
紙を貼るときは少々湿気が多いほうがいいので、
その意味では、
絶好の紙貼り日和でした。

まずは戸ブスマから。
下地の板に、
茶巾(下地の紙)を袋貼りします。

茶巾を一枚貼った後の様子。
その後下地の縁を一寸五分ほど残して、
茶巾を貼り進めます。

次に、仕上げとなる紙を袋貼り。
まずは紙を裁ち、
裁った紙の縁に、
糊(正麩糊)を付けます。

次に、
縁以外の部分に、
水を伸ばします。
斑がないようにまんべんなく伸ばすのが重要。

水を伸ばした後、
しばらく置いて、
それを建具に貼ります。
皆さん、なかなか上手。
紙を貼った後、
水が引いてピンと伸び、
とてもよい仕上がり。

仕上げの紙に全面糊付けして、
下地の板に一発で貼る方法もありますが、
下に一度紙を貼れば、
職人技がなくとも貼れるし、
また、
下地のアク止めにもなるという
効果があります。

次に、昔ながらの襖骨下地の襖。
実際にカジュアートスペースで使っている襖に紙貼り。
貼る作業の流れ自体は、戸ブスマとほぼ同じ。

そのあとは、
山口さんが、
予め分解した襖骨を、
組んでくださいました。

たくさんの棒状の木が組み合わされ、
あっという間に、格子状の襖骨へ。
接着剤を使っていないから、
何度でも分解・組立が可能です。

最後に、框と引手金物の取付、取り外し方法を教わりました。

実際手を動かしてみてみると、
襖をはじめに作る仕事は、
職人技でしかできなさそうですが、
紙を貼り替えたりという後々の手入れは、
それほど細かいことを言わなければ、
少し訓練すればできそうです。
また、この手入れの技術は、
壁などにも応用可能。

しかし何よりも、
この作業は思ったよりも楽しい!
自分でできれば、
意匠も色々、楽しめそうです。