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2011年3月24日

電気依存症の家づくり

カテゴリー: 今日のできごと

首都圏では今、
電気の供給が不安定ですが、

私たちの暮らしや仕事が、
如何に電気に依存しているか、
思い知らされました。

そして、
ここ最近の家づくりの世界は、
電気の存在が当たり前の前提で
進めてられてきたことを
今目の当たりにしています。

例えば24時間換気。

伝統的な木造建築等
一部の例外を除き、
室内に有害物質が蓄積しないよう、
シックハウス対策として
今全ての住宅は24時間の換気を
法律で義務付けられていますが、
電気が来なければ、
「24時間」という前提が
成立しません。

例えばオール電化住宅。

太陽光発電と
セットの場合もありますが、
そうでなければ、
電気が来ないと
全ての設備が機能しません。

しかも昨日の新聞記事で、
オール電化住宅の急速な普及が
電力需要を押し上げ、
この時期の電力不足に
拍車をかけていることが
取り上げられていました。

例えば超高層マンション。

電気仕掛けの
エレベーターが動かなければ、
何十階も上まで階段で昇り、
階段で降りなければなりません。

例えばエアコン。

鎌倉時代、吉田兼好が、
家のつくりようは、
夏をむねとすべし。
冬はいかなる所にも住まる。
という言葉を残しましたが、

寒い夜に
計画停電を経験して、
その言葉の意味が
何となく実感として
理解できたような気がします。

現代の家では、
冬場確かに電気がなければ
寒い思いをしますが、

しかし重ね着、湯たんぽ、
焚き火、あたたかい鍋―
着るものと火があれば、
寒さを凌ぐ術があります。

一方夏場、
エアコンの使用を
前提とする家では、
電気が来なければ、
暑い空気から
逃げる道がありません。

恐らく、ですが、
冬場に比べ、
もし夏場に計画停電となったら、
ましてや昨夏のように猛暑の場合、
困ることが
多いのではないでしょうか。

原子力発電が
このような事態になって、
今電力供給の在り方が
問われていますが、

一方で家づくりの在り方も、
昨今の計画停電を経験し、

付け焼刃的に対処してきた
法規制も含めて、

考え方を改める転機に
あるような気がしています。