2007年4月19日
黄金色のタカラ
カテゴリー: 鎌倉く邸
昨日の荒壁土作業の続き。
泥作りには、
思った以上に、藁を入れます。
体積にして、
粘土と同じくらいと思うほど、です。
これが数ヶ月の間発酵して、
とても粘り強い泥になります。
そして壁に塗る直前にも、
泥を‘つなぐ’ために、
藁をダバッっと入れる。
伝統構法による建物の場合、
思いのほかたくさんの藁を使います。
さてこの藁。
以前自分たちで藁を集めようとしたときに思いましたが、
今ではとても貴重なものになってしまいました。
田んぼの多い地域でも、
藁をとっておくために、
稲刈りの頃ハザカケをする光景は、
珍しいものとなりつつあるそうです。
昔は当たり前のように存在していた藁。
だからこそこうして建物に使ったり、
縄になったり履物になったり、
食べ物を保管したり、
田んぼや畑の肥料になったり、
あるいは神事の飾り物になったり。
何から何まで無駄なく使い尽くす、
昔の日本人の生活の知恵。
農も建築も、生活も宗教も、
日々つながりのあるしくみ。
藁はその一つの象徴です。
藁は、
存在そのものもそうですが、
それを取り巻く文化も、
今は貴重な‘タカラ’といえます。
私たちがコメを食べ続ける限り、
存在する藁。
使い続ける文化としくみを、
見直していきたいですね。