2005年9月2日
野地板
カテゴリー: ピスカリア
暑さ38㎜のスギの野地板が張られました。
このうえに通気層があります。
断熱材は入れませんが、厚板と通気層とこれから載せるいぶし瓦のおかげで、風通しを確保すれば、夏でも小屋裏が爽やかな感じがします。
しかし、「野地板」って、漢字だけ読むと地べたに張る板という気がしますが、実際は、屋根の下地に張る板のことなんですね。
コトバの不思議を感じる単語の一つです。
軒樋の取付。樋は銅。
銅は、写真のように、最初はまばゆいほど妖しい輝きを放つのですが、1週間もするとくすみ始め、ゆくゆくは、赤銅色に落ち着きます。
ですので、この妖しい輝きを拝めるのは、最初の頃だけ。
私はこの輝きを放つ銅を見るのをひそかに心待ちにしていたりもします。
まるで桜のように、短い間しか見ることができないということもありますが、じいさんの家が実は板金屋で、この輝きを放つ銅の色を見ると、じいさんの家によくお世話になった幼い頃を思い出したりもするからだと思います。
幼少の頃の体験が往々にして人の将来を左右しますが、銅板に囲まれ、職人さんたちと接した自分の幼少の頃の経験が、実はたてものづくりの道に入る動機の一つになっているかもしれません。