黄色い花?
出陣を待つ泥たち。
泥は、現場とは2キロほど離れた場所でこしらえたので、こうして袋につめて現場に運ぶ。
袋が黄色いので、蝶が間違えてひらひらと。
遠くから見ると、確かに黄色い花が咲き乱れているように見える。
ビニル袋なのにね。
今日はエコヴィレッジ鶴川の地鎮祭。
ようやくここまでたどりついた。
組合を設立してから、早1年が経とうとしているが、本当に早かった。
その間、いろいろなことがあったなあ。
30近い住民に集まっていただく過程の悲喜こもごも、脱退された方々を含めた、一つ一つの家族模様、設計作業の苦悩(とくに、躯体の予算が合わなくて)、あげるときりがないが、それらのできごとを思い返すと、こみ上げてくるものがある。
そして地鎮祭。
このような盛大な地鎮祭は初めてだった。
出席者の数。要した時間(3時間!)。準備にかけた手間と時間。
しかし、物理的な数量では計り知れない、心に残る、そして心から土地に感謝し、工事の安全を祈願する、そんな地鎮祭だった。
まさに「祭」。
直会のときに、出席者全員からお言葉をいただく。
1分間をめどに、ということだったが、平均するとみんなその3倍以上は話していただいただろうか、しかしもちろんその時間をさえぎる気にならなかった。
皆さんも、時間を気にすることなく、私語もなく、真剣に一人一人の言葉に耳を傾けていた。
それほど一つ一つの言葉に全て力があった。
自分も聞いていてとても楽しみだったし、うれしかった。
さて、いよいよ工事だ。
身が引き締まる思い。
この悦びを、1年かけて空間に昇華させなければ。
建物を建てるにあたり、残念ながら木々を伐らなければならないので、地鎮祭の一環として、現地の木々を慰霊する。
30近い世帯の住民が手分けして、木々にお神酒を捧げ、祝詞をあげる。
祝詞の読み方はさすがにたどたどしいが、みんな心がこもっていて、その姿はとても美しかった。
それとこの儀式を、大人も子どもも、みんな楽しんで臨んでいる。
その日の夜、住民たちと酒を飲んでいたときに話していたのだが、木々を慰霊したあと、風で木がざわめく音が明らかに静かになったようだ。
それと、前日の夜ほとんど寝てなかったので、正直なところそれまで身体とまぶたが重かったのだが、この儀式を境に、とても調子と気分ががよくなった。
やっぱり精霊は宿るのだ。