銀杏の美しい季節
秋が深まり、木々の葉も美しく彩られる頃。
厨房に銀杏の天板が取り付けられる。
巾1m46cm、奥行70cm、厚さ6cmの銀杏の板の表情は白くてとてもおとなしい。
例えるならば、学校の教室の窓際で静かに微笑んでいる、だけどなぜか存在感のある色白の女の子のようだ。
なまめかしい土佐漆喰磨きの壁によく合う。
銀杏はまな板にも使われる木なので、この厨房は全面まな板ですな。
日中飯能での作業後、その日の夜、明日の作業の準備で葉山の現場に向かう。
晩秋の葉山の夜はとても静か。
そして前日の夜飯能に居たのでとくに感じたが、やはり葉山はあたたかい。
上着なしでも十分まちを歩ける。
それにしても、飯能の夜は寒かった。
飯能某所の河原。
柿渋+荏油塗りの作業後、訪れる。
飯能は材木の街だけあって、川が流れている。
夏になるとたくさん人が来るような飯能河原もあれば、ここのように夏でもほとんど人気のない河原もある。
この季節ということもあり、水がとても澄んでいる。
とても癒される。
さらさら、という川の流れの音も、落ち着いた気分にさせてくれる。
そういえば学生時代、北白川の疎水の脇の安下宿に住んでいたが、雨と聞き違えるほどひっきりなしに川の流れの音が聞こえてきたことを思い出す。
安下宿だったので今思えば巾2寸程度のしっくい壁一枚で隔てただけの部屋だったが、ちょっとした音ならばかき消してくれるような気がした。
また川は、不思議なことに目的もなくしばらくぼうと時間を忘れて眺めてしまう。
声をかけなければ、おそらくずっとそこに佇んでしまうのではないかと思うほどだ。きっと心が洗われるんだろうな。
川はいろいろなものを流してくれる。
板壁の下ごしらえ終了。
8月に野地板を塗ったのが最後と言っときながら、今回も来る。
今回が正真正銘の今年最後の飯能への旅。
そして飯能に来るようになって6年経つが、初めての宿泊。
4人で合宿の風情。
一日目の作業が終わったら、郊外のスーパー銭湯に入り、また街なかに戻って食事。昔からありそうな趣のある店に入り、このあたりの地酒「天覧山」を飲みながら、焼き鳥を食う。
そしてホテルで就寝。11時ぐらいであっただろうか、身体を動かした後ということもあって、知らぬ間に寝ていた、コンタクトをしたまま。
目はパシパシになったが、久しぶりによく寝た。
最後に、二日間作業に参加人たち。
Iさん、Msさん
Mtさん
Ngさん
Ymさん
ありがとうございます。
今晩は、鳶職人 山口 政五郎さんの話。
まさに江戸っ子、という感じでしたね。
鳶職人の話はなかなか聞く機会がないので興味深かったです。
写真はお仮屋(初めて聞く単語)の模型。
詳しくはまた後ほど。