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2006年11月7日

一人の男の決断がかくも感動的だとは

カテゴリー: 今日のできごと

前も書きましたが、私は子どもの頃から広島カープを応援しています。
昨日は広島カープを応援する者にとって、実に嬉しいできごとがありました。

エースの黒田が、FA宣言をせずに球団に残留することを宣言したのです。
http://www.carp.co.jp/hedline_flame/08_f.html

その理由がまた感動的です。

育ててくれた球団や人たちへの愛情と、
ファンへの感謝の気持ち。

嬉しいではないですか。

もし自分の利益のみ追求したならば、彼の今の実力ならばFA宣言した方がよほど有利だったと思いますが、彼はいろいろ考えた末、きっぱりと「愛」と「感謝」を選びました。

もちろん、人にはいろいろな価値観があるでしょう。
むしろ、今の野球選手の一般的な動向から見たら、いささか奇異にすら映るかもしれません。

しかし間違いなく、彼の決断は多くの人たちに感動を与えました。

広島カープ。
他と比べてお金の無い球団ですが、
いやだからこそかもしれませんが、こうして「愛」と「感謝」に満ち溢れた選手とファンが多い。
だから私は、広島カープファンであることを誇りに思うのです。

2006年11月6日

鎧の下

カテゴリー: 横浜な邸


N邸の外壁は、土佐漆喰鎧仕上げ。
3尺3寸ごとに横に水切りが入る、風格のある仕上です。
また水切りがあることによって、壁の耐久性が増します。

雨風の強い土佐ならではの仕上ですね。

この敷地も南側が広い畑で吹きっさらしなので、仕上げとしてはちょうどよいといえます。

さて現在は、下地を作っているところです。
下地は、砂漆喰(土佐漆喰+砂)で作ります。
写真はまだ生乾き状態。

砂漆喰の表情も、好きだなあ。

2006年11月5日

秋の里山を楽しむ

カテゴリー: 今日のできごと


ひょんなことで、家族で鶴川周辺の里山を遊ぶことになりました。
NPO樹木・環境ネットワークが主催する、「子どもワクワクプロジェクト里山編―秋の森芸術展!―」に参加してきたのです。

この時期の里山は気持ちいいだろうな〜、と思っていましたが、本当に気持ちが良い。

実は来る前、子どもたちは別の思惑があったようで乗り気ではなかったのですが、里山に入った途端、朝のできごとは一体なんだったのだろうか、というくらい、楽しんでいるではないですか。

「来てよかっただろ」というと、
何事もなかったように、「うん」という子どもたち。

やはり里山は、子どもにとって楽園のようです。

しかし私が子どもの頃、わざわざ遠くまで出かけなくてもこうした空間が身近にあって、探検したり、基地を作ったり、よく遊んだものでした。
(考えてみれば、あれば多分民地でしたが…)

東京も、探せばまだこのような里山が残っているようです。
保存のための保存ということではなく、楽しくて気持ちがよいのでぜひ残していきたいですね。


里山を散策する子どもたち。
探検気分。


里山の産物で、色彩ビンゴゲーム。
里山には多様な色があることを改めて気づかされます。


我が家の犬も、里山を楽しみました。
焚き火で焼いた焼き芋を楽しんでいます。

2006年11月4日

箱が教える食事の作法

「箱膳を体験しよう」という食育イベントに参加してきました。
場所はみずがき山の麓。
「みずがき…」といえば、「えがおつなげて」の主催です。

ちょうど去年の今頃ここへ来たときすごく寒かったのですが、今日はそうでもなく、むしろ暖かいくらい。
今年の11月はやはり暖かく感じます。

しかし紅葉はもう始まっていて、山々が美しく彩られています。
空気も澄んでいて、赤や黄色や緑などの向こうに、神々しいみずがき山を望むことができます。

さて「箱膳」。
「箱膳」とは、昔農村で行われていた食器の管理方法のようで、尺角の箱の中に自分が使う食器を収め、管理します。
そして箱膳により、自ずと食事作法が規定されます。
まずは食事の量。
箱膳の中に納められた料理が、自分に配分された食事の量です。
次に食べ終わった食器の洗浄。
食べ終わったら白湯を流し、残してある漬物でこすって洗います。
その白湯を飲み干した後は、布巾で水気をふきとって箱に収めます。

(食事前)
箱の中に食事が収められています。

(食事中)
箱の蓋をひっくり返して、そのうえに食事を並べます。

(食後)
食後は白湯と漬物で食器を洗い、その食器を箱に収めます。

ということで、箱膳にて食事を体験してみました。
まず印象的だったのは、参加者が10人ほど居たかと思うのですが、食事を始めて暫くの間、実に厳粛な雰囲気の中で、誰もしゃべることなく、黙々と食事をいただいていました。
箱膳でいただくときは、しゃべってはいけないという規則があるのか、思ったほどです。
(そういえば小学2年生のとき、「給食の時間はおしゃべりしてはいけない」という規則があったなあ)
確かに箱膳を前にすると、いい加減に食べてはいけない、と箱膳が言っているような、何か背筋が伸びる感じがします。

次に、建築的な視座から。
箱膳による食事様式がもし根付いたとするならば、家は小さくて済みます。
まず「食堂」というものが要らない。
みんなが集いくつろげる、居間的な空間があれば、そこで食事することができます。
それと食器があれこれ必要ないので、台所の収納も小さくて済みます。
箱膳とは、食事作法を教えてくれるとともに、小さな空間を豊かにしてくれる装置のような、そんな気すらしてきます。

さて、その箱膳。
実はもともと、地域の森林資源をどのように活用しようか、いろいろ議論をしているうちに出てきた発想が派生して今のイベントにつながっています。
森林資源を身近なものにするために、近くの山で採れた木を身近に使ういろいろなものに使っていこう、という考えのもと、いろいろな物語のある「箱」を作っていこうという話の一環でもあります。

ということで、森につながる今後の箱膳の展開、ぜひ楽しみにしてください。

2006年11月3日

居心地考

カテゴリー: ピスカリア


今日の昼、久しぶりに家族と葉山のピスカリアに行きました。

相変わらず、季節の素材を生かした美味しい食事。

そしてここは本当に居心地がよい。

主のIさんをはじめ、いつも笑顔でもてなしてくれるMNさん、厨房の仕事人Iくん、週末本業の合間に客席に立つMSさん。そこで働く人たちのもてなす心といいますか、
来ていただいたお客さんに美味しい食事を味わってほしい、楽しんでほしい、という気持ちが、料理に、空間に、にじみ出ています。

事実、Iさんは料理を出した後、必ず厨房を出てお客さん一人ひとりに声をかけ、もてなしの意を表します。
また料理人の立つ厨房が、お客さんの通過動線の途にあり、開放的なので、お客さんと料理人の距離が近く感じます。

こじんまりとした広さということもありますが、ここは動線上、また意識の上で、お店に対して親近感のある関係を感じることができます。

そうなんです、ここの気持ちよさのカギの一つは、他の飲食店では殆ど感じることのない、あるいは成すことのできない、お客さんと料理人の「関係性」にあるのではないかと思うのです。


一方、居心地の基礎となる空間については、ここは気候風土に根ざした伝統的な建築構法に基づいて構成されています。
こうした先人の知恵に基づく伝統的な建築構法による空間は、本質的に人間にとって心地よいものであると、私はピスカリアを作って改めて思います。

歩いて1分もするとそこは海。
森戸海岸です。
感性に素直な子どもたちは、夏でも秋でも冬でも春でも、海をよろこびます。

今日も子どもたちは、秋の夕焼空に光る海を楽しみました。

ここ葉山は、海だけではありません。
里山があり、落ち着いた街並みがあり、
そして、人生を楽しもうとする人たちがたくさん住んでいます。

ここの居心地のよさは、建物で完結するのではなく、まちにつながっているのです。
いやこのまちが、ピスカリアの居心地を生んだのかもしれません。

2006年11月1日

夢はかなう

カテゴリー: 今日のできごと

10月上旬、我が家に新たな家族が来ました。

ムスメの夢がかなったのです。

ムスメは幼い頃から動物が大好きで、物心ついたときから、
「しょうらい何になりたい?」
と聞くと、
「じゅういさん」
と答えるのでした。

だから当然のことながら、かねてより動物、とくに犬を飼いたがっていて、今年10歳という歳になって、その願いはいっそう強まるばかりでした。

一方で、新たな家族を迎え入れるには、いろいろ課題や心構えが必要であると、話をしてきました。
しかしそれらを克服するにはどうしたらよいか、その解決方法をことあるたびに相談してきました。
そしてここ数ヵ月もの間、執念すら感じるほどその実行に努めてきたのです。

まだまだ全て解決したというわけではないのですが、今回、その成果が結実しました。

実は里親制度によってその新たな家族を迎え入れることになったのですが、迎え入れることを希望している方が複数いらっしゃったようで、我が家に来る確率は数分の一だったのです。
しかしその涙ぐましいムスメの努力が、我が家を選んでくれたのでしょう。

「神様」はいたのです。

夢や希望は、継続して強く持ち続ければきっとかなうのだ、ということを、子どもに教えられました。

さてそのムスメ、その新たな家族との生活の記録としてブログを始めました。
更新はボチボチですが、見てやってください。

http://ameblo.jp/jetan/

2006年10月30日

人を良くするのは

カテゴリー: 今日のできごと


昨日の夜、山梨の帰り道から身体がミソギを欲する予感がしていたのですが、案の定、朝起きることができず。
ということで、今日は身体と相談しつつ、一日家で作業することにしました。

穀物と野菜を中心とした規則正しい三度の食事と十分な睡眠。
元気を取り戻すにはこれが一番ですね。
おかげさまで、今は元気です。

ところで昨日、日々畑で肉体労働をしているM田くんが、面白いことを言っておりました。
「肉好きですけど、肉たくさん食った次の日は力出ないですね。野菜ばっか食ってるときのほうが力出ます」

やはり食生活は、私たちの体調や生き様を左右します。

そういえば最近、食生活がいささか乱れておりました。

※写真は、昨日のみずがきランドの夕暮れ。

2006年10月29日

木箱作りを楽しんだ


「森林元気化計画」の一環で、みずがきランドにて木箱作りのワークショップを行いました。
今回のワークショップは、この前の山仕事塾で出た廃材、あるいは私が関わっている建築現場の廃材をたくさんかき集め、それらを使って参加者が自由に「木箱」を作ろう、という企画です。

急に実施することになったので少人数での興行でしたが、皆で力を合わせてというよりは、自分の世界に入って作業する内容だったし、また道具をゆとりを持って使うことができたので、かえってよかったのではないかと思います。

私も木箱作りに参加しましたが、これははまりますね。
あっという間に時間が過ぎていきました。
2〜3時間あればできるというのもなかなかよいです。
これが一日がかり、あるいは数日がかりの大作になると躊躇してしまいそうですが、2〜3時間ならば休みの日に手を出すことができます。

また、単純な木箱作りの中に、ノコギリ、ゲンノウ、ノミ、カンナと、大工道具の使い方の基本が凝縮されていて、それらの道具を使いこなす訓練になります。

さらには自分で作ったものを自分で使えるのだから、なお熱が入りますね。

ということでこの企画、なかなか楽しいので今後もしかけていきたいと思います。


午前中、地元の方のご指導のもと、大工道具の使い方の基本を学びました。
こうして実際に道具を動かしてみると、職人の凄さを肌で感じることができます。
とくにカンナはそうですね。

写真の左側には、廃材の山が。

2006年10月28日

秋陽の光

カテゴリー: 今日のできごと


我が家の子ども室に、秋の陽の光が柔らかくこぼれて来ます。
私の仕事場を振り向くと、ちょうど目に飛び込んでくる光景。

―伝統的な構法を柔らかく表現―

これが我が家を設計するときに考えていたことの一つ。
とくに子ども部屋の柔らかい雰囲気が気に入っています。

この家も、今月末で住み始めてからおよそ6年が経とうとしてます。
早いような、もうずうっと住んでいる気がするような。

2006年10月27日

貫伏

カテゴリー: 横浜な邸


月曜日と金曜日はN邸の現場へ。

現在、2階の床が7割がた貼られ、1階の床も下地がぼちぼちと始まっている状況で、概ね空間の様子が分かるようになってきています。

これからは仕上のための下地作業が本格化。

現在、外の壁は左官屋さんの手でラス網が張られ、
中の壁は同じく左官屋さんの手で貫伏・むら直しが行われています。

貫伏せ・むら直しに使われる土を触ってみると、荒壁土に砂とワラがたくさん混じっているので、かなりザラッとした触感です。