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2007年2月25日

竹取物語 於:鎌倉城廻

カテゴリー: 家仕事塾


カジュアートスペース主催の「家仕事塾」が本日ついに始動!
当方この催しの「案内人」として関わらせていただいております。

今日は、竹小舞の材料を調達するために、鎌倉城廻に先祖代々凡そ五百年(!)もそこで居を構える農家の方のご好意により、その方がお持ちの竹林の中で作業しました。

まずは竹林でマダケを伐り、

その竹の枝を掃って、
竹を割き、

という仕事を、
丸一日かけて行いました。

その中で、
竹割きの作業は、
スパーンと気持ちよく、
人気でしたね。

お天気のほうは、
暖冬といわれている今年の冬ですが、
今日は冬らしく、
きりりとした寒さが沁みる日で、
しかしかえって太陽のありがたみを感じ、
また、身体を動かしていたので、
むしろ程よい冷たさでした。

竹林という場所も、
竹林が発するマイナスイオンの効果なのか、
とても気持ちよかったです。

昔の人たちは、
地盤を整え、
気持ちよい場と食べ物を得るために
屋敷の近くに竹林を植え、

一方で竹林は、
適度に間引きしなければならないのですが、
間引きによって得た竹材を、
こうして建物に使ったり、
あるいは数多くの竹道具や竹細工を作ったり、
と、この見事な循環。

ただ残念なことに、
昔はそうであったのに、
全国的にみると、
竹林は今なかなか人の手が入らず、
手が入らないがために、
竹林が辺りの野山を荒らし、
たいへんな状況となっています。

しかしこうして、
仲間とおおぜいでワイワイいいながら仕事すると、
楽しいし気持ちよいし、
しかも竹林もサッパリとなって、
お互いによい思いをすることができます。

こうした観点からも、
竹小舞をかいて泥を塗るという、
昔ながらの壁作り、
また昔々の
「結」という家づくりのしくみが、
見直されるといいな、と思います。

・・・

では次の「家仕事塾」は、
3/11(日)。
襖の張替えワークショップを行います。
楽しいし、きっとタメになるので、ぜひ!

2007年2月23日

古い民家を見ておもう

カテゴリー: 今日のできごと


先ほど書いたとおり、
湯田さんのお誘いで
土間をたたきがてら、
大和市の泉の森公園内にある二棟の古い民家を
見て回りました。

あたたかな灰色に色づいた茅葺の屋根だったり、

ほおずきなどがぶら下がっている軒の下だったり、

あるいは風雨によって洗い出された土壁だったり、

なぜでしょうか、
建ってから長い年月が経った今もなお、
‘アジ’という言葉以上に、
私たちを惹きつけてやまない
魅力がそこにあります。

そしてさらに不思議だったのは、
壁は少なく、
(基本的に壁は外壁だけといっていいくらい)
思った以上に梁や桁がとび、
その割りに材寸が小さく、
さらには
目分で六尺以上とんでいるにもかかわらず、
何と外壁側に小屋梁を受ける柱がない!
(そのうえにさすがに小屋束はなかったような気がしますが…)
ところがあったりするのに、

あるいは防水的な観点から見ると、
こりゃ雨が漏ったり染みるのではないか、
と思う納まりもありましたが、

百年以上も、
もちろん関東大震災も乗り越えて、
今ここにたてものが生き続けているのです。
(近所から移築した建物だそうですが)

そのかわり、
柱の足元を継ぎ換えたり、
壁を塗りなおしたり(湯田さんの仕事だそうです)、
その建物に手を入れ続けてきた跡が
随所にあります。

私は、建物が長く持つかどうかは、
いわゆる今「耐久性」として評価される
物理的要素もさることながら、
そういった要素が大きいのではないか、
と思っています。

愛ある手、愛ある人たちに包まれた建物は、
残そうと思えば建物は残していけるのです。

むやみに包み隠さず、
割と容易に手を入れられる建物かどうか、
また、直す職人の技術があるかどうか、
そして、使い続けたいと思える建物かどうか。

古い建物を見て回るたび、
そうした背景が、その建物にあるかどうか、
これらが建物の生きる長さを決める
大きな要素なのではないかと思うのです。

‘伝統’を踏襲し、
‘伝統’を超え、
そうゆう建物を、
作り続けて、いきたい。

古い民家の小屋裏を見上げながら、
そうした想いを、
いっそう強くするのでした。

土間をたたく

カテゴリー: 今日のできごと


昨日の昼下がり、
左官屋の湯田さんのお誘いで、
大和市の「泉の森公園」の一角にある
古い民家の土間をたたいてきました。

到着するなり、
そこに居た皆さんの嬉しそうな笑み。

こちらもやる気満々で、
早速臼のような道具↓でたたかせてもらったのですが、

最初は威勢よくボンボンと叩いていたものの、
一分もしないうちに、
これはえらい仕事だと、
思いました。

あとで棒でたたく作業も行いましたが、
いずれにしても実に地道で体力を使う作業で、

少なくとも少人数で黙々とやるよりは、
おおぜいでワイワイ言いながら
やったほうがよさそうな仕事です。

私が到着したときの、
皆さんの少し含みのある笑顔が、
とても理解できました。

それでもたたけばたたくほどいい、ということで、
先ほどの臼みたいなものや棒でたたき続け、
だいぶやったな、と思って時間を見たら、
まだ1時間も経っていないじゃないですか。

体力にはまだ少々自信のある私ですが、
これには相当応えました。

しかし、
こうして体力的にきつい仕事を
おおぜいの人たちと共有すると、
土間に関する話、
建物に関する話、
あるいはたわいもない話、
そこに居る人たちと、
自ずといろいろ会話が生まれます。

共同作業の、醍醐味ですね。

なお、関係ありませんが、
昨日の夜は、居酒屋「土間土間」で酒を飲みました。
思いがけず、土間づいた日でした。

2007年2月22日

赤子の肌のよう

カテゴリー: 横浜な邸


玄関に入ると、
ヒノキの框とサワラの床板が、
目に入ってきます。

サワラの床板は、
いつものごとく、岡部材木店から手に入れているのですが、
基本的に「節あり」の材を注文。

木なのだから、
「節があったほうが木らしくていいじゃない」
と思う一方で、
玄関に関しては、
大工の藤間さんの計らいで、
そのなかでも無地で表情のよいものをかき集め、
貼っていただきました。

こうしてみると、
やっぱりいいですね。
赤子の純真無垢な、
張りと弾力のある肌のようです。

そして、
葉紋仕上げの土間に引き続き、
こうした職人の、
単なる仕事を超えた粋な計らいは、
うれしいものですね。

2007年2月21日

深草洗い出し葉紋仕上げ

カテゴリー: 横浜な邸


玄関の土間は、
左官屋の湯田さんの手による
深草洗い出し仕上げ。

それだけでも、
風合いのある仕上げなのですが、
今回、
湯田さんの計らいで、
隅のほうに二枚、
葉っぱの模様が
ほのかに刻まれております。

こうした遊び心と
自然の造形が、
家の一部にあると、
柔らかい印象を与えます。

そして、
自然の造形は唯一無二。
紛れもなく、
‘この家は私の家’なのだという想いを、
いっそうかきたてる演出と
いえそうですね。

2007年2月20日

春が来た

カテゴリー: 今日のできごと


夕方、知り合いの女の子から、
電話がかかってきました。

その子は大学生で、
自然が大好きで、
森や木にかかわる仕事を探していたのですが、
念願かなって、
そうした仕事につけたのこと。

以前、森や木の世界を紹介した縁で、
そのうれしいお知らせを伝えるために、
電話をくれたのでした。

電話の向こうの、
とてもうれしそうな声。

こちらだって、
女の子が、
森や木に目を向けてくれるだけでも、
うれしいのですが、

これから仕事として
関わってくれるなんて、
ホントうれしいです。

仕事だから、
うれしいことも、
またつらいことも、
この先いろいろあると思いますが、
それも、仕事。

その屈託のない笑顔で、
森や木の世界を、
よりいっそう、
明るくしていってほしいなあ。

2007年2月19日

白亜の舎

カテゴリー: 横浜な邸


足場が外れ、
湯田さんの手による
土佐漆喰鎧塗りの外壁が露わに。

風格ある、白亜の舎です。

やはり漆喰は、
遠目で見ても、
漆喰ですね。

風合いが、違う。

もうすぐ、梅が咲きそうです。

2007年2月13日

鐘楼がおもしろい

カテゴリー: 今日のできごと


先日、友人の観光案内で、
円覚寺に行きました。

こういうとき、
私にとっては、
観光を楽しみがてら、
古い建物を見ることができるので、
一石二鳥です。

こうして古い建物を
見て回るうち、
最近面白いなー、と思うのは、
大きな鐘のぶら下がった鐘楼です。

あれだけ重い鋼の塊をぶら下げながら、
基本的に壁は少なく、
あるいはほとんどなかったりで、

現代の標準的な木構造に対する考え方と、
まるで対照的な建物ですが、

長い年月、
風雪に耐えながら、
お寺の境内の一角に、
凛と屹立しています。

構造的な条件が
実に厳しいといえますが、

それだけに、
力の流れ、
構造上の表現が
研ぎ澄まされていて、
一本一本の木に
それぞれたいせつな意味があるから、
見ていて楽しいのです。

さて円覚寺。
ここの鐘楼は、築約七百年!
ということは、
あの関東大震災も乗り越えて、
今ここにあるということですね。

足固めの下を支える短い列柱。
手すりや柵としては野太すぎますので、
やはり、
そうした機能を兼ねつつも、
足固めの曲げを受けるという、
構造的な意味もあるのではないかと
思います。

破風がごついです。
山の上に建っているから、
文字通り、
風から守るためなのでしょうか。

2007年2月12日

流れる光

カテゴリー: ピスカリア


冬のピスカリアの窓辺。

低い軌道の太陽と、
簾と硝子とが、

流れるような、
不思議な光を
作り出していました。

冬のあたたかい葉山を満喫

カテゴリー: 今日のできごと


C一家とK一家と、
鎌倉を堪能したあとは、
葉山へ。

ピスカリアで賑やかに昼ごはんを食べた後、
森戸海岸へ。

子どもたちは予想どおり、
ズボンの裾をまくりあげ、
海の中へ。

海を目の前にすれば、
子どもにとって、
夏も冬もありません。

海の中のほうがあったかい、
と言いながら、おおはしゃぎ。

(だから海辺のまちは、
冬あったかいのですね。)

海から駐車場までの帰り道。
冬服を着込んだ大人とは対照的に、
子どもは春・夏仕様。
というか、パンツ一丁。
寒くないのかね。