六面出揃う
畳も入り、
空間の六面が、
ほぼ完成に近づきました。
やはりいいなあ、畳は。
つい寝そべってみたくなります。
ところで今日は、
役所の最後の検査。
大きな問題もなく、
その後の手続きが進みそうです。
検査官がポツリと、
「こういう木の家、いいね。」
検査官の方に言っていただけると、
うれしいです。
生の声を通じて得たことは、
身に沁みる。
昨日、それを実感しました。
車椅子の通行路の話。
私たちは、
車椅子を使う人が通れるように、
できるだけ段差がないように設計します。
高低差がある場合は、
それを斜路によって、
解決しようとします。
かといって、
それが解決策の全てかというと、
そうでもない。
実は長い長い斜路を作るより、
車椅子が昇れる程度の段を随所に作ってもいいから、
できるだけ平らな部分を作ってくれたほうが、
通行が楽、という話を、
昨日現地を目の前にして、
いただきました。
ああ、なるほど、
と思いました。
私も昔、
車椅子生活を
体験したことがあるのですが、
斜路って確かに、
昇るのにものすごく手の力が要る。
そして下るとき、
下る速度が加速するので、
けっこう怖い。
だから余計に、
その話に共感を覚えるのでした。
人間には、
言葉があります。
言葉によって、
今を生きる人たち、
そして昔の人たちが体験してきたことを、
私たちは感じることができます。
しかし同じ言葉でも、
生の声と、
活字の情報とでは、
感度が違う。
できるだけ野に出て、
生の声を聞く。
この大切さは、
幾ら情報手段が発達しようとも、
変わらないのだと、思います。
今日はカジュアートスペース主催「家仕事塾」の第二回目。
今は画家でいらっしゃいますが、昔々紙を商い、表具師として働いていた山口さんを講師にお迎えして、襖の貼替え作業を行いました。
朝はあいにくの大雨で、
そのせいか予定していた参加者も減り、
こじんまりした会でしたが、
かえって和気藹々と、
おしゃべりしながら
楽しく作業することができました。
また、
紙を貼るときは少々湿気が多いほうがいいので、
その意味では、
絶好の紙貼り日和でした。
まずは戸ブスマから。
下地の板に、
茶巾(下地の紙)を袋貼りします。
茶巾を一枚貼った後の様子。
その後下地の縁を一寸五分ほど残して、
茶巾を貼り進めます。
次に、仕上げとなる紙を袋貼り。
まずは紙を裁ち、
裁った紙の縁に、
糊(正麩糊)を付けます。
次に、
縁以外の部分に、
水を伸ばします。
斑がないようにまんべんなく伸ばすのが重要。
水を伸ばした後、
しばらく置いて、
それを建具に貼ります。
皆さん、なかなか上手。
紙を貼った後、
水が引いてピンと伸び、
とてもよい仕上がり。
仕上げの紙に全面糊付けして、
下地の板に一発で貼る方法もありますが、
下に一度紙を貼れば、
職人技がなくとも貼れるし、
また、
下地のアク止めにもなるという
効果があります。
次に、昔ながらの襖骨下地の襖。
実際にカジュアートスペースで使っている襖に紙貼り。
貼る作業の流れ自体は、戸ブスマとほぼ同じ。
そのあとは、
山口さんが、
予め分解した襖骨を、
組んでくださいました。
たくさんの棒状の木が組み合わされ、
あっという間に、格子状の襖骨へ。
接着剤を使っていないから、
何度でも分解・組立が可能です。
最後に、框と引手金物の取付、取り外し方法を教わりました。
実際手を動かしてみてみると、
襖をはじめに作る仕事は、
職人技でしかできなさそうですが、
紙を貼り替えたりという後々の手入れは、
それほど細かいことを言わなければ、
少し訓練すればできそうです。
また、この手入れの技術は、
壁などにも応用可能。
しかし何よりも、
この作業は思ったよりも楽しい!
自分でできれば、
意匠も色々、楽しめそうです。
最近何かが足らないと思ったら、
身体を動かす機会でした。
以前は週末に、
杉板を焼いたり、
柿渋を塗ったり、
色々身体を動かす機会があったのですが、
今年に入ってからというもの、
机に向かっていることが多いのです。
年度末のこの時期、
(あー、これから確定申告)
何かが始まるこの時期は、
どうしてもそうなりがちではあるのですが、
やはり身体を動かす機会がないと、
何か物足りない。
しかし今日は、
きのかの家に行って、
菜園の区割を行うため、
久しぶりに外へ出て作業でした。
最近カゼをひいたこともあって、
何となく重く感じる日々が続いていたのですが、
身体を動かした後の今、
身も心も、
爽快な充実感があります。
春になりました。
カゼもようやく癒えました。
カラダ、動かすか。
久しぶりに、走りに出ようかな。
(確定申告終わったら)
我が家に住み始めて、
六年と半年。
しかし、
主に外廻りなのですが、
未完成のところが幾つかあって、
徐々に徐々に、
いまだに作り進めています。
つい最近は、
玄関の先の土間の部分。
この場で再三紹介している、
共和建材の五十嵐さんの達磨窯で焼いた
尺角の燻し銀の敷瓦を敷きました。
前々からの構想が、
ようやく実現。
敷き詰めてみるとやはり、
達磨窯の中で造形された、
神のみぞ知る模様と色合いが
とてもいい!
そして玄関を出るとき、
普段しげしげと眺めることのない屋根と
地面のつながりを
意識できるのもいい。
こうして何年経っても、
我が家にまだ、
作るべき部分、
変わりゆく部分
があるというのは、
楽しいものです。
さて、次は何するかなー。
恐らく、
建設組合としては、
最後の総会。
ということを、
終わってから気付きました。
まだ色々やることはあるはずなのですが、
そう気がついたとたん、
急に寂しさが、
こみ上げてきました。
子どもたちは、
相変わらずにぎやか。
出会ってから、
だいぶ成長した子どもたちの
姿を見ていると、
二年という年月の、
長さと重みを
感じます。