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2007年8月7日

陽と影

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日も、
陽と影の
濃い一日でした。

今日は午前中、
誰も居ない現場で
一人、面戸の柿渋塗り。

2007年8月6日

繰り返しの先にあるもの

カテゴリー: 鎌倉く邸


鎌倉く邸の
同じ間隔で連続する垂木。

この律動的な意匠が好きです。

そして、
鏡に鏡を当てたときに見える、
永遠の循環に吸い込まれるような感覚。

いつだったか、
古い日本の寺を見に行ったときにも、
この単純明快な意匠に、
心奪われたことがあります。

 朝、

 花、

 飯、

 脈、

 息、

 季節―

永遠の循環の先に見える光。

私は潜在的に、
これを求めているのでしょうか。

2007年8月5日

湘南だったら断熱材不要論その1

カテゴリー: 家づくりの理念


鎌倉く邸の屋根に、
ほぼ瓦が載りました。

試しに、
家の中からサワラの野地板に
手のひらを当ててみると、
外は灼熱の陽が注いでいるというのに、
そのサワラは、何事もないかのように、
ごく平静を保っています。

夏の暑い日、小屋裏って、
むせ返るように暑いという
印象があろうかと思いますが、
断熱材の入っていない、
厚い木の板と瓦の屋根は、
風が通るとむしろ、
家の中でいちばん涼しいくらいです。

こうした現象を見る限り、
この地域で木の家を作るときには、
いわゆる断熱材に頼らなくても、
木と土を基本に、
快適な室内環境は得られるのだ!
と私は思っています。

木や土自体、
決して断熱性能が高いわけではありませんが、
これらの素材の自律作用を生かしつつ、
家全体に風の流れを作り、
熱や冷気を和らげる仕組みを作るのです。

例えば屋根に関しては、
きらくなたてものやの場合、
瓦を載せ、その下には瓦を受ける野地板。
さらに1寸厚の通気層を挟んで、
家の中の天井を兼ねた、
厚い板による化粧野地板。
なお、通気層の空気は、
軒先と棟に換気口があり、
常に空気が流れています。

これで先ほどのような現象となります。

空気が流れるというのは重要で、
それは瓦と野地板の関係を見ても分かります。
瓦と野地板は、けっこう隙間が空いているもので、
この隙間が、熱を和らげてくれます。
試しに、太陽が燦燦と照っているときに、
瓦の裏を触れてみると、
これがかなり熱いのですが、
その直下にある野地板に触れると、
不思議なほど熱さを感じない。

しかし、その通気層、
過酷な熱や冷気を和らげてくれるということは、
常に過酷な熱や冷気に晒されているということですから、
蒸れたり結露したりしやすく、
その場合は、次第に周辺の素材が傷んでしまいます。

ですので、
通気層を設ける際には、
空気の流れる状況、
あるいは湿気のこもらない状態を作るということを
常に意識する必要があります。

そうした視点で見ると、
五十嵐さんの燻し瓦は、
たいへん優れものです。

と申しますのも、
釉薬を塗らずに、
達磨窯で焼いてくださる
五十嵐さんの瓦は、
スポンジのように水を吸い込みます。
この作用が、
瓦と野地板の隙間の湿度を
自ら調節してくれるのです。

さらには
水を吸うということは、
いずれはその水を吐きます。
その際に気化熱が奪われますので、
水を通さない今の一般的な瓦と比べると、
夏場に関しては、温度の変化が緩やかだといえます。

温熱環境のことだけではありません。
瓦のこうした作用によって、
野地板がいつまでも元気な状態でいてくれるので、
かえって屋根は長持ちするそうです。

緩やかに受け入れること、
呼吸すること。

これが家の健康の秘訣のようですね。

あ、人間も同じだ。

2007年8月3日

やさしい銀色

カテゴリー: 鎌倉く邸


瓦葺きの仕事が
着々と進んでおります。

釉薬を塗らず、
達磨窯で焼いた
燻し銀の世界が
広がってきました。

一枚一枚の色もさることながら、
それぞれが違う表情を持っていて、
彼らの集積が
一つの形を成すことによって、
点描のような、
やさしい印象を醸し出しています。

この瓦、
機能面でも色々ありますが、
(これについてはまた後ほど)
何よりもまず、
焼き人、五十嵐さんの
人柄がにじみ出ている
このやさしい銀色が、
好きだなあ。

一枚一枚形も微妙に違うから、
葺く人を選びますけどね(笑)。

そういえばこの瓦を葺く金子さん、
会う度のあいさつが、
とても気持ちのよい方です。

2007年8月2日

鬼瓦が来た

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日、
五十嵐さんの瓦の
第2便が届きました。

その中に、
棟に載せる
鬼瓦二つ。

恐いけど
少し愛嬌のあるその顔は、
家の一番高いところで、
しっかりと
この家を護ってくれそうです。

それともう一つ、
便の中に、
瓦で作った
建主の表札が入っておりました。

五十嵐さんの心遣い、
本当にうれしいですね。

2007年8月1日

木格子屋根?

カテゴリー: 鎌倉く邸


藤岡の五十嵐さんが、
達磨窯で焼いた瓦を
屋根に載せるための
下地がほぼ出来上がりました。

五十嵐さんからご紹介いただいた
屋根屋の金子さんと、
あれこれ話し合ってこの下地に。

今回、瓦桟を受ける流れ桟を、
通常は左官壁の下地に使う、
木ずり板を使いました。

七寸八分間隔に並ぶ五分厚の瓦残と、
九寸間隔に並ぶ二分三厘厚の流れ桟、
さながら木格子屋根です。

これはこれでなかなか…、
と思っているのも束の間、
早速、軒先瓦と袖瓦が、
瓦桟に沿って、並び始めていました。

そういえばこの下地を見て、
いつだったかどこかで、
「瓦桟に使う木は、
外材よりも国産材の方がうんと長く持つんだ。」
と、そのときの屋根屋が言っていたのを、
思い出しました。