中塗り真っ只中
2階の間仕切壁、
木ずり下地部分の
中塗りが進み、
空間が六方、
閉じつつあります。
中塗りには、
中塗り用の土と砂とスサを混ぜたもの。
塗ったあとは、↓↓↓な感じです。
今回この土を、
砂、スサ等の配分は若干異なりますが、
貫伏の材料としても使っています。
一昨日焼杉板作りが終わり、
また裏返し塗りも、
ほぼ乾いたので、
外壁は板を張る準備。
写真のとおり、
柱に厚さ20㎜の木(通気胴縁)を
打ちつけてから、
板を張るので、
壁の中を、
空気が流通する
通気層を形成します。
いわば、
木組みと土壁の家が、
焼杉板という、
服を着た状態。
土壁自体、
塗り重ねて外壁になりえますが、
やはりこうして保護するにこしたことはなく、
また夏も冬も、
この通気層が外気と室内の緩衝帯となり、
室内環境の変化を
より緩やかなものにします。
そして電気屋さんにとっては、
こういう家にとって数少ない(苦笑)、
配線のフトコロにも、なりますね。
一方、たてものに着せる服は、
素材が呼吸する
木の板か、漆喰などの左官仕上げ。
ここでは焼杉板ですが、
これらの素材を基本に、
‘服’をデザインすることになります。
今日の昼間、
とくに別に
示しをあわせたわけでは
ないのですが、
建て主家族と、
藤間さんと、
SDさんと、
うちの家族が、
集結。
日曜日なのに、
別の意味で、
現場が賑やか。
ところで、
ここの現場の雰囲気と同じように、
敷地の片隅も、
楽しいことになっています。
がけの上にある
網状のフェンスに
巻き付いた雑草。
一面緑の壁です。
工事を始めるにあたり、
一度全て刈りとったのですが、
緑の生命力は、
さすがですね。
きれいに巻き付いているので、
また刈りとるのは、
忍びないです。
雑草の壁の中に、
紫色の蔓瓜草が
可憐に咲いておりました。
幻想的な色合い。
敷地最北端の片隅に、
いつの間にか、
1坪ばかりの
菜園ができてました(笑)。
といいますのも、
このごろ毎日のように来ている
大工、左官屋さんたちは、
ほぼ毎日のように、
お昼やおやつの時間、
現場にフライパンだの鍋だの持ち込んで、
とても楽しそうに、
自分たちで料理します。
じゃあその食材も、
工事の期間中、
自前で育ててしまおうということで、
こうして敷地の片隅に、
菜園をこしらえたのです。
職人の遊び心と、
またそれを
楽しそうに受け入れてくれる
建て主のフトコロの深さの
証ですね。
焼杉作業5日目。
焼きの作業は、
3日目で終わっているので、
今日は前回に引き続き、
板をきれいにして、
柿渋を塗る作業。
今日の参加者は、
建て主家族、
2時間半かけてKSさん、
私、
という構成。
時折、
暑いと感じる陽の光が
雲の合間から注ぎ、
そして、
10月らしい風が吹くという天気。
作業するのに
ちょうど身体が心地よく、
また板も、
柿渋を塗ってすぐ乾いてくれるので、
実に作業日和でした。
子どもたちは、
時々手伝い、時々ゲーム。
なかなかよく働いてくれます。
そしてKSさん、
ていねいに子どもたちの面倒を見てくれて、
ありがとうございます。
すっかりなついていましたね。
できあがりの様子。
深みのある褐色。
柿渋を塗るとやはり、
若干赤みを帯びた色になります。
・・・
鎌倉く邸の
吉岡木材さんでの焼杉作業は、
これにて完了!
うれしいけど、
さみしいなあ。
久しぶりに東京に出たついでに、
浅草に寄り、
瓦造形展に行ってきました。
私がいつも
使わせていただいている瓦の窯元、
共和建材の五十嵐さんが
作品を出展されているからです。
やはり、
達磨窯による燻し銀の色は、
いい雰囲気ですね。
色々な瓦があっただけに、
比較して、よりそう思いました。
帰り道、
浅草伝法院通りに並ぶ
お店の軒先の瓦が、
全て違う表情だということを
五十嵐さんからお聞きして、
眺めて歩くことにしました。
ずっと右斜め上を見ながら歩いていたので、
人にぶつかりそうでしたが(笑)。
こうしてみると、
瓦だけでも
本当に色々な表情があります。
その中でも、
私はやはり、
素朴で、
手をつないでいるような感じがする
万十の形が好きだなあ。
(写真参照)
しかも
この写真の軒先は、
熨斗も柔らかい感じで、
気に入りました。