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2007年9月13日

止まる響きと止まらぬ響き

カテゴリー: 鎌倉く邸


葦と漆喰が奏でる天井が、
できてきました。

四本の間渡し竹に
細かい間隔で葦を括りつけ、
その上から、
漆喰を落して仕上げます。

これは、昔ながらの
「ヒビキドメ」という、
上階の音をなるべく下階に伝えない
天井を作る手法が
ヒントとなっています。

なお漆喰は、
真白とせず、
土佐漆喰を混ぜて、
少し黄色を帯びたものにしました。

葦の色と同調して、
いい感じです。

しかし漆喰のほうは
将来少しずつ白くなり、
葦も風化して
褐色になってくるので、
時とともに対比が表れ、
‘味’が出てくることと
思います。

さあ、この天井、
何て名付けよう。

2007年9月11日

葦と白

カテゴリー: 鎌倉く邸


ここ数日、左官屋の湯田さんと
幾たびも対話を重ねることにより、
天井の意匠を決めました。

葦と漆喰と左官の技で、
白波の川のような天井が、
もうすぐ生まれそうです。

現場での対話の中から
生まれる意匠は楽しい。

職人さんたちのほうも、
いつもよりもいっそう熱心に、
仕事に取り組んでいるように、
見えます。

2007年9月10日

裏を返す

カテゴリー: 鎌倉く邸


家の中から塗った泥が、
だいたい固まってきたので、
泥に砂を混ぜ、
外側から、
裏返し塗りが始まりました。

これで美しい竹小舞が、
完全に泥の中に、
埋もれることになります。

さみしいですが、
仕方ないですね。

一方でだんだんと、
家が家らしく、
なっていきます。

2007年9月9日

九九

カテゴリー: 今日のできごと

今日は九月九日。
九九の日。
九九といえば、
掛算の覚えうた。

私の記憶では、
九九を覚える頃、
親の世界から自立し、
近所の子どもたちと、
世界を作り始めたように
思います。

そんな九九の日、私は、
二十九の掛け合う世界からの卒業を
宣言することとなりました。

一区切りを迎えて、
一息つくというというよりは、
やり残したことを思い、
後ろ髪引かれる気持ちと、
すごく寂しい気持ちが
今日一日、
暫く交錯していたのですが、

身は割ることはできないと、
最後は自分が出した答え。

その答えが一体‘何点’なのか、
それはこれからの自分次第ですので、
それぞれが自立し始めた今、
お互いが、‘これでよかったのだ’
と思える日が来るように、
私は、これまでとは違った方法で皆さんを支え、
そして力強く、自分の道を、
歩き始めていきたいと思います。

追伸

これまでみんなと綴った、
二十字二十九行のことば、
決して忘れません。

久しぶりに振り返ったのですが、
よく作ったもんだ(笑)

皆さんと力を合わせ、
このことばの世界が、
広がるといいな。

2007年9月8日

壁塗りお手伝いし隊!

カテゴリー: 鎌倉く邸


先週に引き続き、
左官屋さんご好意で、
「壁塗りお手伝いし隊」開催!

建て主と有志1名、
そして子どもたちが参加しました。

泥と子どもの組み合わせは、
とっても賑やか。

すみませんねえ本当に、職人さん。
しかし皆さん、あたたかく、
子どもたちの相手をしてくれました。

子どもたちにとって、
泥に触れ、職人と交流した
この日の思い出が、
将来、何かにつながってくれれば、
と思います。

一方建て主は。
駆けずり回る子どもたちをよそに、
一心に壁塗り。

やはり先週より今日、
だいぶうまくなりました。

2007年9月7日

台風一過

カテゴリー: 鎌倉く邸


夜中、
轟音響く風と、
叩きつける雨。

朝心配で現場を見に行きましたが、
やはり建物の中に
雨が吹き込んではいたものの、
基礎が‘プール’になった以外は、
基本的にはあまり影響はなく、
ホッとしました。

とはいえ、
基礎の‘プール’から
水をかき出さなければならず、
午後は大工2名と私、
途中からうちのヨメと
建て主の奥さんも加わって作業。

水のかき出し作業は、
足に腰にシンドくて、
正直気の乗らない作業ですが、
こうしてにぎやかだと、
気も晴れるというものです。

そしておやつの時間、
奥さんお手製の美味しいプリンを
みんなでいただきました。

おっ、太陽が見えてきた。

2007年9月6日

竹は外、木ずりは中

カテゴリー: 鎌倉く邸


竹小舞に
泥が塗られていく一方で、
2階の間仕切りの
下地となる木ずりが、
打ち付けられていきます。

この家は、
構造上の理由もあって、
2階の間仕切りは、
木ずり下地なのです。

木ずりは、
幅36㎜、厚さ7㎜と、
非常に細かい材、
これを小刻みに
釘で止めていかなければならないので、
大工さんはたいへんですが、
石膏ボードと違って、
ゴミがでないのがいい!

竹小舞と同じく、
下地の状態でも
美しいです。

さて、これから台風だ。

2007年9月5日

箱膳を堪能できる店


私がNPO活動として取り組んでいる箱膳、
それらを堪能できるお店が、
明日銀座にオープンします。

「茶子溜り」
中央区銀座6-8-3 地下1階

箱膳にて、
お蕎麦と和食を楽しむことができるお店です。

当方NPO発で、そこで展示している箱膳は、
・箱膳キット:山梨産
・胡桃の箱膳:山梨産
・栗の箱膳:山梨発
・桐の箱膳(板もの):会津産
・桐の箱膳(框もの):会津産
です。

買うこともできますよー。

和の食と空間、
そして箱膳を堪能しに、
ぜひ足をお運びください。

隠れ家的で、なかなかいいですよ。
地下で携帯もつながりませんし(笑)。

2007年9月4日

木も高齢化社会

カテゴリー: 家づくりの理念

今日は、
神奈川の森や木に関して
相談すべく、
厚木のほうへ行ってきました。

その中で耳に残ったのが、
木が「高齢化社会」を迎えている、
ということ。

つまり、
せっかく植えた木が
ぜんぜん使われないので、
新たに木を植えることができず、
また、
若い木に対して手入れがなされないので、
彼らが‘おとな’になる頃、
使える木が今よりとても少なくなってしまう、
と、そういうことらしいのです。

じいさんたちが植えた木を使い、
孫の代のために、
私たちが森を育てるという、
三世代にわたる森の循環。

木を使うということは、
気が遠くなるほど長い長い年月の、
循環の恵みをいただくことなのですね。

この循環が今、
途絶えようとしているのです。

これは先日うかがった、
飯能の岡部さんも、
同じことを仰っておりました。

戦後、目の前のことに必死だった、
必死にならなければならなかった時代から
一つ階段を上がり、
食も住まいも着るものも、
遠い世代を想い、
そして今、何をなすべきかを
考えなければならない時代に
来ているということを、
改めて感じました。

その中でも、
森に触れ、木に触れるということは、
遠い世代、長い時間を
想うきっかけになり得ます。

木の建築を設計するという、
森とまち、木と人の橋渡しする立場として、
家づくりを契機に、
いや家づくりという、
一生に一度きりのことではなくても、
身近なところ、日々の生活の中で、
森に触れ、木に触れる機会を
提案していきたいと思います。

2007年9月3日

泥塗り順調

カテゴリー: 鎌倉く邸


1階の壁の泥塗りが、
順調に進んでいます。

裏から見ると、
泥がむにゅっと、
点描のように
はみ出ていて、
これはこれで、
意匠の一つとして、
考えられます。

しかしこの部分は、
あとで、
‘裏返し塗’を行い、
一面泥壁となります。

たっぷり塗り厚を確保すれば、
それだけ室内の環境も、
過ごしやすくなりますからね。