ブログ
2007年7月30日

美しい仕事人の必要条件

カテゴリー: 家づくりの理念


左官職人、
湯田さんの仕事は美しい。

昨日開催した家仕事塾にて、
改めてそれを思いました。

湯田さんをはじめ、
これまで美しいと思える仕事をする人たちと、
出会う機会をいただいてきましたが、
こうした人たちには、
共通項があるように思います。

一つ、
仕事をする姿勢が美しい。
弛まず力まず、
身体の幹が整っています。

一つ、
仕事をする環境が美しい。
整理整頓、
身の回りが整っています。

一つ、
仕事の段取りが美しい。
常に一歩先を考え、
流れるように仕事が進みます。

仕事をする身体と場と時間。
これらが整っているのですね。

これらを満たしているからといって、
ただちに技術が伴うというわけではありませんが、
しかし優れた技術を持つ人の
共通項であることは事実。

このことは、
建築の世界に限らず、
どの世界にも共通することであることは、
美味しい食事を提供してくれる
葉山某食事処のIさんの建物を作るときにも、
感じたことでした。

自分を省みて、
その点どうなのかと問われると、
残念ながら返事に窮してしまうのですが、
ただ幸い私の廻りは、
美しい仕事人に恵まれ、
そのことに気付いた今、
自分も美しい空間を設計すべく、
日々以上の事がらを、
心がけて生きたいと思います。

2007年7月29日

土を知る〜荒壁土塗りと泥団子〜

カテゴリー: 家仕事塾


本日、
鎌倉カジュアートスペースにて、
第9回家仕事塾開催!

今日は、
左官屋の湯田さんを招いて荒壁土塗り。
そしてたくさんの方々に
参加いただけることになったため、
湯田さんにお願いして、
特別企画!
磨き仕上げの技術を応用した
「泥団子作り」を行い、
荒壁から仕上げまで、
一日、土を堪能しました。

真夏の蒸し暑い陽の下、
皆さま、
ご参加いただきましてありがとうございます!

まずは作業手順を、
湯田さんが作った見本を使って説明。
またこの見本が、よくできてるんだ。

竹小舞下地に、
手で泥を塗りつけます。
皆さん、童心に帰り、
黙々と作業しています。

今日は、
こんなにおおぜいの方々がご参加。
暑い日だったから、
ちょうどよかったです。

午前中には、
荒壁土塗りの作業は、
終わってしまいました。
すばらしい!

そして午後は、
光る!泥団子作り。

荒壁土で団子を作り、
そのうえに中塗り。
ここまで湯田さんが
仕込んできてくれて、
そのあと参加者は、
仕上げの工程。
赤青黄色のキメの細かい土を
慎重に塗り重ね、
磨きこんでいきます。
(私は写真のとおり、赤色を選択。
琉球の土だそうです。)

湯田さんの指導のもと、
まるで親鳥が
卵から雛を孵すように、
皆さん、丁寧に丁寧に作業。
その成果が表れ、
団子が光り始めると、
もうやみつき。
皆さん、終わることを知らず、
一心不乱に、
大事に大事に団子を育てていました。

ということで、
この小屋作りに関する家仕事塾は、
これにて完結!
およそ5ヵ月間という長丁場、
この場を提供してくださった
カジュアートスペースのマキコさん、
たいへんありがとうございました。
また延べ数十人となる参加者の方々、
文字通り皆さんの手で
ここまで作り上げることができました。
この体験を通じて、
将来の家仕事に対し、
少しでも糧にしていただければ幸いです。
また皆さんのおかげで、
私もこの5ヵ月を楽しむことができました。

しかし!

このたてものは、
8合目までは達しましたが、
完成までにあと2合、
登る必要があります。
引き続きこまごまと仕事がありますので、
その際はまたよろしくお願いいたします。

さて、
いつかこの催しを総括するか!

またどこかでこの企画、
やりたいなあ。

2007年7月28日

何の字?

カテゴリー: 鎌倉く邸


棟木と垂木と空。

これは、
何かの文字にも、
見える。

2007年7月27日

野地板がほぼ終わる

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日夕方、
現場に立ち寄ったら、
野地板がほぼ貼り終えていました。

昨日今日と、
応援の大工が二人来てくれているので、
やっぱり早いですね。

なお、
きらくなたてものやの場合、
原則として野地板を二重に貼ります。
まずは天井の仕上材を兼ねた厚板、
(サワラを使うことが多いです)
次に3cmの通気層があり、
その上にまた野地板。

2007年7月26日

野地板が始まる

カテゴリー: 鎌倉く邸

見納め 其の一

見納め 其の二

なぜなら今、
サワラの野地板を
貼り始めているからです。

サワラという木は、
見た目も、触り心地も
柔らかい。

だから、
真夏の射すような陽の光も、
柔らかく受け止めてくれるのです。

実際、午後の昼下がり、
厚八分の板を貼っただけで、
板の下から手をかざしても、
熱いと感じません。

このサワラの厚板は、
飯能の岡部材木店発。

ボクが今のこの仕事を始める、
きっかけを作ってくれた材木屋さんです。

瓦がやってきた

カテゴリー: 鎌倉く邸


今朝、五十嵐さんの瓦が、
群馬藤岡からやってきました。

今日は、
ここで使う瓦のおよそ半分、
約1,200枚運んできたとのこと。

暑い太陽の下、
瓦の運搬、
おつかれさまです。

とても感じのよい、
ご年配のご夫婦
お二人での作業です。

来週早々、
早速屋根に瓦が載る予定です。

2007年7月25日

空とともに、現場もアツく

カテゴリー: 鎌倉く邸


上棟から昨日までは、
大工は破風板や面戸などの加工のため、
下小屋で作業でしたが、
今日から3人現場へ。
また、
軒先換気口の加工のため、
板金屋さんも現場へ。

にわかに現場が、
活気付いてきました。

今日も太陽がまぶしい。
皆さん、身体には気をつけて。

2007年7月24日

久方ぶりの青い空

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日はいよいよ、
夏らしい、
ギラギラした太陽と青い空。

やはり夏は、
こうあるべきだ!

先日上棟を迎えた木たちを見てみると、
アツい太陽にさらされて、
急に柿渋の赤みがましてきました。

写真のとおり、
こうして垂木の間から、
空を見上げるのも、
あと数日の話。
少ししたら、
野地板が貼られ、
瓦が載る予定です。

その準備として今日午後私は、
アツいアツい太陽の下、
破風板や広小舞や面戸などに、
柿渋を塗りました。

こういう日の肉体労働は、
確かにキツイですが、
遠慮なく出てくる汗と、
それを撫でる夏の風、
私はキライではありません。

こういう日に飲む水が、
うまいんだ!

そういえば、
腕をしたたる汗を見て、
同じような空の下、
練習に明け暮れた日々のことを
思い出しました。

2007年7月23日

上棟回顧

カテゴリー: 鎌倉く邸


一昨日の上棟。

お祝いの宴が深夜に及び、
そして次の日、
先ほどの記事の通り、
早朝から一日山梨に出かけたので、
今日ようやく、
じっくりと回顧しているところです。

今回この家は、
大学時代の友人の家。
更に、お互いのヨメ同士も、
旧知の仲。
昔の友人の家だからといって、
家づくりに対する姿勢は
決して変わるわけではありませんが、
しかしやはり、
こうした関係での家づくりは、
実に楽しい。
今まで生きてきた歳月の
凡そ半分の付き合いになるわけですが、
出会った頃にはこういうことになるなんて、
全く想像だにしていませんでした。
改めてこの縁に感謝!です。

伝統構法の棟上作業。

本来ならば、
二三日がかりの仕事になることが多いのですが、
今日は一日で完了!

藤間さんたちの刻みが、
今回桁行方向にかなり間崩れした、
大工の頭を悩ます設計だったのに、
いつもながらほぼ完ぺき、

また今日手伝ってくれた方々も、
まだ若いけれど、
(今日は平均年齢30代前半くらいです。)
伝統構法を熟知した大工衆約10名、
さらに、
左官屋さん、水道屋さん、基礎屋さん…
他の職方も精力的に手伝ってくれたおかげです。

上棟のお祝いも、
これからこの家づくりに関わる職人たち、
近所の人たち、
柿渋塗りを手伝ってくれた人たち、
実に多くの人たちがかけつけてくださり、

改めてこうした、
伝統に根づく家づくりというのは、
たくさんの人たちの手と協力と愛のうえに
あるのだなあと実感。

回顧すればするほど、
込み上げてくる何かがある、
まさに感無量の一日でした。

今日は達成感と、
それと背中合わせの脱力感に、
私の身体は覆われていますが、
回顧はこの辺にして、
明日から、
今度は建物の完成に向けて、
前を向いて歩こう。

またきっと、
楽しい物語が待っている。

2007年7月22日

間伐材、デッキになる


水曜日に引き続き、
山梨にて自主施工指南第二弾。

今日は、
ウッドデッキの
木工事です。

木材はカラマツ。
先日の山仕事で搬出した、
山に放置されていた間伐材です。
これを製材して、
使うことにしました。

さて、作業の様子。

木工事にさきがけ、
木を焼きました。

カラマツは製材しただけの状態では、
無数の細かいトゲが手に刺さるのですが、
こうして焼くことで、
その危険性がなくなります。
しかも割とお手軽に、
とても格調高い意匠となり、
一石二鳥です。

そして木を加工。
基本的には、
ノコギリとビス打ちだけという、
比較的取り組みやすい作業。
順調に作業が進みます。
ただし、
下地の水平だけは
シンチョウにゲンミツに。

…と6人で楽しみながら
作業すること一日。
写真の通り、
4m×2.6mの黒いデッキが
無事できあがりました。

見捨てられかけていた木が、
自分たちのできる範囲での技術で、
こんなに立派になりよって…。

そもそも、
こうしてみんなで何かを作るって、
根源的に楽しいですね。

こうした間伐材の利用、
なんだかクセになりそうです。
また山へ、
タカラを探しに行こうかな。