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2007年4月19日

黄金色のタカラ

カテゴリー: 鎌倉く邸


昨日の荒壁土作業の続き。

泥作りには、
思った以上に、藁を入れます。

体積にして、
粘土と同じくらいと思うほど、です。

これが数ヶ月の間発酵して、
とても粘り強い泥になります。

そして壁に塗る直前にも、
泥を‘つなぐ’ために、
藁をダバッっと入れる。

伝統構法による建物の場合、
思いのほかたくさんの藁を使います。

さてこの藁。
以前自分たちで藁を集めようとしたときに思いましたが、
今ではとても貴重なものになってしまいました。

田んぼの多い地域でも、
藁をとっておくために、
稲刈りの頃ハザカケをする光景は、
珍しいものとなりつつあるそうです。

昔は当たり前のように存在していた藁。
だからこそこうして建物に使ったり、
縄になったり履物になったり、
食べ物を保管したり、
田んぼや畑の肥料になったり、
あるいは神事の飾り物になったり。

何から何まで無駄なく使い尽くす、
昔の日本人の生活の知恵。

農も建築も、生活も宗教も、
日々つながりのあるしくみ。

藁はその一つの象徴です。

藁は、
存在そのものもそうですが、
それを取り巻く文化も、
今は貴重な‘タカラ’といえます。

私たちがコメを食べ続ける限り、
存在する藁。
使い続ける文化としくみを、
見直していきたいですね。

2007年4月18日

泥作りを目の前にして、とりとめもなく

カテゴリー: 鎌倉く邸


今日現地で、
左官屋さんが荒壁土を作る作業。

深谷から粘土を運び、
切った藁と水をたくさん入れて、
よく混ぜるだけ。

こう書くだけだと、
お手軽料理を作るみたいですが、

実際は、とっても重労働。
足に、腰に、
応える作業です。

とはいえ、
おおぜいでやると楽しそう。
今度カジュでやります!

あるいはこの作業は、
運動部のブカツの練習でやると、
足腰の鍛錬になって、
ええんちゃうかと思ってみたり。

変わった練習でマスコミを賑わすK田三兄弟とか、
興味を持ちそうですね。
ああゆう練習、個人的には好きです。(でした。)

2007年4月17日

土壁小屋と久しぶりに対面


昨日は山梨の山村へ。
昨年秋の山仕事塾で作った小屋と、
久しぶりに対面。

あのときの感動がよみがえります。

冬の寒さに耐え、
時の流れによる風化も作用して、
とてもいいではないですか。

土壁も、
いい感じで‘サビ’が出ています。

追伸、
5月の連休中、5月4日に、
外壁や床板を貼ります。
興味ある方は、ぜひ!

2007年4月16日

もったいない

カテゴリー: 今日のできごと

今日は午後、
山梨の山村へ。

間伐により、
切り捨てられた木。
出しても売れないから、
そのまま放置。

もったいない。

手放されようとしている、
しいたけ小屋。

あたりには、
たくさんの雑木が生え、
しいたけを作るには、
とてもいい環境なのに。

もったいない。

その他にも、
使われずに荒れた田んぼや畑が、
たくさん、たくさん、ある。

もったいない。

日本は、
外に資源を求めてきた一方で、

内では、
身近なものを使う楽しみが、
こんなにもたくさん埋もれているのに、
この豊かな資源を、
手放そうとしています。

もったいないことです。

今日はあいにくの雨模様。
靄で目の前の山が霞む。

いつかきっと、
靄の晴れる日が来ることを。

2007年4月15日

鎌倉で大工塾開催!

カテゴリー: 家仕事塾

今日は、
カジュアートスペース主催、
家仕事塾の第三弾、大工塾を開催しました。

参加者約10名。
おとなもこどもも、
いろいろな人たちに
参加していただきました。

ところで参加者は、
八割がた女性。
今は女性のほうが、
元気ですね。

さて、作業のほうは、
まず大工道具の使い方から。
工事現場で出た端材を利用し、
ノコギリやノミの使い方を、
大工指導のもと、
午前中、みっちり学びました。

講師の大工は、
現在きらくなたてものやと行動を共にする、
藤間建築工房の面々。
指導の評判も、上々。

そして道具の使い方に慣れたら、
実際に使う材木の刻み。
参加者の皆さんには、
土台の蟻継ぎの部分と、
ホゾ穴を刻んでいただきました。

今年から中学生の男の子も参加。
なかなかいい感じの手つきです。
この歳で、伝統的な木組みの建物の
刻みを体験するとは。
末は大工にしましょう、母さん。

子どもたちには、
意外にも、土の仕事が人気。

私のほうで
実際に建てる場所の
地面をならしていたのですが、
その横で
スコップで遊んだり、
虫やミミズたちとの対面を楽しんだり、
大はしゃぎ。

それにしても近くに住む植木屋のSさん、
飛び入りにしては、タイミングがよすぎます。
地ならしを手伝っていただいたり、
道具を貸していただいたり、
大助かりでした。

それではまた来週(22日)も、
その次の週(29日)もやります。

とくに29日は、
刻んだ木材の棟上、
しかも、
鎌倉路地フェスタの真っ只中で開催!

祭りの中、
サプライズ企画あるかも、です。
乞う、ご期待!

2007年4月14日

木と音楽を楽しむ夕べ

カテゴリー: 今日のできごと


夕方、町田で仕事を終えた私は、
いつもと間逆の方向、
飯能にある材木屋へ。

目的は、
飯能に住む大工と、
来年建て始める予定の家の話。
そして、
無垢の木に囲まれた会場での、
ピアノ演奏会を楽しんできました。

いつもながら、
無垢の木が織り成す空間と、
音の響きは、すばらしい。

伝統構法を手がける仲間たちとの対話を楽しみ、
心地よい音を響かせる空間でピアノと戯れ、

身も心も楽しんだ、
今日の夕べでした。

家仕事を楽しむ仲間が身近に居る

カテゴリー: えこびれっじ


今日は午前中、
久々に総会。

午後は、
何やらおおぜいの男たちで、大工仕事。
作業台を作っているようです。

子どもも混じり、
笑い声も聞こえ、
とても楽しそう。

しかも大人数なので、
思ったよりも、
順調に仕事が進んでいます。

力を合わせて家の仕事を楽しむ仲間が、
身近におおぜい居る、幸せ。

まさに、
cooperative(=協同:力と心を合わせて事に当たる)、
ですね。

2007年4月13日

大工塾の準備

カテゴリー: 家仕事塾


カジュアートスペースの代表、たなか牧子さんと、
大工の講師をしていただく、
きらくなたてものやと今まさに一蓮托生の大工、
藤間建築工房とで、
日曜日行われる大工塾の準備。

写真は、
先日引き取った古材
洗っている様子。

私はといえば、
建つ場所の地ならし。

まさに鎌倉らしい、
閑静で緑美しいまちのなかで、
土と戯れ、
力仕事を楽しみました。

久々だったので、
今、腰が重い。

しかしこの心地よい疲れが、
生活と動きに、
‘張り’をもたらします。

庭先では、
タンポポが重なるように、
咲き乱れていました。

生活の中に、
‘地’や‘土’があるって、いいなあ。

2007年4月11日

いよいよ大工仕事塾始まります

カテゴリー: 家仕事塾


今週日曜日から、
三週連続で大工仕事塾。

カジュアートスペース主催、
家仕事塾の第三弾、
参加いただく皆さんの手で、
小さなギャラリーを作ってしまおう!
という企画です。

今日は、
吉岡木材さんから材の搬入の立ち会いのため、
たてものを建てる、カジュアートスペースへ。

木が運び込まれると、
いよいよ始まるのだな、
という実感が、沸いてきます。

棟上は、
たてものが大きくとも小さくとも、
その達成感と充実感は、同じ。

今月末が、楽しみだ!

2007年4月9日

木の寿命の不思議

カテゴリー: 今日のできごと


昨日、北軽井沢で見た、
築七〜八十年の別荘。

建物の中は、
屋根が傷み、
そこから雨風枯葉が入ってきて、
想像以上にだいぶ傷んでいましたが、

雨風に無防備にさらされているはずの、
外壁をなす板は、
建物の中で何ごともなかったように、
元気な様子でした。

しかも板の厚みは、
たった二分三厘。

雨に濡れても、
風を受けても、

常に新たな空気をたくさん吸い続ければ、
木は長く持つという、

木の寿命の不思議。