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2007年10月25日

仕上げ塗りの準備

カテゴリー: 鎌倉く邸

先週末、仕上げ塗りの色を決めたので、
さっそく、左官屋の湯田さん、
仕上げ塗りの準備。

左から、
白、赤、黄の土。
2階のお部屋に関して、
これらを使い分けたり、
調合して塗ります。

自然界にある
土の色だから、
どれも柔らかい色です。

寝室に塗る予定の、
ほんのりと赤い土壁の材料。

ここで湯田さんから不思議な話。

赤い壁ですが、
赤土だけだと、赤が強すぎて、
白土を混ぜます。
しかし白土を混ぜるとさらに赤が際立つので、
黄色の土も混ぜるとのこと。

割合は、
白:赤:黄=2:1:1、
それでとても雰囲気のある
玄奥な赤色の壁となります。

やはり濃い色は、
強く出てしまうんですね。
絵の具と一緒だ。

なお、念のため、
以前に塗り見本を作っていただいていますが、
ここで調合したもので改めて小さな見本を作り、
様子を見て塗るという段取りになっています。

仕上げ塗りに使う砂。

湯田さんのほうで調達した、
山梨産の白い川砂です。
(湿っているので、少し黒く見えます)
ホームセンターで売っているような
普通の黒っぽい砂を使うと、
やはり色の印象は違ったものになるようです。

そしてこの白い川砂を水で洗いながら、
7厘目のフルイでふるい、
目を揃えます。

2007年10月23日

「鎌倉遊山!」を下見

カテゴリー: 今日のできごと


トラーベ・アート・フェスティバルの一環で今月26日行われる「建築家といく鎌倉遊山!〜鎌倉の山と文化と料理を楽しむ〜」の下見に行ってきました。

「建築家と〜」となっていますが、
山や庭も歩くので、
元居た会社の先輩であり、
今は鎌倉で植木屋をやっている
さくらいさんも同行。

正解でした。

やはりまちの要素は、
建物だけではありませんからね。

参加した皆さんには、秋の鎌倉を、
重層的に案内できれば、と思います。

それにしてもいい天気で、
秋の山は気持ちよくて、
おまけに見事な夕陽に巡り合えて、
下見とはいえ、
十分堪能しました。

本番が楽しみです。

2007年10月21日

芸術は糸

カテゴリー: 今日のできごと

今日は、現在鎌倉で繰り広げられている
トラーベ・アート・フェスティバルの各催しを楽しみました。

夕方からでしたが、自転車を使って3ヵ所。
展示のみならず、自ずとその行程、
秋の鎌倉のまちを楽しむこととなりました。

また、このイベントの準備を通じて知り合った、
鎌倉に縁のある芸術家の方々の展示だっただけに、
より楽しく、親しみをもって作品を堪能しました。

芸術は糸。

芸術は、国を越え、人と人とを結び、
まちに散らばっている宝物を結ぶ、ということを、
このイベントで改めて感じました。

あと1週間。
多くの皆さまに
楽しんでいただければと思います。

2007年10月20日

竹と土で国際交流

カテゴリー: 家仕事塾


今日は心地よい秋晴れのもと、
家仕事塾、トラーベ・アート・フェスティバル特別番外編開催!

いやあ、今日ほど語学が全くダメな自分を
悔やんだことはない!
「割く」という言葉がでてこない!
「結ぶ」という言葉がでてこない!

だけどですね、
ドイツの方々は、
こちらがお手本を示すと、
言葉がなくても
おおかた推測してくれて、
ジャンジャンやってくれました。

作業内容を理解すると、
話には聞いていましたが、
そのあとの馬力がすごい!

昼休みもとらず、
夢中になって作業されていました。

日本人は、
Kさんと私の2人でしたが、
お昼休みは、
作業に熱中する方を横目に、
遠慮がちに休憩。

「Lunch time!」と
声をかけても、
一向に休む気配なし。

しかしあとで、
主催者のまきこさんに聞くと、
ドイツ、というか、
欧米の人たちは、
休むとき、別に一緒に休まなくても、
それぞれが休みたい時に休むという感じで、
いいらしいですね。
そういう文化だそうです。
なるほど。

個人主義の国と、
チームワークを重んじる国の、
文化の違いを感じました。

午後は、
裏返し塗りを、
手で豪快に塗っていただきました。
これが気持ちいいんだ!

2007年10月19日

焼杉板がやってきた

カテゴリー: 鎌倉く邸


午後、
吉岡木材さんから、
みんなで焼いた
焼杉板が
届きました。

トラックから積み降ろすにあたり、
枚数がたくさんあるので、
材木屋さん、
これを使う大工さんを始め、
その場に居合わせた
左官屋、電気屋さんも、
なんだ、かんだと言いながら(笑)、
率先して協力していただきました。

ありがとうございます。

家仕事塾前夜

カテゴリー: 家仕事塾


明日カジュ・アート・スペースにて行われる
家仕事塾(トラーベ・アート・フェスティバル特別番外編)の準備のため、
午前中、大工のこぐちくんと作業。

こぐちくん、ありがとうございます。

明日は、
泥塗り(裏返し塗り)と竹小舞を、
一般参加者とドイツの芸術家たちとで
行う予定です。

2007年10月18日

見えないところだからこそ

カテゴリー: 鎌倉く邸

大工の藤間さんの手で、
造作工事が進んでいます。

現在は、
内部外部の内法(うちのり)材の取付。
※内法材:敷居とか鴨居とか

今日は、
居間の外壁面にある
大きな木建具の
枠廻りの仕事を
していました。

縦枠に戸ジャクリがあり、
段差があることもあって、
小胴付きを付けて、
敷居材、鴨居材を、
スッポリと飲み込ませて、
納める加工。

たいへん手間のかかる仕事です。

だけど、
これなら木が収縮しても、
取り合いの部分が
スイてこないですね。

そのほか写真を見ると、
室内壁の土壁と取り合う部分、
外壁の板壁と取り合う部分に、
あらかじめシャクリを入れているのが、
分かると思います。

いつまでも建物をきれいに見せるためは、
こうした大工さんの、
見えないところの手間が、
とても大切なのです。

中塗り始まる

カテゴリー: 鎌倉く邸

竹小舞下地部分の
中塗りが始まりました。

材料は、
中塗り土と荒壁土、
砂とスサ。

砂がたくさん入っているので、
触ると、
ジャリジャリした感じです。

塗った直後の様子。
まだ水気を含んでいるので、
深い緑色。

この色もいいですなあ、と、
左官屋さんに話したら、
この色を乾いた状態で再現するのは
たいへん難しく、
だからお茶会をやるときに、
あえて直前に茶室の壁を塗り替えて、
乾いてしまう前の、
この色の間に会を開くという、
趣味人の方が、
いらっしゃるそうです。

またこの壁は、
着物が擦れると
壁にすぐ傷がつくので、
緊張感のある佇まいになるのが、
いいのだそう。

乾き始めた様子。
ほんのり緑がかった色。

乾きが遅いところは、
下地に貫があるところ。

このほんのり緑の色も、
美しい。
しばらく中塗りのままでも、
いいと思ってしまいます。

事実、昔の家は、
そうすることが、
多かったようですね。

2007年10月17日

「タカラサガシから始まる物語〜家仕事塾の記録〜」を刊行しました

カテゴリー: 家仕事塾


今年2月から10回にわたり、
日本の伝統的な建築手法を体験的に学ぶ場として、
鎌倉のカジュ・アート・スペースにて
取り組んできた「家仕事塾」。

この模様を、
「タカラサガシから始まる物語〜家仕事塾〜」として、
小冊子にまとめました。

著者は、
せんだふみさん、
たなか牧子さん、
そして私、の合作。

参加者の視点で絵日記風に、
設計者の視点で技術論と理念、
主催者の視点で総括、
という3部構成、76ページにわたり、
この物語をとりまとめています。

またこの冊子は、
背表紙は、
参加者代表せんだふみさんが漉いた紙、
綴じ紐は、
主催者たなか牧子さんが紡いだ絹の糸で、
文字どおり手作りで、
実に雰囲気よく仕上がりました。

1部1,000円。

多くの皆さまに
ご購読いただければ幸いです。