2008年2月21日
今日鎌倉市役所に行って、
3月1日より始まる、
景観条例が定める制限の内容について
説明を受けました。
鎌倉市の景観地区内で
建物を新築したり改装したりする場合、
色彩や高さについて、
細かい条件が定められるようです。
こうして行政が
歴史都市として景観に目を向け、
具体的な指針を打ち出すことは
とてもいいことだと思います。
市民が景観のことを考える
きっかけにもなりますからね。
ところで先日、
電車に乗って出かけました。
その車窓から、
ある大きな新興開発住宅地が
見えたのですが、
壁も屋根も、
見事に同じ素材、
見事に同じ色でした。
色や形を揃えると、
本来ならばいい街並みに
なりそうですし、
おもちゃ箱を引っくり返したような、
何デモアリ、のまちよりは、
住宅開発の思想として
共感するのですが、
しかし私は、
この住宅地の街並みを見て、
そこに住んでいる方々には
申し訳ない意見なのですが、
決してすばらしいとは、
思いませんでした。
一方で、
同じ揃っている街並みでも、
例えば、ずっと木の格子が続く京都の町屋群、
あるいは、漆喰の白壁がずっと連なるまちなどは、
美しい街並みだな、と思うのです。
私はその新興住宅地を見て、
同じ「揃っている」でも、
私が違う印象を受ける理由は、
一体なんだろう、と思いました。
単にデザインの良し悪し?
あるいは揃っている素材の
質の問題でしょうか、
それとも、
後者がよいと思うのは、
長い年月そこにある続けることによって、
周りの景色と馴染んでいるからでしょうか。
こうして色々考えてみたものの、
自分の中で納得できる、
はっきりと皆さんに説明できる理由には、
まだ至っていません。
風景の感じ方は、
それを見る人の心理的背景、
美的感覚などに左右される、
主観的な要素が強いものなので、
私が見出す理由は
私だけのものかもしれませんが、
これから家という、
風景の一粒を作り続ける身として、
このことについてじっくり、
考えていきたいと思います。