猫歩き
吹抜けに浮く、
キャットウォーク。
日本語に置き換えると、
‘猫歩き’。
だけど幅は内法約58cm、
バルコニーとも
連続しているので、
十分人間も歩けます。
吹抜を設ける場合、
せっかくなので、
光を取り入れたいと思うことが
多いですよね。
ただ高い部分に窓を付けると、
手が届かない可能性があります。
やはり光とともに
風を取り入れたいので、
こうしたとき、
キャットウォークは有効です。
年末年始の妻の実家へ帰省中、
学生の頃住んでいたあたりでもある
銀閣寺周辺を徘徊しました。
ちょっと回っただけですが、
様々な板壁と遭遇。
学生時代は、
こういったところに
ちっとも目が向かなかったけど、
今のような仕事をしていると、
まち全体が博物館のように思えて
楽しいですね。
銀閣寺に向かう参道の
裏道で見つけた蔵の板壁。
長い年月風雪を経た板壁に
なぜこのように風化の色の差が
くっきり出るのか、不思議です。
ベンガラ混じりの板壁。
上1枚は遠目でよく分からなかったのですが、
少なくとも中と下の2枚は、
焼杉+ベンガラ仕上げ、
現在建築中の藤沢む邸と同じ仕上げです。
銀閣寺の板塀。
これはいわゆるふつうの焼杉ですね。
黒く焦げた部分が流れて、
柔らかい感じになっています。
滋賀県にある妻の実家に帰省中、
近所の宮内建築さんの作業場を
訪問しました。
宮内さんとは、
職人が作る木の家ネット仲間、
この近江の地で活躍される
同志の大工です。
そう、
ご存じの方も
いらっしゃるかもしれませんが、
昨年11/9の「情熱大陸」という番組に
出演した大工です。
出演した番組の文字通り、
木の建築に対して
並々ならぬ情熱を持った方で、
気がつけば薪ストーブの前で
話し込むこと5時間半超、
身震いするほど、
とても刺激を受けました。
こうした同世代の同志が
全国に散らばっていることを
とても心強く思うとともに、
彼らと力を合わせ、
今の建築界を包む価値観に対して
一石を投じていければ、と思います。
その‘一石’が
今年どのような波紋となるか、
楽しみです。
初詣に行った
伏見稲荷の千本鳥居。
この鳥居という同じ架構が
どこまでも連続する空間の中を
一度歩いてみたかったのです。
続く続く、どこまでも続くトンネルは、
この先どうなっているか見てみたいと
足を運ばせる魔力がそこにはあります。
これは先の見えない未来を
楽しくしてくれる装置にも思えます。
また、この中を歩いているときに
ふと脇に目をやると、
コンマ何秒ごとに、
鳥居の柱を通り過ぎます。
そんなに急ぎ足で
歩いているわけではないのに、
酔うほどに歩く速さを感じます。
鳥居たちが
もっとゆっくり歩こうよ、と
言っているようにも聞こえます。
この空間は、
私たちの未来のために、
時間の感覚に働きかける
装置だと思いました。
あけましておめでとうございます。
私は年末から
滋賀県にある嫁方の実家にお世話になり、
そこで大勢の親せきと新年を祝いました。
私は今、恥ずかしながら
新聞をとっていないので、
久しぶりに嫁方の実家にある
新聞に目を通しましたが、
今まで数十年の間に
築き上げてきた世界が
おぼつかなくなってきて、
どうも世相は暗いようですね。
しかし考えようによっては、
私たちにとって本当に大事なことは
何なのかを問い直し、
こうして正月に集まる
賑やかな大家族のような
あたたかい世の中を作り直す、
いい転機なのかもしれません。
今年私たちの活動が、
少しでもその転機の一助に
なればと思います。
それでは皆様、
今年もよろしくお願いいたします。