謙虚に受け入れ未来を探る
昨年末、Eディフェンスという
兵庫県にある防災研究施設にて、
伝統構法木造住宅の
実大振動実験が行われました。
このことは伝統構法木造住宅を
前向きに評価し、普及させていこうという、
国の姿勢の表れなので、
私たちにとって画期的なできごとです。
私は残念ながら、その実験の場に
立ち会うことができなかったのですが、
本日、兵庫県まで足を運び、
揺らした後の構造試験体が
どのような状態になっているか、
一本一本詳細にわたり、
観察する機会をいただきました。
確かにこうした構法は、
実験の映像を見る限りでは
大きく傾いたとしても倒壊までには至らず、
粘り強い構造体といえます。
しかし強い地震波を
1回だけではなく、
2回試験体に加えることにより、
弱いところ、課題も
はっきりと見えてきました。
私たちはこの事実から
目をそらすのではなく、
直せるからいいというのではなく、
腕のよい職人が気持ちをこめて
作るからいいというのではなく、
謙虚にこの事実を受け入れ、
職人たちとともに改善点を
探っていきたいと思います。