ザルの目を細かくするには
先日、内装制限の緩和規定について
この場で触れましたが、
分からない点があったため、
手続きついでに、
某市の建築審査担当者に質問しました。
すると4月1日より
施行になった告示にもかかわらず、
その担当者および周りの方々も、
告示の存在自体を知らなかったようで、
慌てるように告示の内容を
確認していただきました。
今日のようなできごとは
別にめずらしいことではなく、
伝統構法で家づくりを進めようとすると
割とこういう場面に遭遇します。
ただ、今回新しく出た告示は
別に伝統構法に限らない、
広く適用されるであろう内容なので、
建築審査する方々にとっては既に
ご存じのことだと思っていました。
しかしこうしてご存じないということは、
建築審査を行う法規の番人側のほうで、
新しい法令や情報が出るたび、
会議なり講習会なりで、
事前に勉強する機会がないということが
あからさまとなりました。
数年前、建築業界を
震撼させる事件が起こり、
その対策として次々に、
建築法規が改正されましたが、
その内容はいずれも、
私たち建築士や施工者の意識向上と
そして負担を求めるものです。
建築業界不信を払拭するために、
必要な措置だと思いますが、
法規遵守の意識を求めていくのならば、
法改正と同時に、もう一つ、
すべきことがあるのではないかと思います。
ちなみにこの春、建築審査手数料が
約1.5倍に跳ね上がりました。
業界が背負う今の負担は、
結局、建主に行き着くばかりです。