きらくな一行、色いろな土を見に行く
大工の藤間さん、
左官の湯田さんと
京都の土屋へ。
色いろな土を
見せていただきました。
浅葱、稲荷山、深草、聚楽…、
浅葱はともかく、
色の名前は、
地名と縁があるようです。
大工の藤間さん、
左官の湯田さんと
京都の土屋へ。
色いろな土を
見せていただきました。
浅葱、稲荷山、深草、聚楽…、
浅葱はともかく、
色の名前は、
地名と縁があるようです。
ラーメンはとても好きですが、
最近食べると、胃が重くなります。
今日もひるめしに
こってり系のラーメン食べたら、
夜まで思い胃を引きずりました。
トシなのでしょうか。
昨日、最近いただいたご縁で、
オーガニックガーデンフィールドワークに
参加してきました。
この催しは、
農薬に頼らず、
草木も虫も生き生きと生きる
庭づくりをどうすればよいか、
観察を通じて学ぼうというものです。
心地よい家づくりを目ざすのならば、
庭にも心地よさを求めたいですからね、
また家と庭はお互いに
引き立て合う関係にあるので、
庭のことをもっと深く知りたいと思い、
参加しました。
ぶらぶらと歩きながら出会う
草木や虫の説明もさることながら、
彼らに「雑」草も「害」虫もない、
「雑」か「害」かは人間都合であり、
彼らは全て、意味があって
この世に存在しているという視点は、
非常に心打たれました。
彼らの存在は、
土や木からの手紙だということですね。
そして今日、
私にとってこの催しのもう一つの目的は、
糞土師 伊沢 正名さんにお会いすることでした。
伊沢さんは、「くうねるのぐそ」の著者。
私も川の旅でノグソの心地よさを
体感していたのですが、
今日伊沢さんのお話をお聞きして
その行為が実は深ーい意味があると知り、
こちらの話も非常に心打たれました。
今まで「エコ」とか「環境」とか
そういった言葉が繰り広げる世界は、
私たちの身体に取り込むものばかりに
目が向けられていましたが、
私たち生き物は、
入れて出してそれが巡り巡って
この世界が成り立っているわけで、
糞にしろ、ゴミにしろ、
私たちが「出す」ものにも
大きな関心を寄せるべきだと思いました。
今の私たちの世界では、
糞は「廃棄物」でしかありません。
まちには下水道が完備され、
出したものは下水処理場で、
まとめていろいろな方法で
処理されています。
確かにその整備によって
川がきれいになったと思うのですが、
処理の方法が水環境に対して適切かといえば、
それもなかなか疑問のようです。
また下水処理場を建設しようとすると、
必ずといっていいほど、
周辺住民から反対運動が起こります。
気持ちは分からなくないですが、
しかしこのご時世、
周辺住民にとって
不可欠な施設なわけです。
これはゴミ処理場にも
同じことがいえますね。
だからこそ、
私たちの出したものは、
できるだけ自分で解決する、
この発想が
とても大切なように思います。
ただ自分たちで処理しようとするときは、
相応の作法と礼儀が必要。
また土の還元作用にも容量がありますからね。
相応の礼儀と作法が失われたから、
また土の容量を超える人間の数が
住み始めたから、
見苦しい環境汚染が始まったといえます。
一方でざっと簡単な試算によると、
日本の国土面積には、
1億2千万人の糞を受け入れ、
土に還す循環の余裕が
まだあるとのことです。
まちとむらの人口のバランスが悪いので
例えば大都市東京で
一概にそうとはいえないのかもしれませんが、
ただみんなでのぐそしよう!は、
非常に示唆に富む提案だと思います。
また何よりも、
ウンコ話は人をえがおにしますね!
まじめな風貌の伊沢さんが話し始めると、
みんながおかしい雰囲気に
包まれるのが印象的でした。
それにしても、
21世紀に入ってから、
一度も便所で糞をしていないって…、
脱帽です!
先日、内装制限の緩和規定について
この場で触れましたが、
分からない点があったため、
手続きついでに、
某市の建築審査担当者に質問しました。
すると4月1日より
施行になった告示にもかかわらず、
その担当者および周りの方々も、
告示の存在自体を知らなかったようで、
慌てるように告示の内容を
確認していただきました。
今日のようなできごとは
別にめずらしいことではなく、
伝統構法で家づくりを進めようとすると
割とこういう場面に遭遇します。
ただ、今回新しく出た告示は
別に伝統構法に限らない、
広く適用されるであろう内容なので、
建築審査する方々にとっては既に
ご存じのことだと思っていました。
しかしこうしてご存じないということは、
建築審査を行う法規の番人側のほうで、
新しい法令や情報が出るたび、
会議なり講習会なりで、
事前に勉強する機会がないということが
あからさまとなりました。
数年前、建築業界を
震撼させる事件が起こり、
その対策として次々に、
建築法規が改正されましたが、
その内容はいずれも、
私たち建築士や施工者の意識向上と
そして負担を求めるものです。
建築業界不信を払拭するために、
必要な措置だと思いますが、
法規遵守の意識を求めていくのならば、
法改正と同時に、もう一つ、
すべきことがあるのではないかと思います。
ちなみにこの春、建築審査手数料が
約1.5倍に跳ね上がりました。
業界が背負う今の負担は、
結局、建主に行き着くばかりです。
この前少し、
石場立ての話が出ました。
石場立てとは、
昔ながらの家に見られる
基礎の構法の一つで、
石の上に柱を載せ、
それを足固めや貫で
固めるという方法です。
え、柱を載っけるだけ?
とお思いの方も
いらっしゃるかもしれませんが、
家の床下の通気を存分に確保し、
足元の手入れがしやすく、
また地震が来た時、
地面からの揺れを吸収してくれるので、
ある意味では理に適った
構法といえます。
しかし今の時代、
法律でこの構法を
全面的に取り入れることは
極めて難しくなりました。
とはいえ私はときに、
この構法を部分的に
取り入れています。
例えば先日の話のように、
収納を宙に持ち上げて、
その下を地窓にしたり、
あるいは玄関で
靴箱を宙に浮かせて
靴箱の下の空間を使えるようにしたり、
いずれも何かを
「宙に浮かせる」場合に使います。
上棟前、木組みに塗った
柿渋の斑を補修するため、
茅ヶ崎あ邸の現場に行きました。
初夏の暑い陽気でしたが、
土壁で覆われた家の中は、
涼しい海風が流れ、
爽やかな心地でした。
熱い夏家の中を涼しくするためには、
熱を遮る土壁だけではなく、
風の流れも大切ですね。
と申しますのも土壁の家は、
夏涼しいという評価がありますが、
外気の温度変化に対して
家の中をやわらかく包んでくれる一方、
じっくり時間をかけて
熱を蓄えてしまうという
性質もあります。
だから、
涼しい風が流れる朝と夜に風を取り入れ、
また熱い空気を外に逃がす
仕掛けが必要なのです。
この家では、
その仕掛けの一つとして、
寝室の二間分ある収納を石場立て風とし、
その下に地窓を設けました。
こうすることで防犯に配慮しつつ、
朝夜二間分の風を
部屋に取り入れることができます。
またこの部屋の南面にある
大きな掃き出し窓には、
鍵付き無双窓付きの
木戸が閉まるようにしました。
石場立て、地窓、無双窓…、
いずれも昔ながらの家に仕掛けられた
装置の応用ですね。