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2009年4月24日

キズのナゾを解く

カテゴリー: 今日のできごと


今日は海老名せ邸の柿渋塗り。
所員一同で柱を塗りました。

塗り始めると早速、
柱の足元に
ホゾから指一本分離れたところに
鋸を切り始めて、
「あっ、しまった」
という感じに見える鋸目を
見つけました。

この柱、
墨付けを少し
間違えちゃったんだね、
と思っていたら、
ほとんどの柱に
鋸目があるではありませんか。

あれま、
全ての柱の墨付けを
間違えってしまったのでしょうか。

いやそうではないということを
少ししてから気付きました。

これは‘わざと’なのです。

大工が後で行う作業が楽なように
付けた印です。

ではその作業とは何?

その答えは、
そのときになるまでの
お楽しみに!

瓦の軒先

カテゴリー: 茅ヶ崎あ邸


現在、茅ヶ崎あ邸は、
瓦葺きの最中。

屋根の上に、
斑な銀色の波が、
描かれ始めています。

ところで、
瓦の軒先の様子を
写真に納めました。

ご覧のとおり、
瓦の下も空気が
流れるようになっており、
また万が一、
瓦の下に水が
流れてしまったとしても、
外へ流れ出るしくみに
なっています。

しかも瓦自体が
昔ながらの燻し瓦、
水を吸ったり吐いたり、
呼吸をするいきものなので、
外見をととのえるだけではなく、
こうした下地部分の環境、
いわば建物の内臓をも
ととのえてくれます。

こうして
昔ながらの匠の技は、
知れば知るほど、
風土に根付いた表情を
与えてくれるだけではなく、
気候風土に対して
理に適った機能を
持ち合わせていることが
多いことに気が付きます。

あるいは
昔ながらの建物は、
デザインの一つ一つに
意味があると
言えるのかもしれません。

現代でも、
こうした技と知の結晶を
生かしていきたいですね。

2009年4月23日

朝、簾

カテゴリー: 今日のできごと


仕事部屋の東側には、
物干し台に通じる
硝子戸があるのですが、
この時期の朝は、
ほぼ真東から陽が昇るので、
日の出の頃から眩い光が
差し込んできます。

少し前だったら、
あたたかくなってきたなあと
とてもありがたく感じていたのですが、
この頃は初夏の陽気なので、
正直少し、
手加減してくれないかなあと
思います。

とくに私は、
朝早い時間から、
この戸の真横で
仕事を始めるので、
朝陽とのお付き合いの方法が、
とても大事です。

そこで活躍してくれるのが、簾。
以前建主さんにいただいたものを
ここに掛けさせていただいております。

陽射しが強いときは、
パソコンの画面を
直視できないくらい
眩しいのですが、
ぱっと簾を垂らすだけで、
暗くなるわけでもなく、
ちょうど心地よい光の量を
通してくれます。

そして初夏の陽気の
この時期は、
戸を開けておくと、
簾を通る風が
心地よいと感じます。

朝寝ぼけまなこでも、
地球の引力による速さで
室内に心地よさをもたらしてくれる、
この切り替えの早さが
実に日本的でいいですね。

調べてみると、
簾はとても古くからある
日本の住まいの装置のようです。

2009年4月22日

小舞始まる

カテゴリー: 茅ヶ崎あ邸


今日から、
若き左官屋さん数名現場へ。

竹小舞かきが始まりました。

2009年4月19日

まちのまつりはおもしろい

カテゴリー: 今日のできごと


今日は、
地域ぐるみで取り組んでいる
柞の森音楽祭の交流会。

先月22日
雨にもかかわらず盛大に行われた
音楽祭の打ち上げも兼ねて、
参加された方たち、
あるいはお手伝いいただいた方たち、
総勢70名ほどが学校の広場に集まり、
火を焚いてトン汁パーティーを行いました。

参加した方の顔ぶれは、
小学生中学生、
今年中学校を卒業したばかりの高校生、
準備に奔走した若者たち、
子どものお父さんお母さんたち、
学校の先生方、
地域で暮らすお年寄り、
(と呼ぶには失礼?)
と実に様々。

その方々が一堂に会し、
交流を楽しみました。

こうした地域ぐるみのおまつりは、
まつりそのものの内容だけではなく、
おまつりを通じて、
老若男女問わず、
こうして地域の方々と
顔見知りになることができることも
楽しさの一つですね。

またこうして、
身近なまちの中に
知っている顔が増えると、
ますますこのまちのことが
好きになります。

皆さんも地域のおまつり、
見直してみると実はとても、
おもしろいかもしれませんよ!

2009年4月17日

赤い壁

カテゴリー: 藤沢む邸


今朝所用で藤沢む邸へ。

沖縄土の大津磨きのその後を
見せていただきました。

鈍く妖しく光る、
あたたかい赤色が
淡く黄色い土佐漆喰との対比の中で
静かに存在を主張しつつ、

柿渋色に染まった木組みと、
鉄錆色の硝子の枠と、
見事に調和しています。

左官屋の湯田さんによれば、
これから長い時間をかけて、
もう少し表情が変化するとのこと。

その育ちぶりがまた楽しみです。

2009年4月16日

屋根工事始まる

カテゴリー: 茅ヶ崎あ邸


茅ヶ崎あ邸の
屋根工事が始まりました。

まずは流れ桟と、
棟換気金物を取り付けます。

このあと横方向に
瓦桟を打ち付けていきます。

2009年4月15日

沖縄土を磨く

カテゴリー: 藤沢む邸


先日4月9日、
居間の幅9尺の壁を
左官屋の湯田さんたちに
仕上げていただきました。

実は既に、
この部分の仕事だけ残して
‘む’さんには
入居していただいております。

なぜならここの仕上げは、
沖縄土による大津磨き。

設計段階の頃、
ちょうど‘む’さん一家が
沖縄の旅に出かけ、
帰って来られて沖縄の様子を
お話ししていただいた時の目が
とても輝いていたのと、
沖縄土のあたたかい雰囲気が
この家に合うと思い、
居間の一番目立つ壁にこの仕上げを
提案させていただいたのですが、

しかしこの仕上げは、
より繊細な仕事が求められ、
仕事の時期も、
あたたかい頃のほうが望ましいので、
この時期を待って湯田さんたちに
手をかけていただくことにしました。

さてこの仕事、
9尺×7尺の壁なので、
せいぜい2人で仕事するのかと思ったら、
仕事ぶりを覗いてみると、
何と丸1日、4人がかり。

平滑な仕上がりとするために、
下地作りも含めたら、
いかに繊細で
手間のかかる仕事か
分かります。

仕上げは、
土を磨くための特別な鏝で、
力の斑が生じないよう、
鏝をぐっと押し続けながら、
ていねいに横に滑らせ、
これを何回も何回も
繰り返します。

湯田さんたちの
その仕事ぶりは、
いつにもまして、
鬼気迫る雰囲気を
醸し出していました。