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2009年1月29日

久しぶりに藤野へ

カテゴリー: 藤野の家


建主さんと水道屋の森田さんと
打ち合わせのため、
久しぶりに藤野に行きました。

藤野は寒いと思っていましたが、
とてもあたたかく、
服2枚でも十分でした。

さて、気がつけば、
大工が木を刻み始めて早半年、
来月はここで上棟。

手刻みの木組みは、
時間と手間のかかる仕事ですが、
振り返ってみれば、
早いものです。

とはいえ、
待ち遠しい!ですね。

この仕事をしていますと、
家の完成はむしろ淋しいので、
線が立体になる、
上棟という時が、
一番待ち遠しいです。

2009年1月27日

鉄錆と弁柄

カテゴリー: 藤沢む邸


鉄錆色の玄関扉の廻りが
仕上がってきました。

鉄錆の色と
ベンガラを塗り込んだ焼杉の色、

いずれも、
工業化製品にはない、
温かみのある味わいがあります。

そして実に、
相性がよい!

考えてみたら、

鉄錆は鉄の酸化物、

ベンガラも鉄の酸化物、

相性がよいのは、
必然かもしれません。

2009年1月26日

元の鞘

カテゴリー: 今日のできごと

昨今の不況のあおり、
林業就業説明会に
行列ができたとの記事

見つけました。

農業のほうも、
人々の関心が
高まっているようです。

不況は確かに
苦しいことではありますが、

今回のこの不況は、
しばらく空の旅に出ていた
日本の社会構造が
地に足をつけ、
元の鞘におさまる
きっかけになるような
気がしています。

2009年1月25日

白沙村荘

カテゴリー: 今日のできごと

今日は一日、
家で図面作業。

とくにできごとという
できごとがなかったので、
今日の話題は、
昨年末に訪れた、
そして折を見て訪れる、
京都の白沙村荘について。

ここは私が学生時代、
住んでいた下宿の
すぐ近くだったのですが、
初めて訪れたのは、
京都を離れてからでした。

というのも、
入館料が800円。
(※学生500円)
貧乏学生には
ちょっと難しい金額でした。

さてここは、
橋本関雪という、
明治から昭和初期にかけて
活躍した日本画家が、
住んでいた邸宅と庭園。

現在記念館として、
開放しています。

銀閣寺のすぐそばにあって、
目の前の人通りは多いのですが、
あまり知られておらず、
また入館料が高めということも
あると思うのですが、
いつ来ても
ひっそりとしています。

それだけにここは、
心落ち着いて見学を
楽しむことができます。

ここで私のお目当ては、
池のほとりに立つ門魚亭

不整形な屋根と開口の
質素な庵が、
絶妙なつり合いで
池の上にせり出しています。

この小さな庵は、
危なげで不整形であるがゆえに、
人の心を惹きつけてやみません。

私はここへ来るたび、
この庵の横でしばし佇むのですが、

静寂な庭の中で
心落ち着きつつも、

この遊び心と
愛嬌溢れる空間を眺めながら、
微笑みを浮かべつつも、

心の中ではなぜか、
熱い創作意欲が
かきたてられるのです。

2009年1月24日

階段を上から見下ろす

カテゴリー: 鎌倉ほ邸


踊り場に、
引き違いの掃き出し窓が
ついています。

これがあるので、
明るい階段となりました。

階段が居間と
光の量が変わらないので、
居間の続きのような
感じがします。

なおこれは
私の勝手な構想ですが(笑)、
この先の窓に、
大きめの物見台、もしくは物干台を
作ったらどうかと思っています。

階段を下から見上げる

カテゴリー: 鎌倉ほ邸


階段の低い部分は、
居間に対して開放。

開放部分の段の
一番高いところで
床から1m以下なので、
居間側に手すりは不要です。

※ただし壁側に手すりは必要。
これから設置します。

また階段の下も、
居間に対して開放し、
モノが入るようになっています。

階段の壁を見上げる

カテゴリー: 鎌倉ほ邸


階段の壁の上部は、
嵌め殺しの硝子窓。

だからいっそう、
階段と居間が
明るく感じます。

この窓は方角が西。
西陽が気になろうかと思いますが、
屋根が1m近く張り出しているのと、
隣家がちょうど
影になってくれているので、
実はそれほど
気になりません。

2009年1月23日

記憶喪失のまち

カテゴリー: 今日のできごと

今日久しぶりに、
幼少のころから小学6年生まで
住んでいた最寄りの駅で
電車を降りました。

いつ以来でしょう?

しかしこのまちは、
区画整理が行われ、
道路も建物も
何もかも一新され、
昔の面影は全く
なくなってしまいました。

だいぶ前に来た時、
私が子どもの頃
覚えているまちなみが
まだそこにあった時は、
多少お店や建物が
入れ変わっていたとしても、
ここで○○したなあ、とか、
ここの○○はうまかったなあ、とか、
一歩一歩ごとに記憶がよみがえり、
とてもなつかしくて
そしてなぜか
ドキドキしたものでしたが、
今日来た時は、
私の全く知らないまちでした。

一方、今日の夜、
建築史を学ぶ講座に参加。
その講座で講師の方の
「歴史は時の積み重ね」という言葉が、
お昼のできごとがあっただけに、
よけいに胸に沁みました。

戦後私たちは、
戦争の嫌な記憶を、
捨て去りたかったからでしょうか、
あるいはがむしゃらに、
前を向くしかなかったからでしょうか、
これまで先人が積み重ねてきたものを
否定するどころか、
その存在すら記憶から、
消し去ろうとしてきました。

いやそうすることこそが、
戦争から立ち直り、
戦後の高度成長を遂げる
原動力だったのかもしれません。

ただ今日、
その流れを酌む結果に直面してみて、

がっかりというよりも、

しみじみと、
無常とはこのことか、
と感じ入るというよりも、

全てが無になり、

お互い何も知らない、
赤の他人同士に引き裂かれ、
そこにもう愛は
失われてしまった、

そういう‘乾いた’
気持ちがしました。

しかしこれは、
他所者の勝手な意見、
例えるならば、
昔付き合っていた異性の
結婚相手に口出すようなもので(笑)、
区画が変わる直前まで、
そこに住んでいた人たちの声を
ぜひ聞いてみたいところです。

一方なぜ私は、
歴史都市、いや歴史都市でなくとも、
時を丁寧に積み重ねたまちに
心打たれるのか、

それは単に、
まちなみの美しさ
ということだけではなく、
その理由が肌で
分かったような気がしました。

2009年1月22日

鉄錆色の鉄扉

カテゴリー: 藤沢む邸


ようやく
玄関に取り付く、
鉄錆色の鉄格子扉が
入りました!

冬のこの乾燥時期、
錆がなかなか進行せずに
納品が延び延びになっていただけに、
感慨もひとしお。

なおこれは、
いつも鉄製品をお願いしている
ブルーム柳楽さんの製作。

外壁に貼っている
みんなで作った、
ベンガラを塗り込んだ焼杉板と、
見事に同調しています。

鉄格子の向こうには、
今段ボールが貼られていますが、
これが仕上がりではないですからね(笑)
後に摺りガラスが入ります。