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2010年6月26日

白い柔肌のユカ

カテゴリー: 八王子や邸


八王子や邸の床板は、
椹(サワラ)の板。

寿司桶や風呂桶などに使われる
水に強い、
とても柔らかい木です。

柔らかいだけに、
傷付きやすい反面、
足触りが吸いつくようで、
冬はほんのりとあたたかく、
夏はサラリとした触感。

色は淡く黄色というか、
赤味を帯びた白い肌。

とくにこの家は、
床暖房を施しているだけに、
ほとんど節のない板を
選びました。

この家全体にも
言えることですが、
女性的な形容詞が
とても似合う木です。

天秤+天秤

カテゴリー: 八王子や邸

八王子や邸は、
平屋の小じんまりした家。

それだけに、
頭の上を大きな梁が
縦横無尽に
駆け巡ったり、

生活空間にできるだけ
柱が降り立つことのないよう、

天秤梁を駆使した
小屋組となっています。

その象徴が、
居間に架かる
二重の天秤梁。

力強さの中に、
軽やかな印象を与える
木組みです。

2010年6月25日

白と白の市松模様

カテゴリー: 八王子や邸

八王子や邸
寝室収納の襖は、
和紙の太鼓貼り。

和紙は建主さんが
中国で買ってきたそうで、
やはり日本の紙とは
少し違う風合いです。

白い紙だけが
見えてくるので、
すっきりとした印象です。

とはいえ、
全面同じ表情とはせず、
建具屋の新井さんが、
薄らと市松模様に
見えるように
貼ってくれたので、

真っ白の中にも
遊び心があります。

寝室の葛布の襖

カテゴリー: 八王子や邸


八王子や邸
寝室の襖は、
目の粗い
ざっくりした
仕上がりの葛布

建主さんの一番の
お気に入りです。

しかし、
持っていらした葛布が
少し足りなかったこともあり、
腰貼を施しました。

2010年6月24日

葛布に覆われた座敷

カテゴリー: 八王子や邸

八王子や邸の座敷。

壁二面のほとんどが
先ほど紹介した葛布
覆われているので、
葛布の間、といった
感じです。

この間の葛布は、
やや目の細かい、
生成りの色のものです。

あたたかくて柔らかい
色合いの中塗土の壁と
いい相性です。

なお天袋の襖は、
少しチリの入った
土佐和紙です。

三種の葛布

カテゴリー: 八王子や邸

八王子や邸の襖は、
建主さんがお持ちだった
三種の手漉きの葛布を
貼っています。

前も申し上げたとおり、
葛布は今、機械で漉いていて、
手漉きの葛布はもう
ほとんど手に入らないとのこと。

機械漉きの葛布も
悪くはないのですが、

手漉きのものと比べると、
やはり味わいの深さは
手漉きのものには
かないません。

葛はその辺の里山に
たくさん生えていますが、
漉いてくださる人が
いなくなってしまったという
ことですね。

こんなに味わい深く、
またたいへん長持ちだというのに、
実にもったいないことです。

こうした手工芸品が
生き残れる世の中で
あってほしいと思います。

天秤梁に掛かる灯

カテゴリー: 八王子や邸

八王子や邸
寝室の照明器具は、

碍子を介して
天秤梁の先端に
電気を配線し、

そこから
吊り下がっています。

天秤梁に
穴を開けるのが
忍びなかったということも
ありますが、

敢えて配線を
見せることにより、

梁に掛かる感じが
強調され、

器具の付け根の
何かと残念に
見えがちな存在感が
打ち消されるので、

かえって灯りが
引き立つように思います。

2010年6月23日

皿壁(その2)

カテゴリー: 八王子や邸

八王子や邸
皿壁その2。

玄関から廊下に入って
突き当たり、
居間に足を入れると、

今度は丸いお皿の
皿壁が目に入ります。

黄色と緑色の模様が入った
丸い皿が5枚、
リズミカルに並んでいます。

色合いが、
仄かに黄色い砂漆喰壁と
合いますね。

皿壁は、
左官職人の仕事が
大変になるはずですが、
楽しんで
取り組んでいただきました。

2010年6月22日

皿壁(その1)

カテゴリー: 八王子や邸

八王子や邸にて。

以前も紹介したとおり、
建主さんは陶芸品がお好きで、

左官職人の湯田さんの協力のもと、
お気に入りの皿を幾つか
壁の中に埋め、

それがこの家の
かわいらしいアクセントと
なっています。

まずは、
廊下の皿壁。

玄関に入ると
まず目に飛び込んできます。

花の絵をあしらった、
ニッチのような
雰囲気です。

2010年6月21日

深まる柿渋色

カテゴリー: 横浜栄こ邸


上棟してから
二日経ちました。

柿渋を塗った木たちは、
太陽の光を
身体いっぱいに浴びて、

何かをきっかけに
急に大人びる
少年のように、

上棟をきっかけに、
数日間で柿渋色の深みが
増していきます。