箱入りムスメ
仲のよい
兄弟のように立つ
二本のヒバの柱。
ヒバの上品な白い肌を
楽しむことができるよう、
この二本だけ
柿渋を塗らなかったので、
他の木の柿渋が
雨で濡れて垂れてこないよう、
箱入りムスメのように、
早速しっかりと養生です。
横浜こ邸、
建前作業三日目。
昨日は午後、
大雨が降ってきたこともあり、
建前作業が今日に持ち越し。
昨日の段階の天気予報では、
今日のお天気、
とくに午前中が
怪しい感じでしたが、
皆さんの気合いで
太陽も時折顔が覗く
よいお天気となりました。
さて今日は、
間口4間半、奥行も約4間半の
平屋部分の作業です。
夕方までは
概ね順調に作業は進み、
あと少しで棟木、
という段階で、
柱の場所に
間違いがあることを発見。
間違っていても、
偶然、木組みには
全く影響がなかったため、
気付かずに
作業を進めてしまっていたのですが、
最後の段階で
気付きました。
何が違っていたかというと、
兄弟のように立つ
ヒバの柱の右と左。
(以下写真参照)
2本の柱の
仕口・継手の位置が
全く同じなので、
木組みのツジツマが
合ってしまったのです。
しかし、この柱に差す
棟木などを受ける梁の
丸みの形状が違うことが分かり、
(写真を見ると、
微妙に違いますよね)
間違いに気付きました。
分かったときは
一同凍りつきましたが、
気を取り直して
これまで組み上げた木を
一部ばらして
組み直しました。
夕暮れも迫っており、
柱に合わせて
梁も右左を入れ替えれば
そのまま進めることが
できなくもなかったのですが、
柱の表情を見越して
右左を決めていたので、
組み直しの数時間を
惜しむよりは
あとあと何十年、
この柱を見るたび
後悔しないことを
選びました。
その代わり、
空の青が濃くなり
日が沈んでも
作業はしばらく続き、
ついに完成したのは、
午後8時前。
そんな顛末があっただけに、
喜びもひとしお。
またそんな顛末があったからこそ、
誰が悪いと攻め合うのではなく、
その場に居合わせた職人たちの結束が
より強いものになったような
感じがしました。
そして後になればきっと
酒の場での
いい語り草になることでしょう。
作業が終わり、
片付けたあと、
感慨に浸りたいところでしたが、
今日は日本‐オランダ戦があるので、
みんな急いで
帰路につきました。
・・・・・
みんなの気合いで
よいお天気。
空の青が
次第に濃くなります。
ついに完成!
夜もどっぷり
更けました。
建前直後は
灯りに照らされた
夜景が美しいです。
藤間建築工房の面々。
一番最後に作業した
越屋根のところで記念撮影。
約8ヵ月間、
おつかれさまでした!
最後の1ヵ月、
ほとんど
休みなしでは
ないでしょうか。
少しゆっくりして、
引き続き造作、
よろしくお願いいたします。
今日は、先日行った、
石窯作りワークショップの続き。
朝、参加者の皆さんに
作業方法を伝授しに行きました。
完成したときのために
主催のKさんが
ピザの生地を
用意してくださっていたのですが、
しかし今日は昨日の雨で
建前の続きを行うことに
なってしまったので、
誠に残念ながら、
1時間ほどで
失礼させていただきました。
ああ、ピザピザ…(笑)
なお、先日同じく同じ場所で
ワークショップで作ったビオトープが
次第に緑豊かになっていました。
メダカもタニシもヤゴも
います!
こうした池は、
目の保養になるだけではなく、
様々な生き物を見つける
楽しさがあります。
横浜こ邸の建前は、
午後の大雨で中断。
作業途中でしたが、
今日は上棟の宴を
予定していたので、
予定通り
そのまま行うことにしました。
ま、
上屋が上棟したということで、
一応格好は
ついたのではないかと思います。
雨の中、
お酒や食事を用意したり、
雨を凌ぐブルーシートを
掛け直したり、
あるいは基礎に溜まった水を
汲み出したり、
職人一同、
宴会の用意をしたのですが、
この上も下もない雰囲気が
私たちの現場を
象徴しているようで、
何だかとても
いい時間でした。
そして用意が整い、
宴会開始。
建主さんの厚いおもてなしのもと、
だいたいいつもの面子で、
いつもの通り、楽しいお酒。
あっという間に夜が更け、
この雰囲気に
改めて今後の作業に
期待を抱いて、
楽しい宴はお開きとなりました。
さあ、明日も、
天気がよければ、
続きの作業です。
横浜こ邸には、
上屋があり、下屋があり、
越屋根があるので、
3回上棟することとなります。
作業二日目の午前中、
上屋の棟が静かに上がりました。
その後垂木を並べ、
お昼ごはん後、
それが大方終わった頃に、
雨が降り始めました。
かなり強く降ってきたので、
垂木にブルーシートを載せて、
作業を中断。
雨の弱まる気配がないので、
今日は作業を中止し、
そのまま今日予定していた上棟の宴に
なだれ込むことになりました。
午後以降
雨が降るという天気予報に対し、
予報が狂った二日前のように
何とか終わるまで
持ってくれるのではないかと
淡い期待を抱いていたのですが、
その期待は空しく、
結局ほぼ天気予報通りとなりました。
しかし、
作業のキリがよいときに
降り始めたので、
しかも前日の
猛暑の下の作業で
疲労感も見え始めていたので、
その意味では
ちょうどよかったのではないかと
思います。
というわけで
建前作業は、
明日以降に
持ち越しとなりました。
ついに関東地方も
梅雨突入。
しかし今日は、
梅雨の谷間の、
真夏を先取りしたお天気。
日中は雲も、
見当たらないほどでした。
そんなお天気の下で、
横浜こ邸の建前作業。
大工8名、左官屋2名、
水道屋、電気屋にも
手伝いに来てもらい、
現場は活気に溢れました。
横浜こ邸では、
7寸角、9寸角といった
通し柱が多く、
そのために「差す」仕口が多くなり、
しかも、差鴨居と床梁が
2段で差されるところも
何ヵ所かありましたので、
難易度がとても高く、
身体だけではなく、
頭もたくさん使って、
みんなでよくよく考えながらの
作業となりました。
そんなわけで
作業はじっくりと進みましたが、
智恵と機転の詰まった作業で、
見ているほうは、
見応えがありました。
しかし、
いいお天気すぎる(笑)
見ているだけで、
体力を消耗しました。
そんなときに職人の皆さんは
材を担ぎ、考えながらカケヤを叩いて、
本当におつかれさまでした。
今日は、ここまで。