賑やかな空の色
遠く向こうには、
綿のような白い入道雲、
南の海の上には、
薄紫色の雨雲、
そして先ほどまで
天上は青い空だったのですが、
どす黒い不気味な雨雲が、
覆いかぶさってきました。
飯能の岡部材木店にて、
次なる家づくりの打ち合わせ。
その時に、
前の仕事で余ったコウヤマキを
引き取ったのですが、
幅1寸程度の棒状の材があったので、
カンナをかけてみました。
当然大工ではないので、
ヘタクソですが、
コウヤマキは
何と削り心地のよい木だこと!
削れば薄い紙のような
カンナくずが出てくるので、
それをくるくるっと
丁寧に丸めてみました。
木の樹脂成分の
あんばいがよいのか、
キレイに丸まって
形状が安定します。
そしてこの
幾重に咲いた花のような筒が、
コウヤマキ独特の
柑橘系のような高貴な香りを
辺りに放っていました。
形もいい感じだし、
天然由来の「芳香材」として
売ろうかな(笑)
現場はしばらく、
大工+左官という
賑やかな日々が
続いております。
しかし裏返し塗りも
ほぼ終わり。
これが終われば、
またしばらく
大工だけの日々です。
つい最近まで
茹だるような暑い日が
続いていましたが、
ここのところ凌ぎやすいですね。
夜寝ている時は、
布団を被っていないと
寒く感じるくらいです。
先日エアコンなどについて
この場で書きましたが、
私のような
エアコンを持っていない
絶滅危惧種でも、
もう大丈夫、
と正面切って言えます(笑)
ただ寒暑の差が激しいので、
かえって体調を
崩しやすいといえそうです。
皆様どうぞご自愛ください。
さて前置きが長くなりましたが、
表記の件、以下のとおりご案内申し上げます。
皆様、どうぞご検討のほど
何卒よろしくお願いいたします。
■光る!泥団子ワークショップのご案内
先日もご案内させていただきましたが、
まだ人数に余裕があります。
日本の伝統的な
左官技術を応用した
色とりどりの泥団子作り、
左官職人の指導のもと、
磨けば磨くほど輝きを増すこの作業は、
子どもにも大人にも大人気!
ハマること請け合いです。
夏の最後の
思い出作りの一つとして、
ぜひご参加ください!
・日時:平成23年8月27日(土) 13:30〜16:00
・場所:カジュアートスペース(http://khaju.com/)
・費用:大人3,000円/高〜大学生/2,000円/小〜中学生/1,000円
・申込・問合せ先
きらくなたてものや 日高宛
tamotsu.hidaka@kirakunat.com
TEL:080-5467-8701
FAX:0467-32-0054
※コチラをご参考ください。
■色どり月のカキシブ隊のご案内
9月の別名を調べたら、
「長月」が筆頭に挙がりますが、
それ以外にも色々あるようです。
「色どり月」もその一つです。
柿渋を塗ることにより、
木に赤味の色を添えることから、
ここは「色どり月」を採用してみました。
さて柿渋塗りは、
大工が丹精込めて刻んだ材木に
一本一本心を込めて、
磨き上げる作業です。
あとからあぶり出しのように
色が付くという柿渋の性質上、
「心」が仕上がりに響きます。
それを「結」の仕組みの中で
たくさんの人たちが一堂に会し、
心と心を重ねて仕事するから、
木が組み上がった時の感激が
ひとしおなのです。
どうぞ皆さん、
「結」の楽しさを
感じていただくとともに、
そのような体験を共有すべく、
たくさんの方々に
カキシブ隊へお越しいただければ
とてもうれしいです。
・日時:平成23年9月17日(土) 9:00〜日没まで
・場所:厚木市飯山 吉岡木材
・集合:9:00現地集合(本厚木駅からバスでアクセス可能です。)
【連絡事項】
・持物:作業できる服装、運動靴、タオル
(柿渋は衣服等に付着すると、二度と落ちません。)
・雨天中止の場合、当日7時までに作業実施を決定のうえ連絡申し上げます。
・ご都合のよい時間だけでもOKです。
・交通手段、詳細の場所等の事務連絡は、改めて個別にさせていただきます。
・昼食は用意、またはごちそうします。
・交通費を支給させていただきます。
(一律1,000円とさせていただきます。)
きらくなたてものやにとって
とても大切な方が一人、
天へと旅立ちました。
以前の建主さんであり、
所員のお父様にあたる方です。
まだまだこれから、
というお歳なのに、
たいへん無念でなりません。
とても温かく、
優しい雰囲気の方で、
ずっと猛暑の日が
続いていたのに、
お別れの日を
敢えて雨混じりの涼しい日を
選んでくださったのも、
故人の優しさからくる
お気遣いだったのだと思います。
いや「お別れ」と申しましたが、
それは私にとってずっとずっと
先のことです。
なぜならば数年前、
職人たちと共に作った
家づくりの記憶と、
我が子に授けた
何よりも代え難い経験は、
この先ずっと生き続けるからです。
今後はこの世ではなく
天に場所を移すことになりますが、
引き続きこの先
それらが生き続ける様を
どうぞお見守りください。
そして私たちは感謝を胸に、
しっかりとそれを
生かし続けたいと思います。
これまで本当に
おつかれさまでした。
そして、ありがとうございました。
・・・・・
以上によりたいへん恐れ入りますが、
ここ数日業務を縮小しております。
皆様、ご迷惑をおかけしますが、
何卒ご理解のほど、
よろしくお願いいたします。
真夏のカキシブ隊!と名付けて、
今回の柿渋塗り作業の
参加者を募集しましたが、
常に太陽は
厚い雲に隠れ、
秋が来たと思うほど
涼しい日でした。
身体を動かすには
ちょうどよかったのですが、
いつ雨が降るかも
分からなかったので、
念のため
屋根の架かっている場所で
作業しました。
結果的に、
雨にも恵まれましたけどね。
そのため、
若干作業効率が
落ちてしまいましたが、
(室内で作業すると、
塗った材の置場に苦慮するのです)
しかし今日の参加者は、
建主さんご夫妻と
沖縄から帰省中の末娘さん、
たいへんありがたいことに、
現在進行中の葉山と邸の
建主さんご夫妻、
いつも助かります、
日野の‘い’さん、
そしてきらくなたてものやから私、
人数は7名で
いつもどおりといった
感じでしたが、
熟練者が多かったので、
今日はノルマとして
長い長い垂木を塗ることができれば、
と思っていたのに対し、
土台・大引も半分以上、
手を付けることができました。
このペースで進めば、
あと3回の作業で
終わらせることができそうです!
計4回で約30坪の家を
塗ることができるなんて、
初期の頃に比べれば、
格段に作業の速度が上がりました。
しかし今日は、
きらくなたてものやからは
諸々の事情で私だけ。
これまでいつも他に2名いた
スタッフの存在の偉大さを
思い知りました(笑)
そういえば群馬藤岡で
昔ながらの達磨窯で燻し瓦を焼く
五十嵐さんのところに
今年から1年間の期間限定で
若い弟子が入りました。
その子は修行を終えたら、
自分の地元で達磨窯を興そうという
夢があるそうです。
これまで五十嵐さんは、
ずーっと一人で
全ての仕事をされていたので、
「助かりましたねー」と
声をかけると、
「いやあ、今は楽になったけど、
楽を覚えちゃうと、
また一人になる時がくるから、
そのときがコワいよ」
とおっしゃっておりました。
確かに私も数年前までは、
一人でしたからね、
今日はその言葉が、
身に沁みる日でした。