鉄に木と緑
少し前になりますが、
道路からお店に入る
鉄製の鉄砲階段に、
ヒノキで作った
段板と手摺が取り付きました。
鉄の階段も、
木と緑が入ることで
表情が柔らかくなりますね。
この家の道路側の表情も、
完成間近となりました。
大工が壁の下地となる木ずりを
打ち付けています。
これに左官屋さんが
一度中塗り土で下塗りをして、
そのうえに仕上げ塗りを行います。
竹小舞が下地の場合は、
壁に泥が塗りこまれるのに対し、
木ずりの場合は、
壁の中に空洞ができるので、
壁の重量が軽くなります。
ですので2階間仕切りは、
軽い木ずりを
下地にしています。
こちらも竹小舞と同様、
塗り込んでしまうのが
もったいないと思ってしまうのですが、
明日から左官屋さんが
下塗りを行う予定です。
今日はUIA世界大会の一環で、
伝統的住宅と環境性能と題した
トークセッションか開催されました。
ご登壇の皆さま、
有意義な議論を
ありがとうございました。
また多くの方々が
応援に駆けつけてくださり、
本当にありがたい限りです。
正直なところ、
もう少し時間をいただいて、
議論をしたかったところですが、
腹八分目も
省エネの心得の一つからね(笑)。
さて、
以前もこの場で書いたとおり、
私は「伝統」を目的化するというよりは、
「伝統」から大いに学びつつ、
現代の心地よい空間作りを
試みたいと思っています。
実際数年間実績を重ねてみて、
その方法論に
空調機器や化石燃料への
依存度が低くても
現代人として心地よく暮らせる
室内環境作りの可能性を
感じているのですが、
まだまだ感覚的なところも多く、
今回の議論を契機に、
伝統的な住宅の温熱環境に対する研究が
進むことを期待したいと思います。
とくに今私が関心があるのは、
本質的に身体にとって
「心地よい」とは何か、
という部分です。
この点について私は、
空調機器の使用を前提に、
高断熱化・高気密化により
そのエネルギー効率を高めて
365日「快適」といわれる温度を
維持するのではなく、
外気から緩やかに包まれた器の中で、
夏は暑さを楽しめるほどの暑さに、
冬は寒さを楽しめるほどの寒さに、
そのような感じとなる空間を
志向したいと思っていますし、
生きものとして、
そのほうが自然なのではないかという
問題意識を持っています。
また人間の持つ
体温調整機能を維持し、
免疫力を衰えさせないという
医学的な視点で調べてみると、
そのような器作りに
優位性を感じていたりもします。
快適性の議論を
建築の研究者だけではなく、
ぜひそういった視点も含めて、
検証を進めていきたいですね。
いずれにしても今の流れでは、
高気密・高断熱化のみの方法論で
省エネ化に向けた法制度が
約9年後に作られることになります。
それらの研究への取り組みは、
待ったなしの状況です。
やっていきましょう!
いよいよ明日25日は15時30分から、
UIA大会(世界建築会議)の一環で、
伝統的建築と環境性能というトークセッションが
行われます。
場所は有楽町にある
東京ビルTOKIAガレリア。
思いの丈を建設的にお話しし、
ご登壇の皆様と
有意義に議論できればと思います。
お時間ある方、
ぜひお越しください!
鎌倉た邸にて。
ここは一部、
カフェになるのですが、
店の部分のクリの床板と
デッキ部分のヒノキの板は、
土足となります。
しかしまだもったいなくて、
デッキ部分はまだしも、
クリの床板のところは、
いまだに靴を脱いで
入ってしまいます。
ピスカリアも
クリの板なのですが、
黒ずんでくる感じも
またいいんですけどね。
靴で歩くのは、
店が開かれるまで
お預けです。
今日は祝日ですが、
葉山の現場は仕事。
大工も左官屋も
元気に出勤です。
ここはピスカリアの
すぐ近く、
あー、食べたいー!
ちょっとした用事で
寄ることは寄ったのですが(笑)
昨日いろいろたいへんだった
葉山と邸も、
今日は何事もなかったように…、
というわけにもいきませんが、
一転現場は
穏やかな陽の光と潮風、
職人たちは仕事を
前へ前へと
進めることができました。
中塗り進行中。
書斎の背面収納。
天板はクリです。
壁は中塗りと石膏ボード。
あとは仕上げを待つのみです。
今日は秋の陽の光が
とても心地よいです。
午後現場に行くと、
建主さんが一人黙々と、
外壁用の板を塗っていました。
今回塗っているのは、
柿渋コートの
古代色とくろ色を
一対一で混ぜたものです。
当初焼杉を予定していたのですが、
今回15㎜厚の板を縦に貼るため、
焼いてしまうと
本実加工された
板と板の取り合いの部分が
ボロボロになってしまうので、
それに似た色を
施すことにしました。
これならば
現場でも作業が
できますしね。
現場で焼杉作業を
やってみたいものですが、
しかし近所の人たち
みんな119通報しそう…
洗濯物も
汚してしまいますからね。
やはり焼杉作業は、
広い場所が必要です。