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2011年8月22日

夏の雨の降る日に

カテゴリー: 今日のできごと

きらくなたてものやにとって
とても大切な方が一人、
天へと旅立ちました。

以前の建主さんであり、
所員のお父様にあたる方です。

まだまだこれから、
というお歳なのに、
たいへん無念でなりません。

とても温かく、
優しい雰囲気の方で、

ずっと猛暑の日が
続いていたのに、

お別れの日を
敢えて雨混じりの涼しい日を
選んでくださったのも、

故人の優しさからくる
お気遣いだったのだと思います。

いや「お別れ」と申しましたが、
それは私にとってずっとずっと
先のことです。

なぜならば数年前、
職人たちと共に作った
家づくりの記憶と、
我が子に授けた
何よりも代え難い経験は、
この先ずっと生き続けるからです。

今後はこの世ではなく
天に場所を移すことになりますが、
引き続きこの先
それらが生き続ける様を
どうぞお見守りください。

そして私たちは感謝を胸に、
しっかりとそれを
生かし続けたいと思います。

これまで本当に
おつかれさまでした。
そして、ありがとうございました。

・・・・・

以上によりたいへん恐れ入りますが、
ここ数日業務を縮小しております。
皆様、ご迷惑をおかけしますが、
何卒ご理解のほど、
よろしくお願いいたします。

2011年8月21日

視線が抜ける

カテゴリー: 鎌倉た邸

居間から北側の水廻りに
目を向けると、

ウッドデッキに抜ける
引き込みの吐き出し窓が
あります。

ここの窓は、
曇りガラスのスクリーンになったり、
網戸になったり、
風の通るスリット入りの雨戸になったり、
時と場合によって
使い分けることができるのですが、

いずれにしても、
視線が抜けるように
なっています。

普段居る場所から、
視線のずっと先で光を感じると、
空間に広がりがあるように
感じるので、

平面計画を考えるうえで
意識していることの一つです。

風も通りやすく
なりますしね。

2011年8月20日

真夏?のカキシブ隊開催(茅ヶ崎は邸1回目)

カテゴリー: 茅ヶ崎は邸

真夏のカキシブ隊!と名付けて、
今回の柿渋塗り作業の
参加者を募集しましたが、

常に太陽は
厚い雲に隠れ、
秋が来たと思うほど
涼しい日でした。

身体を動かすには
ちょうどよかったのですが、

いつ雨が降るかも
分からなかったので、
念のため
屋根の架かっている場所で
作業しました。

結果的に、
雨にも恵まれましたけどね。

そのため、
若干作業効率が
落ちてしまいましたが、
(室内で作業すると、
塗った材の置場に苦慮するのです)

しかし今日の参加者は、
建主さんご夫妻と
沖縄から帰省中の末娘さん、

たいへんありがたいことに、
現在進行中の葉山と邸
建主さんご夫妻、

いつも助かります、
日野の‘い’さん、

そしてきらくなたてものやから私、

人数は7名で
いつもどおりといった
感じでしたが、

熟練者が多かったので、

今日はノルマとして
長い長い垂木を塗ることができれば、
と思っていたのに対し、

土台・大引も半分以上、
手を付けることができました。

このペースで進めば、
あと3回の作業で
終わらせることができそうです!

計4回で約30坪の家を
塗ることができるなんて、
初期の頃に比べれば、
格段に作業の速度が上がりました。

しかし今日は、
きらくなたてものやからは
諸々の事情で私だけ。

これまでいつも他に2名いた
スタッフの存在の偉大さを
思い知りました(笑)

そういえば群馬藤岡で
昔ながらの達磨窯で燻し瓦を焼く
五十嵐さんのところに
今年から1年間の期間限定で
若い弟子が入りました。

その子は修行を終えたら、
自分の地元で達磨窯を興そうという
夢があるそうです。

これまで五十嵐さんは、
ずーっと一人で
全ての仕事をされていたので、
「助かりましたねー」と
声をかけると、

「いやあ、今は楽になったけど、
楽を覚えちゃうと、
また一人になる時がくるから、
そのときがコワいよ」
とおっしゃっておりました。

確かに私も数年前までは、
一人でしたからね、

今日はその言葉が、
身に沁みる日でした。

2011年8月19日

まきとひのきと桜貝

カテゴリー: 鎌倉た邸

鎌倉た邸の
水廻り三点。

コウヤマキの風呂

ヒノキの建具が印象的な厨房

桜貝のような
モザイクタイルが貼られた洗面所

北側道路から見上げる

カテゴリー: 鎌倉た邸

建物北側の道路は、
銭洗弁財天に抜ける道で、

日中観光客で賑わいます。

その道に向かって、
縦長の開戸が並ぶ
建物妻面がせり出し、

その下には、
敷地なりに
斜めに横格子が突き出た
ウッドデッキが印象的な
外観となっています。

柱材の木格子

カテゴリー: 鎌倉た邸

構造かつ防犯機能を果たす
柱材による
玄関アプローチの格子。

奥行感も
作り出しています。

みちに緑を、庭に緑を

カテゴリー: 家づくりの理念

何気なく家の前の
写真を撮ってみると、

画面の3〜4割は道路、
同じ割合程度で空です。

その残りの部分の
建物が建つ敷地については、
住宅地の場合、
法令上の制限もあって
およそ半分以上は庭です。

そう考えると、
まちの景色の構成要素として
大切なものは、
道路と庭といえます。

もちろん建築物も
重要な要素の
一つですけどね、

ただこうして写真を見ると、
土木の世界も
実に大切ということが
よく分かります。

そして
まちの温熱環境を
高めるという視点でも
同様です。

この時期、
触れないほど熱くなる
アスファルトの面積が
大きくなればなるほど、
やはり暑く感じるのでは
ないかと思います。

車や自転車の
運転効率のことなどを
考えれば、
アスファルト舗装を剥がすことは
あまり現実的では
ないと思いますが、

せめて
私たちの心地よさを
増すために、

道に緑を。
庭に緑を。

省エネのため、
建物の断熱性能ばかりに
目がいきがちですが、

建物以外でもできることは、
たくさんありそうです。

2011年8月17日

父十五周年

カテゴリー: 今日のできごと

今日は長女の誕生日。
15歳になりました。

ということで、
毎年恒例、ピスカリア
誕生日のお祝いをしました。

15歳といえば、
「15の夜」のわけです。

しかしなんだか、
まだこうして親になついてくれて、
いやそれどころか、
こちらが口を挟む間もないほど、
まー、よくしゃべるしゃべる(笑)

伸び伸び育ってくれて
何よりです。

長女が誕生日を迎えたということは、
私にとっても父十五周年。

はじめて父になった瞬間の
あの夢のようなふわふわした感覚は、
今でも鮮明に覚えています。

その後の現実の中で、
あまり家族を顧みず、
これまで父らしくやってこれたか、
自問自答してしまうのですが、

少なくともこうした節目の日は、
自分が父である自覚を促す意味でも、
これからも大事に
していこうと思います。