中塗りも終盤
横浜こ邸にて。
左官屋による中塗りも終盤。
今週には目途が立ちそうです。
大きい家だけに、
最初の頃塗った壁は、
もう乾いています。
数年前設計を進めていた仕事が
諸事情で一時中断していたのですが、
昨年末ありがたいことに復活し、
この春工事を始める予定となりました。
計画自体はほとんど変わらないのですが、
昔書いた図面を見返してみると、
柱の間は、
尺寸(3尺=909)で割りつけている一方、
柱等の部材寸法は、
例えば4寸が120、1寸3分が40と、
メートル単位の近似値で書いていました。
当時はそのようなルールで
図面を書いていたのです。
しかしいつの頃からか、
部材寸法も尺寸で書くようになり、
今となっては
頭と身体にその寸法感覚が
沁みついているので、
mと尺が混在する図面を見ると、
何かモゾモゾする感覚を覚えます。
見慣れれば大丈夫かな、
と思ったのですが、
いつまでもモゾモゾするので、
面倒ですが意を決して
図面を書き直すことにしました。
といってもCAD上では、
寸法がメートル単位で表記されますし、
またメートル単位で
行政手続きをしなければならないので、
4寸は121.2、1.3寸は39.39と、
全て30.3(=1寸)で割り切れるように
表記します。
余計面倒くさそう…、
と思いがちですが、
柱の間と部材寸法のルールが
統一されることにより、
部材を並べる際の
割算がしやすくなります。
あるいは、
寸法の検算が
しやすくなります。
例えば、
列柱を割り付けた結果、
どこかに608という数字が
出てきたとします。
しかしこの数字は、
尺=303で割り切れません。
ということは
どこかで2ずれている、
あるいは不均一なリズムが
構成されている、
と推測することが可能となります。
木組みが露わとなる
木造建築を美しく見せるために、
木組みのリズムをどう刻むか、
といったことが
いつも念頭にありますが、
それを考えるうえでは、
こうして間と部材の寸法体系が
統一されているほうが
何かと調子がいいのです。
何よりも尺寸法体系は、
身体を基準としたものだから、
慣れると使いやすいです。
手首から肘までの長さが、尺、
両手を広げた長さが、間=6尺
親指と人差し指を広げた長さが、
5寸(これは私の場合)
ですからね。
実際現場で
簡単にモノを測るとき、
たまに使ったりもします。
それともう一つ、
余談めいた話ですが、
1寸(=30.3)で割り切れる
メートル法上の表記は、
121.2だったり39.39だったり、
1818だったり15.15だったり、
数字の配列の
小気味いい場合が多いのです。
部材寸法を
例えば39.39の近似値40とかにすると、
その数字の配列の小気味よさが
必ず破綻します。
モゾモゾ感を感じるのは、
そのためでしょうか。
皆さん、
そんな目で図面の寸法を眺めていただくと、
別の楽しさがあるかもしれません。
今日は成人式ですね。
今ふと思ったのですが、
私にとっては、
二倍成人式です。
あれからもう、
倍生きたのか。
あのとき生まれた子どもたちが
もう成人かー。
しかしそんな感慨に耽るほど、
当時は地元を離れていたこともあって
成人式には参加せず、
京都のまちなかで
振袖姿の女の子たちを横目に
平服でフツウに飲んでました(笑)
自分は既に
成人式の約半年前にハタチになって
当時の仲間たちに祝ってもらったし、
そもそも形式的な儀式に対して
少し嫌悪感のようなものを
その時の私は感じていました。
だけど倍生きると、
考え方も変わってきます。
確かに人間の節目は、
自分自身が心の中に
しっかりと納めておけば
それで十分なのですが、
周りの人たち、
とりわけ育ててくれた家族や
親しい友人たちにとってみれば、
それを形で表すことも
大切なことなのだと、
今ではそう思います。
今の成人式の型が
それでいいかどうかは
ここでは置いといて、
手塩にかけて育てた
親御さんにとってみれば、
子どもの成人の晴れ姿、
やっぱりうれしいでしょうしね。
儀式は自分のためだけではなく、
自分を取り巻く方々に感謝し、
自分を取り巻く世界に決意表明する場
でもあるということで、
これからも
生活や建築の際にやって来る
様々な儀式を大切に
していきたいと思います。
自分も成人年齢の倍生きて、
少し大人になったのかな(笑)
今年初めの
ラグビースクールの練習。
毎年恒例、
鶴岡八幡宮にお参りして
その後海まで歩いて練習です。
冬の海とはいえ、
キラキラした陽射しを浴びて暖かく、
また今日は
よく波が立っていたこともあり、
サーファーがたくさんいて
賑やかな海でした。
そんなサーファーたちを横目に、
海に入りたいなあと思いつつ、
子どもたちと砂浜で練習。
砂浜での練習は、
転んでも痛くないし、
いつの間にか
足腰が鍛えられるし、
いいですね。
海の穏やかな雰囲気とともに、
この場所での練習、
好きです。
しかし
練習は子どもたちのためであって、
自分の練習ではないにもかかわらず、
不惑の老体には、
練習に付き合うだけでも
なかなか応えるもので、
昼から飲んだ酒も相まって、
夕方から夜まで
どっぷり寝てしまいました(笑)
新年恒例、
きらくなたてものやの新年会を
ピスカリアで行いました。
参加者は、
建主OB、現在進行中の建主さん、
将来建てる予定の建主さん、
そして大工と材木屋。
忘年会が、作り手同士、
横軸の交流を深めるために
開催するのに対し、
新年会ではこうして
歴代の住まい手同士といった縦軸も
つないでいければと思い、
毎年行っています。
夜の6時半過ぎに始めて、
締めたのは9時半過ぎ。
ピスカリアの
美味しい食事を目の前に、
家づくりのことや
‘きらくなたてものや’をネタに
話に花が咲き、
あっという間の
充実した楽しい3時間でした。
この流れで皆様今年一年、
よろしくお願いいたします。
今年も建主参加型のワークショップや
勉強会の機会を数多く作っていきたいと思います。
こうした機会に参加していただくことにより、
建築について学んでいただくとともに、
皆さんと素材、皆さんと職人、
そして皆さん同士を
つなげていくことができればと思います。
今年も引き続きよろしくお願いいたします。
さて、今年初めのご案内は、
木の建築塾です。
毎年木の建築塾は、
9月から毎月開催し、
1月の今回が最終回となります。
今年は「設計者と職人の協働」を共通テーマに、
今回の話題は「設計者と建具職人の協働」となります。
日本の住まいにおいて、
多種多様な機能を果たしてきた木の建具、
そして大工以上に木を読み、
緻密な仕事が求められる建具職人の世界は、
たいへん奥が深く、
興味を惹く話題が尽きません。
どうぞ多くの皆さまの
お越しをお待ちしております。
なお、今回講師の建具職人は、
私も深くお付き合いのある方です。
このため、
僭越ながら私も作例紹介のため
少しだけお話に参加させていただきます。
よろしくお願いいたします。
■今年度第5回木の建築塾
・日時:平成23年1月14日(金)18:30〜21:00
・場所:池袋 勤労福祉会館
※チラシに記載の場所とは異なりますのでご注意ください。
・交通:池袋駅南口より徒歩7分
・講師:松本昌義(松本建築研究室)/新井正(杢正)
・参加費:3,000円
ラグビースクールのコーチという形で
最近再びラグビーに関わるようになったので、
テレビでラグビーの試合があるときは、
時間の許す限り観るようになりました。
そのようになって気がついたのですが、
今行われている高校ラグビーの露出度が
一時に比べてとても低いように感じます。
身体同士をぶつけ合い、
大勢で草むらを駆け回るという、
近年の遊びではなかなか体験できない
要素を含むからこそ、
ラグビーの楽しさを
もう少し世に伝えていきたいですね。
今日から仕事再開。
朝続々と事務所に人が集まり、
お正月気分から一転、
いつもの空気が流れ始めました。
正月は十分に
ゆっくりできたので、
この仕事モードの時間が
待ち遠しいとすら
思いました。
一方、子どもたちは、
まだ学校が休み。
事務所の昼休みは
大人4名、子ども2名、
家族や親戚が集まった
正月の日々に引き続き、
今日も食卓の周りは
賑やかとなりました。
明日は仕事始め。
今は仕事再開のための
準備をしているところです。
仕事の再開に際し、
これからの一年を
どのように生きるか、
考えるわけですが、
そんなことを
考えるうえで
ここ数年、
様々な場面で、
経済の危機
社会構造の危機、
といった話が耳に入ります。
こうした話を
耳にするたび、
政治や経済の世界で
危機的な状況を
乗り越える動きに
期待する一方で、
危機、の話を聞けば聞くほど、
人として生きるための力をつけ、
生きる楽しみを見失わなければ
割と楽しくやっていけるのではないか、
という思いを強くします。
例え年金がスズメの涙でも、
飢えないほどに食べ物を確保できて、
寒くないほどに着る物を確保できて、
美しいことを美しいと思う心と、
日々の苦楽を共にする仲間がいれば、
私たちは楽しく生きていくことができる。
今年はとくにそのことを意識して、
そのために必要な器としての
住まいづくりという視点で、
仕事に取り組めればと思います。
方法論は、
変わりません。
伝統に学び、
今を作ること。
素材と職人の技を
活かすこと。
住まいづくりを通じて
つなげること。
ということで本年も
よろしくお願いいたします。