イマをみおろす
二宮し邸にて。
先日、カヤから障子に至るまでの
流れを見上げた写真を
紹介させていただきましたが、
逆に障子から見下ろすと、
↓こんな感じです。
サワラの身も心も
柔らかな床板が、
印象的な居間です。
二宮し邸にて。
家族の中心に立つカヤが
家全体の印象を柔らかくしていますが、
耳付きのマツの板が、
その足元を固めています。
無機質で「静」なるコンクリート土間、
あるいはサワラやマツ自身の
静かな色合いに対し、
自然の造形が覆い被さることによって、
空間に静かな「動き」が生まれます。
二宮し邸の
居間吹抜の東面。
上に向かって
カヤの丸太、
はしご、
白い漆喰壁、
障子、
という流れが、
気に入っています。
カヤの木が白い花を
咲かせたようにも見えます。
なお、
火打梁に架かっているはしごは、
吹抜西面にある窓を
開け閉めするためのもの。
あまり使わないとすれば、
何かを吊るすものとして
使っていただければと
思っています。
二宮し邸が完成して、
早十日以上が経ちました。
しばらくこの場を離れていたので、
遅くなりましたが、
折を見て家の中の様子を
報告していければと思います。
早速、居間の吹抜けを
見上げた写真を一枚。
漆喰の腰壁に、
二方にぐるりと
障子が回っています。
とくに漆喰の仕上がりに注目!
漆喰仕上げの部分は全て、
建主さんが
手を施しました。
夏の間、
週末ごとに現場に通いつめては、
下地からていねいにていねいに
仕事されていました。
その結果、
プロの左官屋さんもビックリ!
の仕上がり具合です。
一昨日無事上棟した町田か邸で、
今日は建主さんのご厚意を得て、
木組みの見学会を開催しました。
完成見学会は、
何度か開催させていただいておりますが、
上棟直後の見学会は、
実は初めての試み。
上棟直後は、
すぐに別の作業が待ち構えていて、
現場がバタバタしているのが常ですが、
上棟が三連休初日だったという
暦のアヤも幸いしました。
また、結果的にほとんど
木組みが見える家とはいえ、
上棟直後の様子は、
格別のものがありますし、
土壁で埋まってしまう
壁の中の様子が
分かりますので、
開催してよかった!
と思います。
おかげさまで参加者も、
子どもたちを含めて
約30名の方々にお越しいただきました。
その子どもたち、
やはりモノづくりの現場は、
ワクワクするのでしょうか。
途中の自由時間は、
大人以上に
現場をウロウロと
徘徊していました。
ところで見学会の最中は、
晴れてよかった!です。
少し早い時間に現場に行って
昨日降った雨により
基礎に溜まった水をかき出し、
土台廻りを拭いて廻っていたのですが、
7割がた進んだところで、
お昼前に激しい通り雨…
まあまあそんなこともあるさ、
と思いながら、
振り出しに戻った基礎の水を
再度かき出し、
目途が立ったところで
お昼ごはんを買いに行ったら、
再度先ほどよりも
激しい通り雨…
そんな感じだったので、
見学中も心配だったのですが、
その後は大丈夫でした。
見学会の前の二度の雨は、
きっとお天道様が、
現場を洗い流そうと
してくれたのでしょう(笑)
九月も半ばだというのに、
日中はまだまだ厳しい暑さが
続いています。
夏が大好きな私としては
夏が終わった感じがしないので
うれしいのですが、
外で仕事するには、
ちょっと身体に応えます。
今日も容赦なく、
ギラギラと熱い太陽が
私たちを照らす日でしたが、
町田で無事上棟を
迎えることができました。
今日のために集まってくれた
仲間の職人の皆さま、
本当におつかれさまでした!
今回は八割がた見学していた私でさえ、
しんどかったので、
一日中日陰のない場所で
動いていた職人さんたちは、
本当につらかったと思います。
現に休憩時間は、
たくさんの水分が
消費されていきました。
それにしても、
上棟は何回経験しても、
感動的ですね。
パズルのように
組み上がっていく様子が
楽しいだけではなく、
数ヵ月間かけて
大工たちが刻んだ仕事の
集大成の日であり、
建主さん、職人、設計者、
あるいは、職人同士の絆を
確認する日であり、
何よりも、
建主さんの笑顔が
うれしい日です。
そして、
現場で本格的に物語が
始まる日でもある上棟は、
この仕事をしていて、
いちばん気持ちが上がる
日かもしれません。
(ちなみに建物が完成する日は、
さみしさのほうが先に立ちます。)
さあ、
これから始まる物語が
楽しみです!
・・・・・
朝、木登りできる木、待機中。
木登りできる木は、
とても重いので、
四人がかりで運搬。
玄関部分は、
足固めで足元を補強。
この下を
靴収納として
使えるようにするためです。
大工のたつやが
豪快にカケヤで
叩いているところ。
彼は元、
きらくなたてものやの所員。
当時より身体が引き締まり、
立派に大工として育っています。
2階の床梁が
納まったところ。
色々な穴やら溝やらが
見えますが、
全て意味のある刻みです。
きらくなたてものやではいつも、
最後の棟木は、
建主さんに叩いてもらっているのですが、
今回は建主さんご夫婦お二人で
叩いてもらいました。
今日はお二人にとって、
結婚記念日の日でもあります。
同じ記念日に、
ご夫婦の思い出深い
共同作業ができて
よかったです!
3時の休憩頃に棟が上がり、
夕暮れまでに
垂木も納まっていきました。
尺五寸間隔で
連続した垂木の様子は、
リズム感があって
本当に美しいです。
日が暮れて、
一日中作業した職人さんの他に、
関係する様々な職人さんたちも集まって、
上棟のお祝い。
ほぼいつもの面々で
楽しい時間を過ごすとともに、
絆を再確認したひとときでした。
このすばらしき仲間たちと
いつまでも仕事ができるよう、
私もがんばりたいと思います。