ブログ
2012年11月30日

木と光を魅せる改修

カテゴリー: 今日のできごと

伝統工法の仲間の職人たちと
先月から取り組んでいた

バリアフリー化を目的とした
集合住宅の改修がほぼ完了しました。

鉄骨造の集合住宅だろうと、
こうして「木を魅せる」ことによって、
見た目にあたたかみが増します。

今年の冬は寒そうですが、

また世間は何かと「戦闘」モードですが、

木で心をあたためて
ほしいですね!

ということで空間の様子を、
この場で紹介させていただきます。

奥行きがあり、
光の入りづらい廊下だったので、
建具や木格子の間から、
できるだけ光の射し込む廊下に改変。

内装に使う材も、
極力明るい色のものを
選びました。

新井さん作の建具。

軽やかに見えるように
上へ行くほど白太が増す木配りが
心憎いです。

また鏡板の板と板の間には、
一分ほど目透かしとなっています。

見た目のこともありますが、
これによって木の膨張、収縮により、
建具全体が極力変形しないためです。

ちょっとしたことに
思うかもしれませんが、
技術的には一手間かかる仕事です。

列柱が印象的な居間。

居間に面する硝子の建具を開くと、
廊下と居間と寝室が、
柱一本残して一体化します。

柱一本残る感じは、
「田」の字プランの
古い民家のようです。

安心して窓を開け、
また洗濯物が干せるよう、
格子で囲まれたウッドデッキ。

格子はヒノキで作りましたが、
建主さんの手で
柿渋コートを縫っています。

ウッドデッキ夜景。

作業最終日の今日、
建主さん親子と一緒に、
床に蜜蝋ワックスを塗りました。

大工も全面的にお手伝い。

また網戸納品のため
少し立ち寄った硝子屋も、
世間話かたがた、
養生貼りを手伝ってくれました。

仲間で仕事することの
楽しさとありがたさです。

2012年11月28日

土塗り始める

カテゴリー: 町田か邸

町田か邸にて。

建主さんたちが施工した竹小舞に、
今週から土が塗られ始め、

家の中の光の様子が
少しずつ変化していきます。

毎度のごとく、
竹小舞が塗りこめられる淋しさと、
前に進む喜びが同居します。

4月に捏ねた土は、
当初黄色かったのですが、

稲藁が発酵することにより、
少し緑がかりました。

左官屋の湯田さんが、
スコップでていねいに切り崩し、

更に新しい稲藁を投入し、
入念にかき混ぜて塗っていきます。

荒壁土を塗りたての表情。

これは外壁側ですが、
この家の壁は主に、
この土の一発仕上げとなります。

初冬の竹伐り隊(12/9)!+初冬のカキシブ隊(12/1、12/8)!のご案内

カテゴリー: 告知・連絡

来月も建主参加型ワークショップが
目白押しです。

寒い日が予想されますが、
身体を動かせば身体があたたまり、
寒さも気にならなくなります。

また大勢で集まって
楽しく仕事をすることによって
心もあたたまりますよ!

それでは年の瀬ではありますが、
ご参加ご検討のほど
よろしくお願いいたします。

なおいずれのワークショップも、
ご参加いただける方はお手数ですが、
人数、交通手段を添えて、
以下のアドレス宛にご返事をお願いいたします。
tamotsu.hidaka@kirakunat.com

■初冬の竹伐り隊!のご案内

竹小舞に使う材料として
竹を伐る作業を行います。

木や竹、
植物の恵みをいただくのは、
月の暦を睨みながら。決めるといいと
言われています。

とくに月と竹は、
縁が深いですからね。

具体的には、
下弦から新月の間にかけての日。

ということで今回は、
12月9日(日)に実施いたします。

竹伐りの醍醐味は、

スパッと竹を伐る
心地よさとともに、

里山と人間の関係が
縁遠くなってしまった結果、
荒れていた竹林が
一日作業することによって、
風の通る居心地のよい空間に
変わることです。

まさに「野良」仕事!

ぜひ多くの方々のご参加を
お待ちしております。

◎初冬の竹伐り隊!開催要領
・日時:平成24年12月9日(日) 9:00〜日没
・場所:神奈川県大磯町
・集合:8:45 JR大磯駅改札
・持物:作業できる服装、運動靴(底のしっかりしたもの)、タオル、軍手

※雨天中止(当日7時までに作業実施を決定します。)
※お車でお越しになれる方は、集合場所から乗り合わせをお願いいたします。
※ご都合のよい時間だけでもOKです。
※昼食は用意、またはごちそうします。
※交通費を支給させていただきます。
(一律1,000円とさせていただきます。)

参考:昨年開催の様子

■初冬のカキシブ隊(2回分)!のご案内

12月半ばに
横浜で上棟を予定しているのですが、

その準備として、
現在刻んでいる材木たちに
柿渋塗りを行うワークショップを
以下の日程で
あと二回予定しています。

柿渋塗りの様子は、
たびたびご案内していますが、

現代版「結」の力と
昔ながらの大工の技術を肌で感じる
本当によい機会です。

こちらも併せて
ご検討のほどよろしくお願いいたします。

◎初冬の中カキシブ隊!開催要領
・日時
その一 平成24年12月1日(土) 9:00〜日没まで
その二 平成24年12月8日(土) 9:00〜日没まで
・場所…厚木市飯山 吉岡木材
・集合…9:00現地集合(本厚木駅からバスでアクセス可能です。)

【連絡事項】
・持物:作業できる服装、運動靴、タオル
(柿渋は衣服等に付着すると、二度と落ちません。)
・雨天中止の場合、当日7時までに作業実施を決定のうえ連絡申し上げます。
・ご都合のよい時間だけでもOKです。
・交通手段、詳細の場所等の事務連絡は、改めて個別にさせていただきます。
・昼食は用意、またはごちそうします。
・交通費を支給させていただきます。
(一律1,000円とさせていただきます。)

2012年11月26日

紅い間

カテゴリー: 小田原お邸

小田原お邸にて。

玄関から見える廊下は、
紅い間。

柿渋を塗った木組み、

紅い花梨の床、

紅い土の壁。

紅は元気の出る色です。

2012年11月24日

晩秋のカキシブ隊結成

カテゴリー: 横浜港南あ邸

今朝は昨日からの
冷たい雨が残っておりましたが、
予定どおりカキシブ隊を結成。

参加者は建主さんご家族、

きらくなたてものやを
たびたびお手伝いしてくれる
‘ほ’さん親子、

そしてきらくなたてものやから3名。

人数は少なめでしたが、
建主さんを含め、経験者ばかり。

嵩の大きい2階床梁を7割がた、
塗ることができました。

今日の主役は、
何と言っても
建主さんの息子の‘だ’くん。

午前の休憩の時は、
‘だ’くんが朝庭先でもいできた
おいしいみかんをいただきました。

そして午後は、
しばらく親の元を離れて
静かだなーと思っていたら、

おやつの時間の前頃、
‘だ’くんが私の元に、

ひだかさーん、写真とってー!
ブログのっけてー!

と駆け寄ってきました。

連れられて行ってみると、
そこには木っ端を積んで作った
人が入れるほどの立派な建造物が。

こりゃすごい!と思ったら、
大工の藤間さんが
面倒を見てくれたようです。

それ以来というもの、
すっかり藤間さんのファンになったようで、

仕事している藤間さんの横に
常にべったりとついていました。

このまま後継者の一人に
なっちゃえ!

2012年11月23日

竹小舞、完全終了!

カテゴリー: 町田か邸

子どもたちのラグビーの試合、
およびグランドスタッフとしての務めを終えて、
夕暮れ時に町田か邸に駆けつけました、

すると建主さんと、
建主さんのお父さんと、
イトコのTくんが、

あと残りわずかとなった
竹小舞かきを行っていました。

実は昨日から左官屋さんが入る予定で、
残りは左官屋さんにお任せしよう、
ということになっていたのですが、

昨日、作業が9割9分まで行った様子を見て、
「ここまで来たら、最後までやっちゃいなよ」という、
左官屋さんのありがたいお言葉。

お言葉に甘えまして、
建主さんたちは今日、
延長戦、というわけです。

残りは難しい三角形の部分。

しかし先日私が作った見本を見て、
相変わらず丁寧に
仕事を進めていました。

そして最後残ったのは、
横に這いつくばりながらでなければできない、
三角形の部分。

建主のお父さん、
屋根の部分に架かっている
金属製の冷たい足場に横たわっての作業、
おつかれさまでした!

お父さん、
どおりでうまいな、と思ったら、
子どもの頃手伝ったことが
あるそうですね。

60年ぶりくらいになるのでしょうか。

しかしこうして何十年たっても、
業が伝わるというのは、いいですね!

というわけで
この難関の壁が終わって
竹小舞は完全終了!

私も這いつくばりながら、
「終わった〜!」と絶叫。

這いつくばって手足が痺れていた
ということもありますが(笑)、

足腰立たないほど、
気が抜けてしまいました。

この達成感!
たまりませんね。

建主さん施工は、
私も段取りがたいへんになるけど、
これだからやめられませぬ。

そして忘れてはならぬのは、
お手伝いいただいた
延べ50名を越す人たち。

作業を終えた壁の
一つ一つを眺めると、
その人たちの
後ろ姿を思い出します。

参加された皆さん、
本当にありがとうございました!

最後の難関の
這いつくばって仕事した
三角形の壁。

竹小舞の影は、
苦労の跡。

眺めていて
感激もひとしおです。

楠とクス

カテゴリー: 目黒か邸

雨の降りしきる今日の朝、
子どもたちのラグビーの試合の前に
目黒か邸に立ち寄りました。

お住まいになってから約7年、
(もう7年か…)

久しぶりにお住まいの様子を拝見しましたが、
丁寧に暮らされている様子がうかがえて、
とてもうれしかったです。

例えば階段板で使ったクスノキは、
あの独特の爽やかな香りをいまだ放ちつつ、
とてもいい感じの色艶になっていました。

そして年月の流れの証拠に、
西側の庭先を見ると、
竣工後は幼い苗木だった木々たちが、
最初からそこに植わっていたかのように、
立派に生長していました。

とくに楠の生長の速さには、
驚かされます。

この家は、
独立して初めていただいた仕事。

これまで手がけてきた家は、
もちろん全部大好きですが、
初めて、はここ唯一つ、
やはり特別な思いがあります。

この家を原点に、
この深まるクスの板と、
生長する楠のように、

私も深まり、成長できるよう、
精進していきたいと思います。

2012年11月21日

竹小舞夜景

カテゴリー: 町田か邸

町田か邸にて。

建主さんと夜遅くまで、
竹小舞かき。

あと少しだけ
残ってしまいましたが、

ほぼ完成した状態で
家の中で灯りがともされていると、
家全体が竹籠のランプシェードのようで

夜の静けさの中で味わう
竹小舞の夜景が大好きです。

これは竹小舞かきを建主さんが行う
醍醐味の一つかもしれません。

さて、もう少ししたら、
土が塗られる予定です。

達成感!とともに、
これが見えなくなると思うと、
さみしいなあ。

2012年11月17日

第3回鎌倉エネルギーカフェ開催

カテゴリー: 今日のできごと

鎌倉は夕方、
激しい雨に見舞われましたが、

足元の悪い中、
ちょうど10名がカジュアートスペースに集って
第三回鎌倉エネルギーカフェを
開催しました。

「カフェ」ですから、
皆さんが用意した
目の前の飲み物やお茶菓子を
口にしながら、

10名なので
前回のようにグループ討論ではなく、
みんなで輪になって
私が用意した資料に沿って
話し合いました。

しかしその話の中身は、

色々な背景をお持ちの方が
参加されているからでしょうか、

エネルギーのことや
冬温かく暮らす術のことは
もちろんのこと、

建築の話、林業の話、
食の話、工芸の話、車の話などなど、
話はあちこちへと
飛躍しまして、

それが実に楽しい!

あっという間の
3時間でした。

エネルギーは
生活に不可欠な一要素ですが、

全てはつながっている、
ということですね。

そして今回も、
日本の伝統的な生活文化の中に
たくさんヒントがある、
という方向性だったように
思います。

また技術的な話として、
参加者の方から
サラダオイルストーブの
提案がありました。

仕組みがシンプルだし、
デザインも、
シンプルなランプのようでいい!

ということで、
一度みんなで作ってみようか、
という話になりました。

こうして手を動かし
ものづくりを通じて、
世界を変えていく企画を集めて
実践してきたいと思います。

そういえば、
次回エネルギーカフェの前に
身体をあたためてくれる
タンポポコーヒー作りの
ワークショップをやろう!
なんて話も上がりました。

そんな感じで、
ますます楽しくなりそうな
鎌倉エネルギーカフェです。

次回は来年1月26日。
テーマは「地域単位でエネルギーを起こす①」です。
スペシャルゲストをお迎えする予定!ですので、
次回もたくさんの方々のお越しを
お待ちしております。