2012年8月7日
福島第一原発事故により、
私たちは様々な分野で放射能の心配を
しなければならなくなりましたが、
身近な場所の
恵みをいただいて
家を作る私たちは、
やはり使う素材に対する
放射能の汚染状況が
とても気になります。
色々な考えがあって
今の仕事に取り組んでいますが、
安全性の追求も
その一つですからね。
そこで土壁に使う土に関しては、
これまで埼玉県の深谷で
調達していたのですが、
念のため震災以後は、
福島との距離感を懸念して
関西方面から土を
取り寄せていました。
やはり関西の土は、
さすがにいいなあと思う一方で、
しかしこのたび、
深谷からほど近い熊谷で
近々泥を捏ねる予定となったため、
何も車で30分かからない場所の素材を避けて、
関西から土を入れることもなかろうと、
意を決して
高価な放射線量計を購入し、
実際に土の採取現場に行って、
放射線量を測ることにしました。
すると
数値に問題がないことを
この目で確かめることが
できたとともに、
土を取り扱う
深谷配合粘土の社長さんの
素材を扱う者として
安全性を追求する姿勢と
あたたかい人柄に触れて、
さらに安心することが
できました。
やはり実際に
素材の源流まで
足を運ぶことの大切さを
改めて感じた次第です。
その後すぐ近くの
熊谷の現場に行き、
泥を保管する箱を
作りました。
たまたま建主さんが
草刈りのために
仕事を一時的に抜けて
現場にいらしたので、
ありがたいことに、
全面的に一緒に
汗を流していただきました。
小一時間ほどかけて
箱ができあがる頃には、
辺りに夕焼けの田園風景が広がり、
暑いはずの熊谷に
とても爽やかな風が
流れていました。