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2012年12月2日

あたたかな集まり

カテゴリー: 二宮し邸

今日は午後から
二宮し邸の竣工祝い。

家づくりに関わった職人および
その家族たち14名をお招きいただき、

盛大に家の完成を
お祝いしました。

竣工祝いは、
こちらからお願いして
開催していただいているわけではなく、
ご厚意による開催なのですが、

やっぱりこうした機会は、

完成した様子を
上棟や竹小舞かきをはじめ、
作る過程を思い浮かべながら
ゆっくりと楽しみ、

また
お住まいになってからの様子を
しみじみと拝見でき、

さらに建主さんと
仲間の職人たちとの絆を
再確認できる場として、

たいへんありがたく思います。

そして建主さんの手による
心のこもったおいしい料理!

きらくなたてものやの自慢は、
料理の上手な建主さんが
本当に多いってことです。

それはなぜなのか、
考えてみたのですが、

家づくりの時と同様、
料理を作る時も、
溢れんばかりの愛情を
注いでくださるからだと思います。

そんな愛情で包まれた料理と
お住まいの空間で、

外はたいへん寒い日で、
また大きな吹抜けのある家なのですが、

これまた愛情詰まった
床暖房のおかげもあって、

身も心もあたたかな
時間を過ごすことができました。

最後のあいさつでも
申し上げたのですが、

確かにこの家は、
できるだけおカネをかけない
ローコスト住宅でした。

ローコストな分、
構造はいたってシンプル、
また設備仕様もシンプル、

壁は荒壁土仕上げ、

そして手間賃を
少しでも節約するため、
自ら建主さんが
他の家以上に
手間をかけた家でした。

手間をかけただけ、
注がれた愛情、

この家は
その愛情があたたかさとして
ひしひしと感じる家でした。

ものづくりには、
技術も必要、
また現実的におカネも必要、

だけど最も大事なことは、
「愛」だということを
大いに再認識することができました。

そんな「愛」に溢れた場を
設けてくださり、
‘し’さん、
本当にありがとうございました!

建主さんが用意してくださった
料理の一部。

これ以外に
もっとたくさんあったのですが、
すみません、食べるのに夢中で
写真は食べ始めに撮影したこれだけ(苦笑)

ムスコの‘た’くんは、
終始大工の‘こ’さん一家になついて
ご機嫌に遊んでました。

こちらのムスコさんも、
将来大工か?

灯りにともされた
お住まいの様子の一部。

荒壁土は「下地」に留まらず、
仕上げとして美しい素材だな、と、
改めて思いました。

最後みんなで
記念の集合写真!

2012年12月1日

初冬のカキシブ隊開催!

カテゴリー: 横浜港南あ邸

いよいよ最後の月、
12月に入りました。

今月半ばに横浜で
上棟を予定していますので、

それをめがけて
毎週カキシブ隊結成となります。

私は今日、
午前中は地元の会合、

また午後は少し
町田か邸に立ち寄ったので、

夕暮れ時に合流したのですが、

日中は天候不順のため
四苦八苦したそうですが、

順調に大きな梁と通し柱、
また管柱を数十本、
塗ることができました。

建主の弟さん、

いつも来てくださる
日野の‘い’さんと
大和の‘ほ’さん、

そして所員の二人、

凍てつくほどの寒い中
ありがとうございました!

次回は12/8。
横浜あ邸のカキシブ隊も、
いよいよ最終回です。

乾きを左右するのは

カテゴリー: 町田か邸

町田か邸にて。

今週から本格的に
竹小舞に土を塗り始めました。

例年に比べて寒く、

土を塗るには
ギリギリのタイミングでしたが、

乾燥している時期のためか、
思いのほか順調に
乾き始めています。

むしろ暑い夏季よりも
乾きが速いかもしれません。

土の乾きは、
温度よりも湿度に
左右するのかもしれません。

2012年11月30日

木と光を魅せる改修

カテゴリー: 今日のできごと

伝統工法の仲間の職人たちと
先月から取り組んでいた

バリアフリー化を目的とした
集合住宅の改修がほぼ完了しました。

鉄骨造の集合住宅だろうと、
こうして「木を魅せる」ことによって、
見た目にあたたかみが増します。

今年の冬は寒そうですが、

また世間は何かと「戦闘」モードですが、

木で心をあたためて
ほしいですね!

ということで空間の様子を、
この場で紹介させていただきます。

奥行きがあり、
光の入りづらい廊下だったので、
建具や木格子の間から、
できるだけ光の射し込む廊下に改変。

内装に使う材も、
極力明るい色のものを
選びました。

新井さん作の建具。

軽やかに見えるように
上へ行くほど白太が増す木配りが
心憎いです。

また鏡板の板と板の間には、
一分ほど目透かしとなっています。

見た目のこともありますが、
これによって木の膨張、収縮により、
建具全体が極力変形しないためです。

ちょっとしたことに
思うかもしれませんが、
技術的には一手間かかる仕事です。

列柱が印象的な居間。

居間に面する硝子の建具を開くと、
廊下と居間と寝室が、
柱一本残して一体化します。

柱一本残る感じは、
「田」の字プランの
古い民家のようです。

安心して窓を開け、
また洗濯物が干せるよう、
格子で囲まれたウッドデッキ。

格子はヒノキで作りましたが、
建主さんの手で
柿渋コートを縫っています。

ウッドデッキ夜景。

作業最終日の今日、
建主さん親子と一緒に、
床に蜜蝋ワックスを塗りました。

大工も全面的にお手伝い。

また網戸納品のため
少し立ち寄った硝子屋も、
世間話かたがた、
養生貼りを手伝ってくれました。

仲間で仕事することの
楽しさとありがたさです。

2012年11月28日

土塗り始める

カテゴリー: 町田か邸

町田か邸にて。

建主さんたちが施工した竹小舞に、
今週から土が塗られ始め、

家の中の光の様子が
少しずつ変化していきます。

毎度のごとく、
竹小舞が塗りこめられる淋しさと、
前に進む喜びが同居します。

4月に捏ねた土は、
当初黄色かったのですが、

稲藁が発酵することにより、
少し緑がかりました。

左官屋の湯田さんが、
スコップでていねいに切り崩し、

更に新しい稲藁を投入し、
入念にかき混ぜて塗っていきます。

荒壁土を塗りたての表情。

これは外壁側ですが、
この家の壁は主に、
この土の一発仕上げとなります。

初冬の竹伐り隊(12/9)!+初冬のカキシブ隊(12/1、12/8)!のご案内

カテゴリー: 告知・連絡

来月も建主参加型ワークショップが
目白押しです。

寒い日が予想されますが、
身体を動かせば身体があたたまり、
寒さも気にならなくなります。

また大勢で集まって
楽しく仕事をすることによって
心もあたたまりますよ!

それでは年の瀬ではありますが、
ご参加ご検討のほど
よろしくお願いいたします。

なおいずれのワークショップも、
ご参加いただける方はお手数ですが、
人数、交通手段を添えて、
以下のアドレス宛にご返事をお願いいたします。
tamotsu.hidaka@kirakunat.com

■初冬の竹伐り隊!のご案内

竹小舞に使う材料として
竹を伐る作業を行います。

木や竹、
植物の恵みをいただくのは、
月の暦を睨みながら。決めるといいと
言われています。

とくに月と竹は、
縁が深いですからね。

具体的には、
下弦から新月の間にかけての日。

ということで今回は、
12月9日(日)に実施いたします。

竹伐りの醍醐味は、

スパッと竹を伐る
心地よさとともに、

里山と人間の関係が
縁遠くなってしまった結果、
荒れていた竹林が
一日作業することによって、
風の通る居心地のよい空間に
変わることです。

まさに「野良」仕事!

ぜひ多くの方々のご参加を
お待ちしております。

◎初冬の竹伐り隊!開催要領
・日時:平成24年12月9日(日) 9:00〜日没
・場所:神奈川県大磯町
・集合:8:45 JR大磯駅改札
・持物:作業できる服装、運動靴(底のしっかりしたもの)、タオル、軍手

※雨天中止(当日7時までに作業実施を決定します。)
※お車でお越しになれる方は、集合場所から乗り合わせをお願いいたします。
※ご都合のよい時間だけでもOKです。
※昼食は用意、またはごちそうします。
※交通費を支給させていただきます。
(一律1,000円とさせていただきます。)

参考:昨年開催の様子

■初冬のカキシブ隊(2回分)!のご案内

12月半ばに
横浜で上棟を予定しているのですが、

その準備として、
現在刻んでいる材木たちに
柿渋塗りを行うワークショップを
以下の日程で
あと二回予定しています。

柿渋塗りの様子は、
たびたびご案内していますが、

現代版「結」の力と
昔ながらの大工の技術を肌で感じる
本当によい機会です。

こちらも併せて
ご検討のほどよろしくお願いいたします。

◎初冬の中カキシブ隊!開催要領
・日時
その一 平成24年12月1日(土) 9:00〜日没まで
その二 平成24年12月8日(土) 9:00〜日没まで
・場所…厚木市飯山 吉岡木材
・集合…9:00現地集合(本厚木駅からバスでアクセス可能です。)

【連絡事項】
・持物:作業できる服装、運動靴、タオル
(柿渋は衣服等に付着すると、二度と落ちません。)
・雨天中止の場合、当日7時までに作業実施を決定のうえ連絡申し上げます。
・ご都合のよい時間だけでもOKです。
・交通手段、詳細の場所等の事務連絡は、改めて個別にさせていただきます。
・昼食は用意、またはごちそうします。
・交通費を支給させていただきます。
(一律1,000円とさせていただきます。)

2012年11月26日

紅い間

カテゴリー: 小田原お邸

小田原お邸にて。

玄関から見える廊下は、
紅い間。

柿渋を塗った木組み、

紅い花梨の床、

紅い土の壁。

紅は元気の出る色です。

2012年11月24日

晩秋のカキシブ隊結成

カテゴリー: 横浜港南あ邸

今朝は昨日からの
冷たい雨が残っておりましたが、
予定どおりカキシブ隊を結成。

参加者は建主さんご家族、

きらくなたてものやを
たびたびお手伝いしてくれる
‘ほ’さん親子、

そしてきらくなたてものやから3名。

人数は少なめでしたが、
建主さんを含め、経験者ばかり。

嵩の大きい2階床梁を7割がた、
塗ることができました。

今日の主役は、
何と言っても
建主さんの息子の‘だ’くん。

午前の休憩の時は、
‘だ’くんが朝庭先でもいできた
おいしいみかんをいただきました。

そして午後は、
しばらく親の元を離れて
静かだなーと思っていたら、

おやつの時間の前頃、
‘だ’くんが私の元に、

ひだかさーん、写真とってー!
ブログのっけてー!

と駆け寄ってきました。

連れられて行ってみると、
そこには木っ端を積んで作った
人が入れるほどの立派な建造物が。

こりゃすごい!と思ったら、
大工の藤間さんが
面倒を見てくれたようです。

それ以来というもの、
すっかり藤間さんのファンになったようで、

仕事している藤間さんの横に
常にべったりとついていました。

このまま後継者の一人に
なっちゃえ!

2012年11月23日

竹小舞、完全終了!

カテゴリー: 町田か邸

子どもたちのラグビーの試合、
およびグランドスタッフとしての務めを終えて、
夕暮れ時に町田か邸に駆けつけました、

すると建主さんと、
建主さんのお父さんと、
イトコのTくんが、

あと残りわずかとなった
竹小舞かきを行っていました。

実は昨日から左官屋さんが入る予定で、
残りは左官屋さんにお任せしよう、
ということになっていたのですが、

昨日、作業が9割9分まで行った様子を見て、
「ここまで来たら、最後までやっちゃいなよ」という、
左官屋さんのありがたいお言葉。

お言葉に甘えまして、
建主さんたちは今日、
延長戦、というわけです。

残りは難しい三角形の部分。

しかし先日私が作った見本を見て、
相変わらず丁寧に
仕事を進めていました。

そして最後残ったのは、
横に這いつくばりながらでなければできない、
三角形の部分。

建主のお父さん、
屋根の部分に架かっている
金属製の冷たい足場に横たわっての作業、
おつかれさまでした!

お父さん、
どおりでうまいな、と思ったら、
子どもの頃手伝ったことが
あるそうですね。

60年ぶりくらいになるのでしょうか。

しかしこうして何十年たっても、
業が伝わるというのは、いいですね!

というわけで
この難関の壁が終わって
竹小舞は完全終了!

私も這いつくばりながら、
「終わった〜!」と絶叫。

這いつくばって手足が痺れていた
ということもありますが(笑)、

足腰立たないほど、
気が抜けてしまいました。

この達成感!
たまりませんね。

建主さん施工は、
私も段取りがたいへんになるけど、
これだからやめられませぬ。

そして忘れてはならぬのは、
お手伝いいただいた
延べ50名を越す人たち。

作業を終えた壁の
一つ一つを眺めると、
その人たちの
後ろ姿を思い出します。

参加された皆さん、
本当にありがとうございました!

最後の難関の
這いつくばって仕事した
三角形の壁。

竹小舞の影は、
苦労の跡。

眺めていて
感激もひとしおです。

楠とクス

カテゴリー: 目黒か邸

雨の降りしきる今日の朝、
子どもたちのラグビーの試合の前に
目黒か邸に立ち寄りました。

お住まいになってから約7年、
(もう7年か…)

久しぶりにお住まいの様子を拝見しましたが、
丁寧に暮らされている様子がうかがえて、
とてもうれしかったです。

例えば階段板で使ったクスノキは、
あの独特の爽やかな香りをいまだ放ちつつ、
とてもいい感じの色艶になっていました。

そして年月の流れの証拠に、
西側の庭先を見ると、
竣工後は幼い苗木だった木々たちが、
最初からそこに植わっていたかのように、
立派に生長していました。

とくに楠の生長の速さには、
驚かされます。

この家は、
独立して初めていただいた仕事。

これまで手がけてきた家は、
もちろん全部大好きですが、
初めて、はここ唯一つ、
やはり特別な思いがあります。

この家を原点に、
この深まるクスの板と、
生長する楠のように、

私も深まり、成長できるよう、
精進していきたいと思います。