自分でゴミ出しして思う
先日、改修現場で出た廃棄物を
自分で積んで捨てに行きました。
そんな体験をして改めて思いますが、
壁の下地がプラスターボードでできた建物は、
ちょっと手を入れるだけでも
解体時に本当にたくさんのゴミが出ますね。
処分代の料金にもビックリしました。
そしてもうひとつ、
無垢の木とパーティクルボードは、
見かけ上なんとなく似ていますが、
処分の区分が違うということ。
無垢の木は「木くず」となり、
チップ化して再利用、
パーティクルボード類は
「廃プラスティック」として焼却処分。
接着剤等が付着していると
再利用化できないんだそうです。
しかも廃プラスティックって
再資源化されるかと思っていたら
燃やしちゃうんですか。
鼻がよじれそうなガス出して。
人体への安全性という観点もあるけれど、
安くて便利だからといって
気軽に手を出していいものかどうか、
ゴミの問題という観点からも、
自問する必要があるように思います。
みなみがみな「と」、ご開帳
横浜港南あ邸、
今週はじめにご開帳。
(=足場が払われました)
この家は南面全て、
みな「と」の家。
子どもの頃、
そんな感じのナゾナゾを
見た記憶があります。
太陽の熱を使おう
先日13日に、
今年度の木の建築塾
「在るものを生かす」が
始まりました。
9月度の講師は
工学院大学の後藤治さん。
たくさんの文化財や古民家を
実際に見て触って、
そのうえで醸成された
後藤さんの考えと言葉は、
どれもたいへん興味深いものでした。
その中でも一点
たいへん考えさせられた話は、
今回の塾のテーマと少し離れますが、
アフリカの森林が
危機に追い込まれている理由。
もちろん国内外の建築需要も
あるのでしょうが、
伐採の主な目的は、
現地の人たちが使う燃料調達。
暖を採るため、
煮炊きをするため、ですね。
私は何となく罪悪感を感じながら
これまで化石燃料を使ってきておりましたが、
たくさんの人口を抱える
現代の地球上で暮らすうえで、
もしかしたら
未来への過渡期の「代用品」として
必要なことだったのかもしれません。
一方で私たちの国では、
バイオマス資源が使われずに眠っています。
それはそれで
たいへんもったいないことで、
薪ストーブやペレットストーブなど、
バイオマス資源の活用を促す装置を
積極的に提案し続けていますが、
同時に需要と供給のバランスを
意識する必要性を強く感じました。
そしてもう一つは、
太陽熱の有効利用を
さらに考えていきたいと思いました。
その視点で、
今日開業した「食堂ぺいす」の玄関土間を
一度ぜひご覧になってみてください。
この土間は、
昔ながらの達磨窯を使い、
薪で焼いた敷瓦で
仕上げられているのですが、
その下には
床暖房用のお湯の管が
埋められています。
そのお湯を作る熱源は、太陽熱。
太陽の熱を土(瓦)に蓄え、
そこから発する輻射熱で
暖を取ろうというもくろみです。
例えばそのような仕組みで、
太陽熱利用を提案していこうと思います。
まだまだ暑い時期なので、
その恩恵に預かることができるのは
あと数ヵ月後ですが、
後藤さんのお話をお聞きして、
一刻も早く試運転したくなりました(笑)。
熊谷で竹小舞かき隊(第2回)開催
今日は熊谷で竹小舞かき隊(第二回)。
今日も楽しい共同作業でした。
そして今回は高校の時の友だちが
2時間以上かけて、
遠路はるばる来てくれました。
むっちゃうれしい。
参加者がせっせと竹小舞をかく中、
私は間渡し竹(骨組)を仕込みつつ、
三角形の壁担当。
頭と手をフル回転させて、
芸術作品を作っている感じです。
この技術を、
設計に生かせないものでしょうか(笑)。
次回の竹小舞かき隊は、
9/21(土)です。
ご興味ある方、
ぜひご参加ください。
ふりかえりの間に畳入る
鎌倉大町ほ邸にて。
ふりかえりの間または半畳茶室に、
ようやく畳が入りました。
ふりかえりの間の畳に座り、
見上げるとそこには流木ピースマーク。
土壁の手塗りの跡が愛おしい。
リズムを感じるバルコニー
鎌倉みや邸にて。
この家のバルコニーは、
1階デッキ部分の奥行を小さくする一方、
2階バルコニーは、
少しでも奥行を取りたかったので、
4寸角の梁を
尺5寸ごとにワタリアゴで跳ね出す
構造としました。
おかげで、
小刻みに並んだ手摺の格子も相俟って、
リズムを感じるバルコニーとなりました。
2013木の建築塾のご案内
在るものを生かす
戦後の高度成長期から40〜50年経過し、その頃大量供給された住宅は、老朽化やライフスタイルの変化等により、住まいとして更新の時期を迎えようとしています。そのような状況の中、それらのストックを安全に、また健全に活かす選択を探ることは、思い出やまちなみの継承、廃棄物の削減等の観点から、意義のあることのように思います。一方で、私たちの感性の琴線を刺激してか、築年数の古い民家を敢えて求め、それを直して暮らす、という傾向を、にわかに感じております。
そこで今年度の木の建築塾のテーマは、「在るものを生かす」。
木造建築は、直すことや改修することが他の構法に比べて比較的容易なことから、「在るものを生かす」ことに向いた構造といえます。しかしそれは、単なる「保存」ではなく、構造強度の維持改善はもとより、現代のライフスタイルへの対応や温熱環境の改善などを踏まえた改修である必要があります。そのような未来を見据えた視点で、「在るものを生かす」あり方を提示した講座を提供してまいります。
●会 場…工学院大学新宿校舎
東京都新宿区西新宿1-24-2
※新宿駅西口徒歩5分
(教室№は別途連絡します)
●時 間…18:30〜20:30
●受講料…全6回12,000円
※1回受講2,500円
●定 員…40名(先着順)
第1回:9月13日(金)
後藤 治(工学院大学)
歴史に学ぶ長寿命化の要件
第2回:10月13日(日)
佐々木 祐子(G PLANNING ASSOCIATE)
古民家を直して住む
※飯能にて開催
第3回:11月15日(金)
林 美樹(Studio PRANA)
建物の歴史を残しながらリノベーション〜町工場&住居をシェアハウスへ〜
第4回:12月13日(金)
豊田 保之(トヨダヤスシ建築設計事務所)
「住宅医」による土壁を生かす改修事例
第5回:1月10日(金)
津村 泰範(㈱文化財保存計画協会 主任研究員)
歴史的建造物の保存再生の現場経験から思うこと
第6回: 2月14日(金)
日高 保(きらくなたてものや)
在るもの生かす、民家の改修事例