はがしはじめる
逗子せ邸にて。
今日は厨房家具が
届く予定なので、
受け取りがてら
一部床の養生を
剥がしました。
早く仕上がりの全体像が
見たいのですが、
掃除しながら、なので、
ボチボチとしか進みません。
しかし「剥がす」作業が
気持ちよいのと、
労力がかかる分、
床のサワラの板が
露わになった瞬間の
感慨もひとしおでした。
ロフト部分は完了。
床が早く見たくて、
養生剥がしを手伝ってくれた
少年N。
熊谷た邸、
カメラマン畑拓さんによる写真、その7。
敷瓦とクリ板の居間。
東側は、
横長に開放的な窓、
南側は、
部屋を紙で
柔らかく包む障子と、
夜間通風可能な
格子網戸を備えた
二軒開口の掃き出し窓。
実は今日、
ここで建主さんと
お会いしていたのですが、
この夏あの熊谷で
エアコンを使った回数は、
2、3回だけだったとのこと。
この家は、
基本的に内外真壁ですが、
よく通る風と
土に包まれている
おかげだと思います。
現在改正省エネ法の関係で
岐路に立たされている
木と土の家の温熱環境を考えるうえで
たいへんありがたいお言葉でした。
横浜す邸にて。
今日は現場に
電気屋が来るというので、
現場で電気設備の配置を検討。
壁も天井も
木組みが見える
真壁の家は、
フトコロが極めて少ないし、
木組みで割付が規定されるし、
電気設備の配置が
本当に難しいのですが、
うまくいけば、
木組みが映えて見えるので、
こうして現場で腕を組んで
考えるのです。
現場が始まる前、
一応図面に書くものの、
職人と話し合いつつ
現場で変えることが
いちばん多い要素です。
ちなみにこれまで
あまり紹介してませんでしたが、
原則として
きらくなたてものやでは、
スイッチ等の箱は、
プラスティックではなく鉄製、
配線は、
塩化ビニル製ではなくて
耐熱ポリエチレン製。
いわゆるエコケーブルです。
ほとんど見えない
気づかれない部位ですが、
少しでも安全なものを。
配線が硬くて
電気屋には少々
手間をかけてしまいますが、
それも含めて
きらくなたてものやとのお付き合い、
ありがたいことです。
今日は朝横浜の現場に
立ち寄った後、
昼前に静岡に到着。
大工の北山さんが手掛ける
江戸時代築の家の改修工事の
お手伝いに行ってきました。
今年の年明け、
私の現場で使う藁を
三人がかりで
遠いところまで運んでもらった
せめてものお礼として、
身体でお返ししました。
作業内容は、
膨大な労力のかかる
土塗りとヨイトマケ。
こうして
生身の人間の労力がかかる
仕事だからからこそ、
おカネを介在させずに
手間を貸し借りする仕組みが
成り立つのですが、
人のあたたかさに触れ、
たくさんの人と
お話しすることができ、
ちょっとした
小旅行ともなり、
おカネには代えがたい
楽しさがあります。
この時代を生きていくには、
どうしてもおカネは必要ですが、
しかしそんなに
おカネがなくとも
まあなんとかなる、
そんなふうになったら、
人はもっと楽しく
生きられるのではないかと、
改めて思った一日でした。
そしてこれらの楽しい仕事を
「伝統」という枠にはめてしまうのは、
ちょっともったいないような
気がしています。
逗子せ邸にて。
今日は雨模様でしたが、
左官職人二人が来て、
2階の仕上げ、
漆喰塗りを開始しました。
これで次回水曜日に、
いよいよ壁の仕上げが
完了する予定です。