ブログ
2015年2月11日

省エネな住まいとまちをデザインする

カテゴリー: エネルギーカフェ


立春から一週間。
すっかり春が来たような陽気の中、
今日は鎌倉エネルギーカフェ。

今日のテーマは、
省エネな住まいとまちをデザインする。

今回の話題提供者は、
チラシの記載では
当初私がお話しする予定でしたが、
鎌倉市環境政策課
環境政策エネルギー担当の
澁谷 毅さんにお願いしました。

今年度鎌倉市では、
「エネルギー実施計画」を作る予定で、

担当者の一人である澁谷さんは、
この一年の間に
京都市をはじめ、
参考となる事例を視察したり、
勉強会に参加したりと、
様々な調査を進めてこられました。

昨年10月に鎌倉市が主催したワールドカフェで、
そのような調査を行っていることを知ったのですが、

それらが市民の目に触れないのは
もったいない!と思い、

先月急きょ鎌倉市環境政策課に
声をかけさせていただいた次第です。

もちろん調査報告も
楽しみだったのですが、

昨年度同じ課の方が作り上げた
あのすばらしい「鎌倉市エネルギー基本計画」を
行政の立場として皆さんに
紹介していただきたかった、
という思惑もありました。

ですのでその概要版を配布したうえ、
エネルギーに関して
現在鎌倉市が掲げた将来目標についても
お話をいただきました。

さて、澁谷さんのお話を
一言で要約すると、

新たにまちを刷新する
余地が少なく、
既存のまちなみや建物を
活かしながら進めていく必要がある
歴史的都市鎌倉での方向性の一つは、

省エネ、だけに焦点を当てて
手段を考えるのではなく、

例えば防災だったり、景観だったり、
様々なまちの課題と併せて
一石二鳥、一石三鳥となるような
施策を考えたらどうだろうか、
という提言でした。

つまり「省エネ+α」の取り組み。

正直行政の取り組みは、
「縦割り」という印象が強かったので、

行政の方から
こうした提言があったことは

驚きとともに、

様々な楽しい発想が
行政や市民の間から
生まれてくるかもしれない、
という予感を感じさせてくれました。

実際、会の後半では、
小グループに分かれて
「省エネ+α」の取り組みを
みんなに出してもらいましたが、

その提案の実に楽しいこと!

それらの中の幾つかでも
数年の間に実現できれば、

その取り組みで観光客も来るような
楽しいまちになりそうです。

またそもそも、
こうしてざっくばらんに近い距離で
行政の方のお話を聞く機会って、
実はあまりないと思うのですが、

今回改めて
とても大事な機会だと思いました。

市民の顔が見える行政。
行政の顔が見える市民。

もちろん気をつけなければならないことは
多々あると思いますが、

そのような関係があってこそ、
行政と市民が手を取り合って
目標に向かって
何かに取り組んでいけるのだと思います。

とくにエネルギーは、
市民の暮らしに根付いた話。

またぜひこうした機会を
作ってみたいと思います。

話題提供者の澁谷さん。

若さに溢れつつ、
落ち着いてお話を
してくれました。

こうした方が
市にいると思うと
頼もしいですねー。

今日の参加者たち。

実は先週まで参加人数が
伸び悩んでいたのですが、

今週に入ってたくさんの応募があり、
ほぼ定員いっぱいの状態。

今日初めての方が
多かったのも印象的で、
また新たなご縁を
いただくことができました。

鎌倉エネルギーカフェ自慢の
一品持ち寄りカフェタイム。

もう本当においしい
料理やお菓子ばかりで、
家に晩ごはんいらない、
と言っておけばよかった(笑)。

後半は、
2つのグループに分かれて、
みんなで「省エネ+α」の提案を
考えてみました。

どちらのグループも
とても盛り上がっている様子でした。

1班の発表。

共同生活、身体の力を高める、
自給自足、食生活、鎌倉ブランド…、

書ききれないほど
実に多彩!な意見が出たようです。

2班の発表。

こちらは、
「省エネ+観光」に的を絞り、
租税法までをも巻き込んだ(笑)、
詳細な取り組みも含めた提案。

しかしプロジェクトチームを組んで
真剣に検討したら、
近年中に実現できそうな
予感がしました。

日が暮れると
さすがに足元が冷えてきましたが、

今日もあったかい場所だったなあ。

2015年2月7日

2015梅花の候のカキシブ隊

カテゴリー: 藤沢ひ邸


立春を過ぎたとはいえ、
厳しく冷え込む朝。

今日は吉岡木材で
カキシブ隊の日でしたが、

水たまりには
分厚い氷が張り、
水道の水も
凍結するありさま。

しかしそんな日でも、
身体を動かせば、

その冷たい空気が
気にならないどころか、

心地よいとすら
思えました。

カキシブ隊での作業は、
あまり身体を
動かさないように見えて、

けっこう
歩いていますからね。

さて今日の参加者は、

建主さんご家族の他、

建主さんのお友だちご夫婦、

私のブログを見て
応募してくれた若き大工たち、

そして私という構成。

みんな初対面でしたが、
ここかしこで会話が生まれ、

今日も楽しく
作業することが
できました。

今日の成果は、
胴差十数本と、
垂木の二度塗り目、
そして面戸。

皆さん、
ありがとうございました!

今朝の様子。
分厚い氷が張っています。

今日の作業の様子。

氷の解けたぬかるみで
靴はぐっしょり。

今日の午前のおやつ。

建主さんお手製の
サーターアンダギーが
とてもおいしかった!

塗装途中の胴差たち。
これらが居間の天井に
ずらりと並ぶ予定です。

今日の成果品。
今日も充実した疲労感です。

2015年2月5日

天井剥がすと

カテゴリー: 鎌倉長谷ゆ邸

鎌倉長谷ゆ邸にて。

改修予定の部屋の
天井を剥がしたら、

太鼓梁の小屋組みと
トントン葺の屋根の下地が
見えてきました。

かなり年数が経っている建物ですが、
割と下地がしっかりしていますね。

こういう姿を見ると、
少しでもこれらを
デザインに生かしたいと
思ってしまいます。

さて、どの高さで、
天井貼ろうかな。

2015年2月4日

立春始動

カテゴリー: 鎌倉長谷ゆ邸


今日は立春。

その日に合わせて、
鎌倉長谷ゆ邸の
改修工事が始まりました。

この場所は、
子どもの頃お世話になった
じいさんばあさんの家のすぐ近く。

また偶然ですが、
そのじいさんばあさんと
同じ苗字の家なので、

いつも以上に
他人とは思えない家です。

しかも今日はたまたま
同じ苗字の職人が、
現場に三名(笑)。

またこの場所での物語も
楽しいものになりそうです。

ちなみに2月23日の週から、
竹小舞かき隊、

また3月のどこかで
ヨイトマケを行う予定です。

2015年2月2日

家の中心は

カテゴリー: 逗子せ邸


逗子せ邸にて。

畑拓さんが撮影した
写真、その5。

この家の中心は、
厨房。

私は、
家の中心が「食」、

そしてたとえ
全体が小さくても、

「食」の空間が
豊かであるとよいなと
思いながら、
計画を進めます。

単に栄養を採る
ためだけではなく、

家族が集まり、

家族が語らい、

文化を伝える、

楽しく、心地よく
健康に暮らしていくうえで

たくさんの大切なことが
凝縮された場であるからです。

この家の厨房も、
シンプルですが、
まさにそんな場所だと
思います。

2015年2月1日

どのように作ろうとも

カテゴリー: 今日のできごと

偶然か必然か、
とにかく今週は、
たくさんの中古住宅を
拝見させていただきました。

中古住宅を買おうと
思っているのだけど、

本当に買って
いいものかどうか、

契約前に見てほしい、
というご依頼。

だいぶ前から、
不動産を手に入れる際、

物件を紹介してくれる
不動産屋だけではなく、

建築の専門家と一緒に評価し、
検討できる仕組みがあると
いいなと思っていました。

だって何千万円もする
一世一代の買い物では
ありませんか。

当方の屋号は、
「きらくなたてものや」、
基本は設計屋ですが、

その名とした理由の一つは、

そのようなことも含めて、
たてものについて
きらくに相談してほしい、
という願いも込めての
ことでしたので、

こうした依頼が
増えてきたことを
とてもうれしく
思っています。

とくに七戸に一戸は、
空き家というこの時代、

まだまだ使えるたてものは、
ぜひ使い続けてほしいと思いますので、

私なりの視点での
評価となりますが、

ぜひ引き続き
きらくにご相談ください。

さて、こうして
幾つか中古住宅を
拝見してきた感想を一つ。

私は新たにたてものを建てる
設計の仕事をいただいた際は、

例外なく伝統的な工法に学んで
仕事に取り掛かります。

現代の心地よい空間を作るために、
それが最良の手段だという信念を
持っているからです。

しかし私がこれまで
拝見してきた中古住宅の大半は、

決して自分と同じ作り方
というわけではありません。

また一般論で比較しても、
現代の家に比べれば、
性能が劣ると思わざるを得ない
ところも正直あります。

しかしなぜだろう、

ハウスメーカーが建てたものだったり、
ツーバイフォーだったり、

ある意味で伝統工法とは
対極の位置にあるたてものだったとしても、

これまで使い続けてきた
住まい手の愛情を感じた途端、

依頼主の方とご縁があるにせよ
あるいは結果的になかったにせよ、

ずっと長生きしてほしいな、
と思う自分がいます。

だいぶ前にブログの記事で、
たてものの寿命を決定づけるのは、
「愛」だということを
力説させていただいたことがありましたが、

どのように作ろうとも、

たとえ人の手に渡るとしても、

大事なのは「愛」の積み重ね。

まさにそのことを
再認識しました。

なので私は、
誰が何と言おうと、

「現代版結」の仕組みを通じ、
みんなで愛情を注ぐ儀式を
続けていこうと思います。