建前は、大工の気概と哲学を感じる
今日の建前は
大工の藤間さんの藤間さんたる所以を
改めて感じる日でもありました。
例えばこの重ホゾ。
どこまでも金物に頼らず、
木組みで行けるところまで行こう、
という気概と哲学を感じます。
こうして垂木まで
ホゾを届かせるためでした。
また垂木を納める時、
位置がしっかり決まるので
作業が円滑に進むという
利点もあります。
今日の建前は
大工の藤間さんの藤間さんたる所以を
改めて感じる日でもありました。
例えばこの重ホゾ。
どこまでも金物に頼らず、
木組みで行けるところまで行こう、
という気概と哲学を感じます。
こうして垂木まで
ホゾを届かせるためでした。
また垂木を納める時、
位置がしっかり決まるので
作業が円滑に進むという
利点もあります。
相変わらず雨の日が続きますが、
今日はその合間の晴れの日。
日曜日でしたが、
今日を逃すと
晴れの日が数日後に
なりそうだったので、
今日建前を行うこととしました。
朝、もう十年以上の縁となる
たくさんの顔ぶれが現場に集結。
仕事上の付き合い、というよりは、
久しぶりに集まる同窓会のような様相。
閑静な日曜日の住宅街の中、
カケヤの音よりも笑い声で
苦情が来そうな(笑)、
だけど全員、
手順を理解しているので
順調に作業は進み、
無事午後2時頃
上棟しました。
いちばん最後の棟木は、
きらくなたてものや恒例、
建主さんにてっぺんまで
昇っていただき、
棟梁の藤間さんとともに
カケヤを振ってもらいました。
ここにいる全員の成果、
全員の作品、
今日もよい上棟でした。
ところで今日の夕方、
上棟祝いを始める頃、
どっかで見たクルマが
現場の横に停まるな、と思ったら(笑)、
去年のちょうど同じ日に上棟した
逗子せ邸のご家族の皆さんでした。
お祝いに駆けつけてくれたようで、
ついでに宴のお手伝いを
していただいておりました。
いつの間にか
家族ぐるみでつながる建主たち。
そんなつながりも、
「結」の仕組みを続けてきたからこそで、
職人同士だけではなく
こうした面でも
結の結晶を感じることができて
なんだかとてもうれしかったです。
建前の様子。
現在更地になっている
お隣の敷地を使わせていただくことができて
大助かりでした。
次第に空間の様子も
分かるようになってきました。
日曜日の晴れた空に
カケヤで叩く音が
響き渡ります。
いよいよ上棟。
建主さんご夫婦にも
叩いていただきました。
予定よりも早く作業が終わり、
五時頃から現場で
お祝いの宴を始めました。
みんなの稲村プロジェクトたてもの塾、
今回は伊豆の韮山で開催。
先日のヨイトマケで据えた
石の上に建てる木組みを
大工の指導のもと、
みんなで刻もう!
という企画です。
ちょっとかじりの体験じゃありません、
本格的に、本当に刻んでいただきます。
参加者はちょうど10名。
たくさんの方々にお集まりいただいたので、
ここは機械や電気に頼らず、
できるだけ人力でやろう、
ということで、
まずはホゾ穴をノミで
開けてもらいました。
10人の手による
ノミを叩く音の大合唱が、
なんとも心地よかったです。
そして作業開始直後から
ビンビンと伝わってきた、
みんなの「オモシロイ」という気持ち。
皆さん夢中になって、
玄翁を振っていました。
あっという間にお昼となり、
午後からは大工が追っ掛け大栓継の加工実演。
大工技術の凄みを
肌で感じることができました。
私自身も大工が追っ掛け大栓継を作る工程を
一から十まで生で見ることは
実は初めてのことだったのですが、
こんなに大工技術の粋を集めた作業だったのかと
改めて感動を覚えました。
明日はちょうど建前なので、
また違った感慨がありそうです。
それが終わったら、
引き続き穴掘り。
両面から穴を掘っていって
貫通した時の喜びは、
子どもの頃砂場でトンネルを掘った時に
穴同士がつながるうれしさと達成感と
通じるものがありました。
皆さんも夕方までには
穴を開けきることができました。
加工の様子を見ると、
時間はかかっても
ていねいにていねいに
作業したことがうかがえました。
せっかく丹精込めて掘った穴なので、
番付の横に自分の名前を
記念に書いていただくことにしました。
これで施工責任が明確になります(笑)、
というのは冗談ですが、
建前の際にきっと
自分の掘ったところがこうなるのか、と
感激もひとしおになることと思います。
そんな達成感と心地よい疲労感を抱え、
参加者の一人の計らいで
泊まれることになっている
熱海の保養所に移動して、
楽しい夜を過ごしました。
明日も同じような作業を行いますが、
私は藤沢で建前のため、
明日は大工に託すことにして、
深夜の熱海を後にしました。
みんなで穴掘りしている様子。
みんな真剣そのもの。
若手大工による
追っ掛け大栓継作りの実演。
見ている人たちももちろん
勉強になりましたが、
大工にとっても
こんなに大勢の人たちに
自分の仕事を見てもらう
よい機会だったと思います。
参加していた大学生の男子が
自分も追っ掛け大栓継を作ってみたい、
とやってみることに。
最近こうした好奇心旺盛な若者、
とくに男子にお目にかかることが少なかったので、
うれしく思いました。
お昼とおやつにいただいた
お手製のカステラ。
共同作業のもう一つの楽しみです。
せっかくなので、
こうして番付の横に
自分の名前を書くことにしました。
藤沢ひ邸にて。
雨の合間の
貴重な晴れの日。
ここぞとばかりに
大工二人で土台敷き。
いよいよ始まるんだな、
と気持ちも上がってきました。
現場が動き始めて
ご近所の方々が珍しそうに、
そしてあたたかい目で
見てくださるのがうれしいです。
鎌倉大町み邸にて。
収納部分の建具が
今日取り付けられます。
収納の中の
空気の対流のため、
上下ガラリ付き、
また裏に鏡を貼るという
仕掛け満載の建具。
建具はこうして
機能の要請に合わせたデザインを
考えるのが楽しいです。
完成を見たかったけど、
次の都合のため、
後ろ髪引かれるように
現場を後にしました。
今朝、朝食を食べながら、
窓の外を眺めていたら、
制服を着た子どもたちが
学校に向かって歩いていました。
そうか、今日は入学式か。
今年中学校一年生になる子たちは、
ラグビースクールで教えている学年でもあるので、
あの子たちも制服を着て
中学校へ向かっているのか、と、
仕事で入学式に行けない
父親のような感慨にふけりながら、
珈琲を飲み干しました。
さて今回は、
稲村ガ崎で進行中の
「みんなの稲村プロジェクトたてもの塾」のご案内です。
年明け早々、
敷地でヨイトマケをいたしましたが、
http://youtu.be/RvwW6vA7WMU
今回はその上に建てる木組みを
大工の指導のもと自分たちで刻もう!
という企画です。
プレカットが主流となり、
大工の手で材木を刻む、
ということ自体が
たいへん少なくなってしまいましたが、
希少な機会となってしまったからこそ、
手で何かを作る楽しさと難しさ、
そしてそれができあがった時の
格別の達成感を
ぜひ皆さんに
全身で感じていただければと思います。
それでは皆様、
ご都合のよい日程だけでもかまいません。
ぜひご参加ご検討のほど
よろしくお願いいたします。
【みんなの稲村プロジェクト たてもの塾開催要領】
・日時…平成27年4月11日(土)〜4月12日(日) 9:00〜日没まで
・場所…熱海・伊豆方面
・集合…9:00現地集合(詳細は別途ご案内します。)
・人数…10名程度まで
【連絡事項】
・持物:作業できる服装、運動靴、タオル、
・網代の保養所で宿泊予定です。宿泊される方は、その用意もお願いいたします。
・・・・・・・・・・
先日ご案内した
4月20日(月)に葉山ピスカリアで行うイベント
「医・食・住 自然界と調和した暮らしの哲学入門」は、
定員までまだ余裕があります。
http://blog.goo.ne.jp/kirakunat2/e/5c09b8cd9d6f4667540d78f21603ac7e
皆様。こちらも併せて
ぜひご検討のほど
よろしくお願いいたします。