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2016年10月31日

究極の飾りもの

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

今日は現場で
ちょっとした会合がありまして、

床の養生を剝がしたばかりの奥座敷で、
大勢で座卓を囲みました。

遠目にその様子を見たのですが、
なんだか昭和に戻ったような
懐かしい雰囲気を感じました。

さてその座敷には
床の間があり、

今日の会合のために
しつらえられていました。

そして床の間の真ん中に
鎮座していたのは、

解体途中に出てきた、
空襲で焼けた
黒焦げの柱でした。

空襲で焼けても、
当時の人たちがまだ使えると思って
改修して使い続けてきたわけですが、

まさかこういうかたちで
日の目を見ることになるとは、
当時の人たちも
予想ができなかったことでしょう。

それにしても、
この家の歴史を物語り、

そして引き続き

古くなっても
この家の歴史を
新たに作っていこうという
強い意思を

訪問者へ端的に伝える象徴として
究極の飾りものでした。

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2016年10月29日

みんなで板を塗る

カテゴリー: 柳澤たてもの塾

今年一年かけて、
月に一度の頻度で進めてきた
柳澤たてもの塾ですが、

早いものでいよいよ
今日が最終回。

普通の家づくりの速度から考えたら
十分ゆっくりなのですが、

なぜかあっという間に
感じてしまいます。

さて今日の仕事は、

外壁に使う板に
カキシブコートを塗る作業。

そして、
そろそろ母屋を使い始めるにあたり、
埃まみれだった室内を掃除。

これまでに比べたら
地味な作業でしたが、

それらを通じて
愛を注ぐことに
変わりはありません。

参加者の皆さんは、
楽しそうに晴れやかな顔で
手を動かしてくれました。

あとは職人たちが
水廻り棟の完成に向けて
作業を進めてくれます。

皆さんが次ここへ来る時は、
木のお風呂に入れますので(笑)、
楽しみにいらしてください。

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今日のお昼ごはん。

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2週間前にみんなで塗った土が
いい感じで乾いてきました。

2016年10月28日

美しい理由

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

現在23時過ぎ。

この時間でも、
トーキョーのど真ん中で

タイル屋の小澤さんが
まだ敷瓦貼りを
がんばっています。

自分が把握するかぎり、
晩ごはんも食べていません。

たぶんお昼ごはんも
まともに食べていません。

モーレツサラリーマンも
顔負けの仕事ぶり。

物静かに見える小澤さんですが、
かつては高校野球超名門高校のエース、

内に秘めた闘志を
垣間見たような気がします。

さて、先ほどから
ずーーと目地を撫でていますが、

目地が乾くまで
目地を整えています。

なかなか目地が乾かないので、
途切れずやり続けるしか
ないようようです。

はた目に見た感じでは、
もうそれでいいんじゃないと
思ってしまうのですが、

しかし小澤さんは、
納得のいくまで
手を動かし続けます。

だからですね。

1枚1枚表情もかたちも違う、
達磨窯で焼いた敷瓦が

面になると、
はっとするほど
美しく見えるのは。

瓦の背景にある物語、
またその美しい物語から
紡ぎ出される瓦そのものの
美しさだけではなく、

それを貼る人の手も、
十分に影響しているのだと
思います。

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花に波立つ

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

玄関の欄間戸に、

花柄を描いたガラスの前に
‘小さな波’が立ちました。

玄関の建具は閉じていても、

南北に通風できるように
取り付けた建具の金具です。

看板建築の再興が
この小さな波から始まり、
大きなうねりになると
うれしいです。

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秋空の下できらくなとそうや

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

今日は午前中、
「きらくなとそうや」してました。

外のウッドデッキに、
油系の塗料を塗る作業です。

外で作業するには、
これ以上ないというくらい
気持ちよいお天気で
よかったです。

ところで塗料は、
国内の会社が作っている
自然由来の原料なので、

いわゆるペンキのような
人工的な匂いではなく、

これで料理をしても
いいんじゃないかと思うほどの
香ばしい香りでした。

安全であろうとすることは、
心地よさをもたらすのだと
思います。

あるいは、
心地よい場を作ろうとすれば、
安全な素材に行きつきます。

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2016年10月27日

端材で雨落ち

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

新調した軒に取り付いた
銅の鎖樋が落ちる場所に、
幅約2尺、奥行約1尺の
小さな雨落ちができあがりました。

那智石の周りを囲う大谷石は、
買ってきたものではなく、

同時進行で行われていた外構工事で
余った端材です。

端材が別の場所で
あたかもここに納まるのが
必然だったかのように
ばっちり生かされると、

なんだかうれしいです。

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天井に水紋

カテゴリー: 鎌倉よ邸

鎌倉よ邸にて。

工事も最終段階。

居室の天井に
漆喰の水紋ができました。

照明器具を交換することになったため、
照明器具の跡ができてしまったので、

それを目立たないように
ごまかすのではなく、

むしろ利用して、
丸いペンダント照明に
呼応するように、

漆喰で水紋のような模様を
入れました。

これも改修の仕事ならではで、
改修の面白さの一つです。

そういえばこの家の
玄関まで至る動線にも、

幾つか水紋が
描かれています。

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2016年10月26日

玄関が新しく戻る

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

今日は玄関の建具が入りました。

今回の建具の意匠は、

昔の写真を参考にして、
如何に90年前当初の状態を再現するか、

そして単なる過去の再現ではなく、
そうした条件の中で
如何に今を表現するか、

そんなことを考えながら、
この現場に赴くたびに
どんな建具がいいか思い描き、

そして建主さんとも
話し合いを重ねましたが、

なかなか結論には至らず、
ようやくつい最近
たどり着いた結果の成果が
今日取り付きました。

そんな紆余曲折があっただけに、
今日という日が本当に感慨深いです。

建主さんも
すごく喜んでくれました。

ところでこれまで
この現場で何をしていても、
道行く人たちは
現場に目を向けることが
あまりなかったのですが、

玄関の建具を
建て込んでいる時は別、

道行く人たちのほとんどが
こちらに関心のまなざしで
目を向けていました。

木の建具は、
人々の関心を惹く
引力があるようです。

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まっさきにエアブロ

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

今日はお風呂に
高野槙で作られた
風呂桶が入りました。

岐東の直井さんが、
今朝が岐阜から
直々に届けてくれました。

風呂桶を所定の場所に据えたあと、
まっさきに恒例の
「エアブロ(笑)」しました。

高野槙の香りが
これと分かると、

うんと離れた玄関の土間でも
高野槙の香りが
微かにしました。

香りを言葉で表現するのは
とても難しいのですが、

一つ言えるのは、

木の香りの中で
高野槙の香りが
いちばん好きです。

鎌倉でたびたび開いている
「湯」ですが、

ここでの「湯」も
心待ちにしています。

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きらくに陽の当たる幸せ

カテゴリー: 神田え邸

神田え邸にて。

秋は日に日に
陽が短く低くなり、

そうすると、
きらくな網戸の影も

様々な幾何学模様を
楽しめるようになってきます。

神田え邸では、
南側が現在解体工事中なので
1階でも十分に陽が射すため、

楽しいきらくな網戸の影が
壁に映し出されていました。

壊した後は
新たにたてものが建つ予定なので、
陽と影を楽しめるのは
今のうちだけですが、

やはり陽が当たる幸せを感じてしまうと、
東京のど真ん中だろうとなんだろうと、
陽が当たるって大事だな、と思います。

そういう都市計画に
ならんかなあ。

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