見守り見守られて
子どもたちが集い、
子どもたちを見守る施設、
‘ふかふか’にて。
ここではたてものの中に
木組みのたてものを
作る計画を企てています。
もちろん居室の一部を
作るためですが、
‘遊具’として子どもたちに
親しんでほしいと願っています。
その木組みの準備が
大工・藤間さんの手で
順調に進められています。
お母さんたちを中心に
関わる方の多い仕事なので、
入れ替わり立ち替わり
たくさんの方々に見守られ、
愛情を注がれながら進んでいく
物語が楽しみです。
先週末は久々に晴れましたね。
しかも一年でこれ以上ないというほどの
気持ちいい陽気でした。
しばらくこの温度を
満喫したいと思うものの、
すっかり夕暮れが早くなり、
冬の足音が
微かながら聞こえてきます。
さて今回のご案内は、
11月に行う鎌倉エネルギーカフェです。
鎌倉エネルギーカフェは、
いつもだいたい紙の上での
お勉強だったのですが、
ようやく念願の
「実践版」エネルギーカフェを
開催する予定です。
ではどんな内容で
自然の恵みのエネルギーを
体感していただくか。
今回は「クリまつり」と題して、
秋の恵みを満喫したいと思います。
つまり、
クリのイガを使って染めの体験、
クリを素材に、薪や木炭で様々な料理、
クリの木材を使った小さな工作、
化石燃料に依存することなく、
衣・食・住、
生活の基盤となる三要素を
手作りで仕立てる体験学習会を
行う予定です。
クリは縄文時代、
暮らしを支えた
大切な資源の一つ。
そんな太古の昔にも
思いを馳せながら、
クリ尽くしの時間を
ぜひ楽しんでください。
なお、
「衣」についてはたなか牧子さん、
「食」については佐野武さん、
「住」については私日高、
鎌倉エネルギーカフェオールスターズ(笑)が
体験学習を案内させていただきます。
それでは多くの皆様のお越しを
お待ち申し上げております。
■2016-17第4回鎌倉エネルギーカフェ
「カジュの庭でクリまつり!」
日時:2016年11月3日(木・祝)10~15時
場所:カジュアートスペース(鎌倉市二階堂57-1)
会費:2,000円(今回は食事付、また体験用の資材費込のため、恐れ入りますがこの会費とさせていただきます。)
定員:20名(先着順)
持物:筆記用具
【お問い合わせ・お申し込み】
きらくなたてものや 日高
E-mail tamotsu.hidaka@kirakunat.com
TEL 080-5467-8701
鎌倉よ邸にて。
居間と水廻りを仕切る建具は、
従来は折れ戸だったのですが、
今回の改修を機に、
より手軽に開け閉めできる
引き戸に作り替えました。
その建具の仕様は、
濡れた手で行き来することが多いので、
紙ではなく木で作ったものがいいだろうと、
舞良戸とすることにしました。
木で作る建具は、
材種や桟の割付などは
建具職人と相談しつつも
基本的には設計者の意図ですが、
具体的にどんな木を使うか、
つまり木配りは建具職人の
想いと感覚が強く反映されます。
そこで今回も、
建具職人新井さんが
どんな舞良戸を作ってくるか
楽しみにしていましたが、
建て込んでみて、
やはり新井さんの心にくい配慮を
感じました。
舞良戸の鏡板(横桟の奥の幅の広い板)を
よく見ていただくと、
居間から見て左側が白太がちの板、
右に行くにしたがって
赤身がちの板となっています。
この建具の左側は、
桧の壁と天板の造作が目立つ
白の強い空間、
対して右側は、
褐色に塗装された
既存の家具が座っているのですが、
新井さんはこの舞良戸が、
手前と奥だけではなく、
左と右を橋渡しする存在として
位置づけたかったのだと推測します。
直に聞いたわけではありませんが、
新井さんの木配りは、
いつもだいたいこうした意図があり、
空間を図面以上のものに
仕立ててくれます。
たてものづくりは、
とくに木のたてものは、
こうしたたくさんの職人たちの
想いや感覚を見出すことも
楽しさの一つです。
鎌倉よ邸にて。
今日は建具屋の新井さんが
内部建具の建て込みに来たので、
建具工事、いや、
今回の改修工事の目玉ともいえる
幅9尺、高さ3尺の無双障子が
納まりました。
幅約2寸の細長い和紙の帯が
閉じたり、開いたり。
柔らかく光を通しつつ、
季節や時間帯によって
視線や風を調節できるこの装置は、
実に日本的だと思います。
半開きにした状態も、
光と影が折り重なって、
なかなか面白い表情を
見せてくれました。
ところで今日建て込んだ新井さん、
この大きさでの無双障子は
初めてだったそうです。
しかし幅9尺という大きさで
作れることが分かったので、
今後も各所で積極的に
提案していきたいと思います。
神田え邸にて。
今日から左官屋の湯田さんが
作業を再開しました。
今日の作業は、
玄関の両脇の仕上げ。
湯田さんが得意とする石膏装飾に、
洗い出しで仕上げたものを
取り付けました。
看板建築として
従来にある装飾に倣って
蛇腹のデザインをこしらえ、
そして普通石膏装飾は
真っ白な仕上がりですが、
半乾きの状態で
すかさず洗い出しの仕上げを
施したようです。
あまりにも美しく作られているので、
本当に人の手で作ったものかと
目を疑いますが、
紛れもなく湯田さんの手仕事。
ここまで来ると芸術家です。
ここの看板建築は、
当時の芸術家とともに
考えたデザインとのこと。
それが湯田さんをはじめ、
大工という名の、
板金屋という名の、
タイル屋という名の、
あるいは建具屋という名の、
数々の芸術家たちによって、
約90歳の看板建築が
元気に息を吹き返そうとしています。
この白い壁の装飾から、
デザインの要素をいただきました。