既に夜景がいい感じ
山梨県は
柳澤たてもの塾の古民家にて。
竹小舞の骨を仕込んだ後、
夜帰ろうとしたら、
既に夜景がいい感じでした。
本当に日が暮れるのが
早くなりましたね。
しばらく眺めていようと思いましたが、
まあとにかくたくさんの蚊が
私の周りを取り囲むのと、
おなかがすいたので、
帰ることにしました。
9月も10日とはいえ、
まだまだ暑い日射しが照り付ける中、
今日は9月のきらくなのうえんたいでした。
最近の参加者は、
顔ぶれが固定されてきましたが、
それだけに
共通の話題が多かったり、
近況報告しあったり、
なんだか来てくださるだけで
楽しい、うれしい、
きらくなのうえんたいです。
さて今日の作業は、
冬野菜の種まきと、
みかん畑の草刈り。
いずれも身体に堪える
仕事でした。
しかし私たちは
今日だけの仕事ですが、
とくに草刈りに関しては、
農園の秋沢さんは、
灼熱の真夏でも、
毎日のように草を刈る日々が
続くとのこと。
しかも刈っても刈っても、
草は生えてきます。
まさに終わりのない仕事。
建築の仕事は、
どんなに膨大な作業でも、
一つ一つ歩みを進めれば、
いつか一段落する日が来ますが、
農作業は、
その点訳が違うのだ、
と思いました。
区切りがあるとすれば、
それを決めるのは人間ではなく、
どちらかというと、
相手の植物と、
流れゆく季節の都合で
決まります。
ああなんか、
子育てやラグビーのコーチ業と
似ているな、と思いました。
それはさておき、
そんな作業を
毎日毎日一人で格闘していたら
発狂してしまいそうだと
容易に想像ができますが、
共同作業になったとたんに
時に交わす会話が楽しかったり、
仕事に飽きて遊ぶ
子どもたちの歓声が
応援歌になったり、
むしろ楽しい時間にさえ
感じることができます。
共同作業は、
暮らしを楽しくしてくれる
最高のクスリ、とすら思います。
秋沢さんに聞けば聞くほど
この場所はやるべき作業に
満ち溢れています。
一方で私たち現代人、
とりわけ季節感もなく
目と指先だけ動かして
仕事している都会人は、
毎日でなくてもいい、
月に数度でいいから
実態のある仕事、
「汗」を伴う仕事を
潜在的に望んでいるような
気がします。
お金払ってスポーツジムに通うことも
いいかもしれませんが、
身体を動かす共同作業で
おのずと汗をかき、
みんなでえがおとおいしさ、
風の心地よさを
共有できる場所へ
いざなえる仕組みとして、
「きらくなのうえんたい」という場を
活かしていきたいと思います。
今日ののうえんたい全員集合。
朝はジャガイモと白菜を
畑に仕込みました。
秋沢家に用意していただいた
とってもおいしいお昼ごはん。
今度、「農家めし」という企画で
料理教室やろう、という声も
上がりました。
とくにゴーヤの南蛮漬け(?)は、
みんなに好評でした。
午後はひたすら
太陽の照り付けるみかん畑で
草刈り。
作業に飽きた子どもたちは、
蔓性の植物で首飾り作り。
私にも作ってもらいました。
そして、疲れた私たち相手に
「青空カフェ」。
すっぱい青ミカンを絞った
ミカン水が身体に沁みわたりました。
暦は秋とはいえ、
汗の噴き出る暑い日でした。
汗だくで仕事を
している合間に見つけた、
山道の真ん中に咲く
韮の花と蝶の舞に癒されました。
神田え邸にて。
改修工事に伴い、
この家の中に
‘トマソン’が出現しました。
鎌倉の人気ミュージシャンの一人が
現れた、というわけではありませんよ(笑)。
(とはいえ今度二人には
土間でライブしてもらいたいですが)
「トマソン」とは、
例えば途中で止まっている階段とか、
2階のバルコニーとかないところにある
外壁面のドアとか、
まちなかにある
これ何の役に立つの?
という「超芸術作品」のことで、
赤瀬川原平さんらによる
東京の路上観察活動により、
脚光を浴びることとなりました。
改修前、
ここにはロフト、よりも巨大な
3階ともいっていいようなところがあったのですが、
耐震上や、
雨仕舞に不安のある納まりだったことや、
もはや使わないだろうということ、
さらにその部分を撤去することにより、
吹抜から風が抜け、
燦々と光が入るようにすることができたので、
そうすることにしました。
すると、
ロフトまで昇るための階段が
途中で途切れ、
かといって使い勝手上、
その階段までも撤去する必要はなかったので、
人の背丈まで昇って
踊り場で行き止まる
ナゾの空間が出現しました。
敢えて申せば、
越屋根の点検に役立つかもしれないし、
もしかしたら
ここで創作活動したら
頭が冴えるかもしれないし、
あるいは
吹抜の下の土間で何しているかを見張る
諜報活動ができるかもしれないし、
(子どもがこういうの好きですよね)
何かの役に立つかもしれませんが、
れっきとした
クスリと笑える
‘トマソン’です。
こういう場所、
好きだなあ。
鎌倉よ邸にて。
私たちが入る前から
そこにおられたモミジを優先して
屋根のかたちを作ったのですが、
下から見上げると、
モミジと屋根の輪郭で
空を切り取ったようにも見えます。
こういう空の見え方も
いいなあ。
我が家で大工の藤間さんが
これから数日間仕事します。
約16年前に建てた家、
当時の情熱があったからこそ
建てたこの家に、
16年の間に得た知恵を
付け加えて、
より快適な住まいへとするために
開口部を改造します。
完成したら、
また報告します。