木の葉の絵のごとく
鎌倉よ邸にて。
竹小舞に土が塗られたことにより、
窓からの景色の様子も
明らかとなってきました。
極小の空間の目線の高さには
広がりを感じることができるように
幅いっぱいに窓が穿たれ、
豊かな庭木の様子を
窺い知ることができます。
全面的に解放された窓も
存分に外を感じられて素敵ですが、
こういう庭の感じ方も、
切り取った絵のごとく、
木々の葉を強調して
感じることができます。
9月1日。
夏が終わりました。
今日の昼間は、
まだ夏の続きのような
暑さでしたが、
9月に入ると突然、
夕方6時頃の夕焼けが
どこか寂しげに感じます。
そして日が暮れると、
涼し気に秋の虫が鳴き、
窓から爽やかな風が入ります。
夜が涼しくなればなるほど、
日中どんなに暑くなっても、
木と土の家は、
朝までの空気の名残を
残してくれるので、
エアコンのない我が家でも
それほど不快ではありません。
実は今年の夏、
約4畳の場所に
私含めて3人が詰め込まれ、
3台のパソコンと、
1台の複合機が稼働して、
部屋の中からも熱を発している
事務所の環境を見るに見かねて、
周囲の人たちから
エアコン入れなよ、
という強い勧めがありました。
自分は暑いのは大丈夫なのですが、
所員のことを考えると…、
という思いもありましたし、
8月上旬に気温が34、5度まで上がった時は
正直申して心がぐらつきました。
しかし振り返ってみれば、
寝る時間までホントに暑い!と思ったのは
7月末から8月上旬の
4、5日程度でしょうか。
お盆を過ぎてしまえば、
涼しいと思う日すらあったし、
またその日があったおかげで、
次の日どんなに暑くなっても、
家の中はそれほどでもなかったし、
8月下旬以降はエアコンなくても
無理なく乗り切ることができました。
それは身体が猛暑に晒されて
暑さに慣れたから、ということも
あると思います。
一方でもしかして、
夏のいちばん暑い時に
エアコンを入れてしまったら、
峠を越えたこの時期でも、
エアコンを使ってしまっているような
気がします。
ところでお盆の時期、
世間はなぜ仕事をお休みとするのか、
エアコンがない暮らしをしていると、
よく分かります。
はい、単純に、
仕事をする気が
起きないからですね(笑)。
暑くてたまらない時期は、
無理せず休んで、
川でも海でも山でも、
涼しい場所に行けばいいのです。
事実きらくなたてものやも、
お盆前後は大型連休にしてしまいました(笑)。
こうして
もはや絶滅危惧種の
エアコンのない自宅兼事務所暮らしは、
しばらく続きそうです。
神田え邸にて。
今日洗面所に
銅の流しが納まりました。
やはり金属の中で、
木との相性がいちばんよいのは、
赤色がかっている
銅だということを再認識しました。
金属だというのに、
木と同じように
素材としてあたたかみを
感じるからでしょうか。
理由はともあれ、
今話題の運動の世界では
銅は三位のご褒美ですが、
建築の世界では、
私にとって堂々の
いちばん好きな金属です。
鎌倉よ邸にて。
今日は増築部分の
竹小舞作業を行いました。
まちの真ん中にある家、
また建主さんの人脈で、
ずっといてくださる方もいれば、
空いた時間の合間を縫って
来てくださる方もいて、
なんかこういう
気軽に参加できる感じが
とてもいいな、と思いました。
まさにお祭りのように
代わる代わる
まちのみんなで
作っている感じでした。
なお、一部の方には、
記念に作業した壁に、
名前を書いていただきました。
おかげさまで
今日一日で予定していた作業が終わり、
夜景を楽しむこともできました。
ご参加いただいた皆さま、
どうもありがとうございました!
鎌倉よ邸にて。
今回の仕事は、
豊かな庭木の合間を縫って
作っているのですが、
軒はやはり
豊かに出したい、
しかし庭木の幹が
四方八方に広がっていて、
その姿を
ほぼ維持するために、
木が当たりそうなところは、
その部分のみ
軒先をひっこめることにしました。
先に住んでいる方
優先です。
鎌倉よ邸にて。
先日男三人大汗かいて
ホーロー製の浴槽を運びましたが、
その時の苦労がウソだったかのように
静かにたたずんでおります(笑)。
現在その周囲を
小澤さんがタイルで
お化粧中です。
神田え邸にて。
今日は大工と建具屋が
現場に集まり、
玄関建具の打ち合わせ。
建築当初の約90年前は、
重厚な格子開き戸が
4本並んでいたようですが、
現在は鉄製のシャッターと
なっていました。
今回の工事では、
それをほぼ元の姿に復元する
予定なのですが、
何しろ現在1本しか残っておらず、
また当時はおそらく外開きで、
道路にはみ出して開いたであろうと思われ、
復元とはいえ、
そっくりそのまま
元の状態に戻すというよりは、
現状に即しつつ、
使い勝手も考慮しながら、
また構造補強も兼ねながら、
しかも昔からあたかも
そうであったように見せるために
改めて詳細の納まりを
考えなければならず、
かなり難易度の高い
検討課題の一つです。
それを現場で、
建主さんにご意向をいただきつつ、
職人たちと知恵を出し合いながら、
検討を進め、
私の中で納得のいく方針が
今日ようやく固まりました。
様々な難題を
現場でみんなで力を合わせて
どう乗り越えるか、
それができたときの達成感も、
改修工事の面白さの一つです。