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2016年6月18日

受け入れて流す

カテゴリー: 今日のできごと


先日の「遠足」で伺った、
達磨窯が鎮座する五十嵐さんの工場にて。

ここへ訪れると、
現代の瓦と達磨窯で焼いた瓦の
違いを説明するために
五十嵐さんは水の溜まった古い風呂桶に
二つの瓦をジャボンと入れて見せます。

現代の瓦は
水が全くひかないのに対して、
達磨窯で焼いた瓦は、
みるみる水がひいていきます。

つまり瓦が
スポンジのように
水を吸うことの証拠です。

これにより
雨が降ると一時的に屋根が重くなる反面、
瓦の裏は水分、どころか、
湿気がこもることがなく、
また雨が降った後に
お日さまが照り、
水分が蒸発することによって、
気化熱が奪われ、
屋根に熱が
こもりにくくなります。

これは外壁に木の板を張った場合も
木も多少水を吸うので
似たような現象が起こります。

つまり現代は、
雨を含め外部のものは
徹底的に排除する、

一方で伝統的なものは
いったん受け入れて徐々に流す、

そんな考え方の違いが
瓦からもはっきりと読み取れます。

もっとも古い時代は、
技術的にそうするほか
なかったのかもしれません。

しかし雨に限らず、
「いったん受け入れて徐々に流す」
という素材の作法は、
なんだかとても日本的で
日本の気候風土に
合っているような感覚が
私にはあります。

実際に温度湿度の高い夏場は、
現代の家よりは格段に
小屋裏部屋が快適だし、

今のような梅雨時も、
家の中の空気がさらっとしています。

じゃあその効果のほどを
具体的に科学的に証明せよと
この現代は言われそうですが、

体感して気持ちいい、

まずはそれで
よいではありませんか。

余談ですが人間関係も、
そのほうがうまくいきそうです。

2016年6月17日

畳の下に敷かれたタイムカプセル

カテゴリー: 鎌倉台て邸

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鎌倉台て邸にて。

今朝畳屋さんが来て、

古いほうの家屋の
二間続きの和室に敷いてある畳を
新しい畳に替えるために
古い畳を
引き取っていきました。

すると、
古い畳の下に新聞紙が敷かれていて、
紙面を読んでみると、
片方の和室は昭和48年、
もう一つの和室は昭和38年の新聞でした。

時間がなかったので、
さーっとしか目を通しませんでしたが、
時間があれば面白そうだったので
じっくりと読みふけりたかったです。

床下から上がる隙間風を防ぐために
畳の下にはよく新聞紙が敷かれていますが、

もう一つ、
エンジンオイルを入れ替える
時期を記録するかのように、
畳を入れ替えた年の記録を後世に伝え、
またその年の思い出も伝える、

タイムカプセルのような
役割を果たしてくれます。

2016年6月15日

緑たちは大丈夫なのかなあ

カテゴリー: 神田え邸


神田え邸にて。

約10日前に塗った土が、
ほぼほぼ乾きました。

いつもこの時期は湿度が高くて、
冬場よりも乾きが遅い印象があるのですが、
例年よりも
とても早いような気がします。

それだけ今年は
空梅雨ということなのでしょうか。

そう書いていたところで、
ラジオからダムの貯水量が
とても少なくなっているという
ニュースが流れていました。

緑たちは、
大丈夫なのかなあ。

2016年6月14日

6/25 小田原エネルギーカフェ〜きらくなのうえんたい

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昨日は梅雨の時期らしい
雨の降る日でした。

日曜日が暑い日だった余韻で、
うっかりTシャツ1枚で
出かけてしまったのですが、
昨日はさすがに寒かったです(笑)。

さて今日のご案内は、
小田原で行うエネルギーカフェのご案内です。

きらくなのうえん隊の活動場所となっており、
また小舞竹の調達先ともなっているあきさわ園さんで行います。

現在、ジャガイモ、タマネギ、タケノコが
お手元にあるとのことなので、

それらを使って、
ソーラークッカーとロケットストーブを用いて
みんなで料理を楽しみたいと思います。

では皆さま、
ご検討のほどよろしくお願いいたします。

2016初夏 小田原エネルギーカフェ開催要領

日時:平成28年6月25日(土)10~14時
場所:あきさわ園(小田原市沼代1215)
   http://natu-aki.com/
会費:1,500円
定員:10名
持物:作業服、エプロン、軍手
※(任意)昼食用に、何か一品持ち寄りしてくださるとうれしいです。

雨天中止(当日7時までに判断のうえ連絡いたします。)

■お問い合わせ・お申し込み
きらくなたてものや 日高
E-mail tamotsu.hidaka@kirakunat.com
TEL 080-5467-8701

(追伸)
先日ご案内した、
「医食住 自然界と調和した暮らしの哲学入門」ですが、
おかげさまで定員に達しました。

ご参加の皆様、
また告知・拡散にご協力いただいた皆様、
ありがとうございました!

今後お申込みをいただいた方は、
収容人数の都合でキャンセル待ちとなります。
たいへん恐れ入りますが
ご理解のほどよろしくお願いいたします。

2016年6月13日

壁の仕上げが始まる

カテゴリー: 鎌倉台て邸

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鎌倉台て邸にて。

壁の仕上げ工事が
始まりました。

一部を自分たちで塗る
左官仕上げになる予定です。

現在は下地処理の段階です。

2016年6月11日

物語のある瓦

カテゴリー: その他

今日は久しぶりに
群馬藤岡で瓦を焼く
五十嵐さんの工場(こうば)まで、
「遠足」に行きました。

今アースマンシップさん主催で行っている
「たてもの塾」の人たちと、
過去現在の建主さん合わせて
合計15名による楽しい楽しい遠足でした。

さて、五十嵐さんとは、
この場でも度々
紹介させていただいておりますが、
昔ながらの達磨窯で瓦を焼く、
日本でもたいへん数少ない方です。

数少ない、どころか、
日本で唯一かもしれない、
絶滅危惧種の特別天然記念物級
と言っていいほどの方です。

きらくなたてものやでは、
瓦を葺く場合、
一枚一枚違うものが
折り重なることで醸し出される
温かみのある表情が大好きで
いつもこの瓦を
使わせていただいているのですが、

その瓦を焼く装置が
一体どんなものか、

どんな人の手で
生み出されているのか、

そして今、
それがどんな状況に
置かれているのか、

ぜひ多くの人たちに
知ってほしくて、
群馬までの遠足を
時折企画しております。

こうして何度となく伺っておりますが、
行く度に五十嵐さんの技と心意気に感動し、

改めてそれに応えられるたてものを
作り続けていこうと、奮い立たされます。

また、訪れた人たちは、
心温かい五十嵐さんだからこそ
焼ける瓦なんだということを知り、
みんな五十嵐さんのことが
大好きになって、
応援していこうという気持ちを
持ってくださるのもうれしいことです。

その後しばらくして
自分の家の上に五十嵐さんの瓦が載ると、
愛しくて誇らしい、
そして誰かに
自分が見てきた物語を語りたくなる、
そんな気持ちになります。

手仕事で作り上げるものは、
こうして愛に溢れた物語を紡げることも、
醍醐味の一つだと思います。


達磨窯の入り口。


達磨窯の内部。


瓦を成型する機械。

昔ながらの、
何となく体温を感じる機械です。

ここを訪れた記念に、
生の土に思いを刻む建主さん。

五十嵐さんの瓦を葺いた
近所の柏屋さんで
お昼ごはんをいただきました。

お昼ごはんは、
うなぎです。

2016年6月10日

今日はきらくな反省会

カテゴリー: 今日のできごと

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今日の夜は、

きらくな反省会の日。

きらくなたてものやでは、

3カ月に一度、

仲間の職人たちが集まって、

酒も飲まずに真剣に

反省しあう場を設けています。

今回も気がつけば、

みんな現場の後の

疲れている時間にもかかわらず、

三時間近くも話し合っていました。

いい仕事をし続けるには、

仲良し、だけではダメ、

いいところはいい、

気になるところは気になると

お互いに言い合える関係であることが

大切だと思うのです。

昨年末、大工の一人が

やろうと言い出してくれた時は

とてもうれしかったです。

熊本地震の後の様子を見て、

より謙虚に、より確実に

仕事をしなければならないと

肝に銘じた直後でもあるので、

反省会は、

より有意義なものに感じました。

また本当に、

素晴らしい仲間たちに恵まれたと

改めて思いました。

2016年6月9日

文化の種蒔き九年目

カテゴリー: その他

今年も地元の中学校で、
木の建築について
お話しする機会をいただきました。

お話だけではなく、
半分は体験型の学習。

様々な種類の仕口、継手が詰まった
一辺三尺の立方体を組み立て、

木の種類当てクイズを行い、

そして最後に、
四寸角を鋸で切り落とし、
小口面にドリルで何ヵ所か穴を開けて、
ペン立てを作りました。

この機会をいただいて、
今年で9年目。

自分の子どもが
小学生の時から始まり、

今となっては、
下の子が卒業して早二年。

それでも地元の中学校を
「定点観測」し、

たくさんの子どもたちと
ふれあえる機会は、
楽しいです。

そういえば今日は、
教育実習生の子が二人
学校に来ていました。

その子たちが中学1年生の頃から
ここへ来ていることになりますが、

種蒔きを始めた頃
出会った子どもたちが、
そろそろ社会に羽ばたこうとしている、
もしくは社会に出て活躍し始めている
年頃となるわけです。

年に数度でも、
地元で見かけた子どもたちが
こうして立派に育っていくさまを見ると、
なんだかうれしくなります。

子どもたちとふれあうことは
結果的に自分へのごほうびとなり、
やり続けてきて本当によかったな、
と思います。

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今年は大学の講義でやってきたことを活かして、
中学校では初めて「木の種類当てクイズ」を行いました。

男の子も女の子も、
考えているさまが
本当にかわいらしかったです。

2016年6月6日

あしあとの出発点

カテゴリー: 鎌倉台て邸

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鎌倉台て邸にて。

手形をつけた
同じ壁の足元には、

家族のあしあとが
土に刻まれました。

この時私は立ち会えませんでしたが、
壁に足を向けてあしあとをつける姿は、
きっとほほえましかったことと思います。

そしてこのあしあとが出発点となって、
家族の物語と子どもの成長のあしあとが
この家に刻まれていくのだと思います。

これからどんなあしあとが続くか、
楽しみにしています。

2016年6月5日

電力自由化で何が変わるか、を学ぶ

カテゴリー: エネルギーカフェ

今日は今年度初回の
鎌倉エネルギーカフェ。

講師に小澤祥司さんをお招きして、
「電力自由化で何が変わるか」
というテーマでお話をいただきました。

今年3月に今年度のエネルギーカフェの
企画会議を行った際、
4月から電力自由化が始まるので、
その勉強をしてはどうかという意見があり、

「電力自由化」でネット検索したら、
以前鎌倉エネルギーカフェでお話しいただいたこともある
小澤さんの著書「電力自由化で何が変わるか」が
真っ先に出てきました。

これは頼まない手はないと思い、
お願いしたらご快諾いただき、
著書と同じテーマで
お話をいただくことになった次第です。

さてお話の内容ですが、
まず電力事業の歴史から始まり、
その後百数十年の様々な経緯を経て、
今年4月に電力自由化が始まったこと、

またその裏にある業界事情や、
私たちは今後どのように選択するべきなのか、
たいへん勉強になるお話をいただきました。

お話をお聞きして、
自由化とは言っても、
実際のところは
既存の電力会社が供給を担う構造は
ほとんど変わらず、

例えばドイツのように
ほぼ全てを再生可能エネルギー由来による
供給業者を選ぶことはできない、
ということがよく分かり、

世間もそれを知ってか知らずか、
この約2ヵ月の間で電力会社を乗り換えた方は、
ほんの一握りというのが実態のようです。

また、
携帯電話事業のように、
幾つかの民間企業がサービスや価格を競争し合って、
それらの質が上がる、ということは期待できそうもなく、

ヨーロッパの先行事例を見ていると
むしろ価格は上がる可能性すらあること、

とはいえ、
エネルギーをたくさん使ったらオトクだよ、
ということになるのも、
なんだかなあ、と思ってしまうわけです。

今日のお話を聞くかぎり、
これと言った選択の決め手は
今のところなさそうなのですが、

とはいえ、
再生可能エネルギーの導入を
積極的に行おうとする供給業者は
あるようなので、

今は不十分だったとしても、
「応援」の意味も込めて、
そうした業者を選んでいこうと思いました。

そして小澤さんのお話を聞いて、
最も多かった意見は、

 既存の電力事業に
 満足いくものがないので、
 オフグリッドを目指してみたい、

というものでした。

幸い次回のテーマは、
イオさんによる「独立電源」のお話なので、
ぜひみんないらしてください(笑)。


小澤さんと参加者の方々。

今日も遠方の方を含め、
たくさんの方々にお越しいただきました。
ありがとうございます!

今日の自慢の一品。
今日も季節感あふれた
たいへんおいしいカフェタイムでした。

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