ここだけ見ると
小田原あきさわ園加工所にて。
玄関を入って
すぐの空間。
風と視線が
抜けるように
なっています。
ここだけ見ると、
食品加工所かどうか
さっぱり分かりません(笑)。
しかし仕事場だからこそ、
理念を表明し、
居心地のよい場所に
仕立てていくこと、
大賛成です。
小田原あきさわ園加工所にて。
引き渡しに向けて、
ここだねの方たちと
床に蜜蝋ワックス掛け。
いつもは市販品の
蜜蝋ワックスを使うのですが、
今回は建主さんが
お手持ちの胡桃油と蜜蝋で
ワックスを自分で製作。
ものを見るまでは、
うまくいくかなー
と思っていましたが、
塗っている時に
おいしそうな胡桃油の香りが
香ばしくて香ばしくて、
今日ほど視覚のみでしか
表現できないことを
残念に思ったことはありません。
まさに五感に心地よい
作業でした。
これ本当に
毎回おカネをお支払いして
製作をお願いしたいほどです。
それにしても、
農に携わる方々の
自らの手で暮らしを作ろうとする姿勢に
感服します。
小田急線で多摩川を超えて
すぐのまち狛江、
東京都でありながら
里山的な風景を散見でき、
どこかなつかしさを感じるまちで、
なつかしい家づくりが
始まります。
設計はまだ
基本計画段階ですが、
木組みを考えるために
飯能の材木屋へ。
象徴的に使う木を選んで、
そこから木組みを発想して、
計画に手を入れていこうという考え。
計画先行のことも多いですが、
材木屋の提案を受け、
素材から計画を考えるということも
ワクワクする大好きな方法です。
今回決めた1本は、
材木屋がこれを使ってみたい、
と言っていたものですが、
その木は
おそらくたまたま偶然、
まさに建主さんの苗字と
関わりのある木。
その木が映えるように
これから断面計画を
考えてみます。
上里は邸にて。
外部の木建具枠が
できあがりました。
この家は、
古い家の改修、
座敷の鴨居高さが
5尺7寸なのですが、
外部の鴨居は
それよりやや高いだけで
すごく解放感があるように
感じます。
鴨居の高さの話と言えば、
もう三年も前のこと。
ご縁で建築家・奥村まことさんに
お会いする機会をいただきました。
天に召される
少し前のことで、
彼女はベッドに腰掛けながら、
確か三時間近く四方山話を
させていただきました。
一つ一つのお話が
楽しくて三時間があっという間、
かといって
その間具体的にどんな話をしたかは
記憶が途切れ途切れなのですが、
鮮明に覚えていることの一つは、
窓の高さのお話しでした。
割と唐突に、
「今の鴨居の高さは高い」
「だからバランスが悪い」
「6尺もあれば十分」
という話を切り出されました。
確かにその通りだと思う一方で、
サッシの規格や
現代人の身長の高さを考えると、
なかなか開口部を低くする勇気は
ありませんでした。
しかし今回は、
古民家の改修ゆえに
室内の鴨居高さは強制的に
私の頭すれすれの5尺7寸。
改めて
その鴨居の下を歩いてみると、
座り込んでみたくなるほど
落ち着く。
開口部の様子を
引いてみてみると、
やはりプロポーションがいい。
そして頭の高さギリギリだと、
鴨居をくぐる時、
軽く会釈する感じになるのも
なんだかいい(笑)。
この光景を見て、
キレのいい
かつおだやかな
あの時の言葉を
思い出しました。
柏お邸にて。
週明けに
足場を払う予定のため、
外部の作業は大詰め。
今週は左官屋が大勢で
作業に入りつつ、
足場がないと困る
建具屋、電気屋と
現場が賑やかです。
もう少ししたら
内装の仕上げに入るので、
もっと賑やかに
なりそうです。
茅ヶ崎‘米の花’にて。
このたてもの作りの過程で
うれしかったことの一つは、
産業廃棄物処理費0円を
達成したことです。
これまで木と土で作るたてものは
廃材でもとことんまで使える材料が多く、
私が軽トラックで捨てに行けるくらい、
ゴミがとっても少ないと実感していましたが、
火を使う厨房廻りは、
法令上どうしても内装を
不燃化しなければならず、
数枚石膏ボード等を
使わざるをえないために、
産業廃棄物処理費が
生じていました。
自分で産業廃棄物処理業者に持ち込むと
実感するのですが、
その際いつも、
これっぽっちの石膏ボードを捨てるのに
こんな費用かかるのか、
そしたら石膏ボードを大量に使う
今の作り方だと、
膨大に産業廃棄物処理費が
かかるんだろうなと
想像したりもします。
今回も麹を仕込むために
火を使う部屋があるので、
いくらか石膏ボードを使ったのですが、
建主さんがその端材を
石膏と紙に分別し、
石膏部分の再利用を
試みてくれたのです。
他も徹底して
再利用等に挑み、
ついに産業廃棄物処理費0円を
達成しました。