瓦葺中
湯河原し邸にて。
達磨窯で焼いた燻し瓦は、軒先の万十が並び終わったところ。これから積んである桟瓦が敷き並ぶ予定です。瓦は、できあがった姿だけではなく、施工中も美しいと感じます。
ところで瓦を葺く金子瓦店さん、毎年暑さ真っ盛りの頃に現場でお会いしている気がします。陽射しを遮るものがない過酷な状況の中、ありがとうございます!
藤沢い邸にて。
造成していた土地の引き渡しが済み、さっそく炎天下のもとで地鎮祭を行いました。
執り行っていただいたのは、近所にある日蓮宗のお寺のお坊さん。地鎮祭というと神社の神主さんであることが多いので、祭壇もその他の用意も新鮮な光景。そして式が始まるとお経が唱えられました。
鎌倉は日蓮宗のお寺が多く、お経を耳にすることもあったのですが、改めてこうして身近でお聞きすると、速いテンポで打楽器を打ち鳴らしつつリズミカルに言葉を並べて、これはラップだと思いました。
鎌倉時代に新興宗教として始まり、広まったと習いましたが、現代と同じように、ラップのように聞こえるお経が「かっこええやん」と若者たちが熱狂して支持したのかもしれませんね。
湯河原し邸にて。
この家は石の上に据える石場建て。久々のヨイトマケです。総勢12名いましたが、誰も遊ぶ手はなくちょうどよい人数でした。その12名が協力して、時に数え歌を歌いながら、石の一点めがけて力と思いを集めました。全ての作業が終わった時なんとなくこのチームが結束したような気がしたのは、私だけではないと思います。
ところで石場建ての場合は、検討の過程でできるだけ力を均等に振り分けたいという意識がより強く働くので、間取りと架構が合理化されていきます。またこの機会をいただけるよう、とくに平家の場合は積極的に提案していきたいと、整然と並んだ石を眺めてそう思いました。